実験にご協力いただいた阪田家のリビングで、実際に調査隊がアドバイスしながら行った対策の内容を詳しくご紹介。
これから節電対策を始める方や、リビングにおけるお悩みがある方は、ぜひ参考にしてください。
フィルターを外してみると、こんなにもたくさんのホコリが……!これではエアコンの効きが悪くなり、電力を余計に使ってしまいます。
では、フィルター掃除だけでどのくらい効果があるのでしょうか?
掃除前に吹き出し口の風速を測定してみたところ、2.86m/sという数字が出ました。
掃除の方法は、掃除機でホコリを吸い取るだけ。ただ、汚れがひどい場合や、エアコンがキッチンのそばにあって油汚れがついている時などは、中性洗剤を溶かしたぬるま湯でつけ置き洗いしてください。
フィルター掃除は2週間に1度を目安に。これだけで5%の節電になるんですよ。逆に、1年間掃除していないと、電力は約25%も無駄になるといわれています。掃除を終えた後、風速は4.28m/sになり、なんと1.5倍もアップしていました。
室外機の吹き出し口付近や上などに物を置いていませんか? 吹き出し口は、部屋の中の熱を外に捨ててくれる大切な役目を果たしています。そこをふさいでしまうと風の通りが悪くなり、たくさんの電力を使ってしまいます。
室外機の周囲に置いていたゴミ箱やペットボトルは他の場所に運んでスッキリとさせました。
これで風の通りが良くなり、エアコンが効きやすくなります。
阪田家のリビングは窓からの西日が強く、すぐに暑くなってしまうのがお悩みでした。
日射を遮るのに一番簡単な方法は、西日が差し込む時間帯の前にカーテンを閉めることです。最近の住宅は断熱効果が高いため、いったん壁や床が温まるとなかなか冷えません。サーモカメラで見ると、床の温度差は一目瞭然ですね。
また、昼間にカーテンを閉めたくないという場合は、窓に遮熱フィルムを貼るのも効果的です。これなら室内からの景観や明るさを損なわずに熱だけを遮断することができます。
サーモカメラで見ると、遮熱フィルムを貼るだけで、窓のそばの床の温度が35℃から25℃まで下がっているのが確認できました。
ちなみに、窓の外に「よしず」や「すだれ」を設置したり、アサガオやゴーヤで緑のカーテンを作ったりするのも、日よけにはオススメです。
キッチンは電化製品が多く火も使うため、夏場は家の中で特に暑くなる場所です。さらに対面式のキッチンは熱がこもり、どうしてもリビングより気温が高くなってしまいます。
このような温度ムラをなくすには、サーキュレーターを活用しましょう。ただし、置く場所にはご注意を。阪田家では左図のような位置に置いていたため、暖まった空気を混ぜるだけになっていました。リビングの冷えた空気を送り込めるよう、サーキュレーターは右図のようにリビングとキッチンの境目に置きましょう。また、床よりも少し高い台に乗せたほうが、より効果的です。
ちなみに、「風を送る」「空気を混ぜる」ことが目的の場合は、扇風機よりも風がより遠くの届くサーキュレーターのほうが適しています。
エアコンの温度設定を1℃上げれば10%の節電になるといわれています。ただ、単に温度を上げるだけでは熱中症になる恐れもありますので、フィルター掃除や日よけなどの対策をしたうえで、無理のない温度を設定しましょう。目標は28℃です。
お子様やご年配の方がいらっしゃるご家庭では、他の節電対策と併用し、体調を崩すことのないよう注意してくださいね。
今回、調査隊の方にいろいろな節電対策を教えていただき、大変勉強になりました。
エアコンのフィルターはしばらく掃除をしていなかったのですが、ホコリを取るだけで約5%も節電になるなんて驚きです。掃除機で吸い取るだけなので、この夏はマメにフィルター掃除をするようにします!
また、悩みだった西日の暑さも、「陽が入る前にカーテンを閉める」「窓に遮光フィルムを貼る」という簡単な対策で効果が出ることがわかってよかったです。
今回の実験では、節電対策をすると約15%の節電につながりました。
これを機に、家族でできることを話し合い、この夏は無理のない節電をしてみようと思います。昨年と比べてどれくらい電気代が下がるか楽しみです。