ダイキンは空気・空調の専門家として、
エアコンの1時間あたりの電気代を計算する方法や
ご家庭で簡単にできるエアコンの電気代を節約する方法をご紹介します。
エアコンは、部屋を暖かくしてくれますが、そのしくみはどうなっているのでしょうか。
実は、冬の冷たい空気にも熱は存在しています。
そこで、部屋の外の空気の「熱」を室内に取り入れることで部屋を暖かくしているのです。
エアコンは、室内機と室外機の2つが必ずセットになっています。
室内機と室外機の中には、熱を空気の中から集めたり、空気中に逃がしたりする「熱交換器」が入っています。
まず、室外機は外の冷たい空気を吸い込み、冷たい空気の中にある熱を熱交換器で集めます。集めた熱は室内機と室外機のパイプの中に流れている「冷媒」という物質が受け取り、室内機へ運ばれ、室内機の熱交換器で熱をおろし、温風として室内に出すということをくりかえすことで、部屋を暖かくしています。
動画でエアコンのしくみからわかる節電ポイントを解説!
「エアコンのしくみ」と電気代の関係はこちら一般的な例で考えると、夏は外気温35℃、設定温度27℃でその差は8℃ですが、冬は外気温7℃、設定温度20℃でその差は13℃にもなります。エアコンは設定温度に到達するまではフル稼働するため、外気温と設定温度の差(熱負荷)が大きくなる冬は必然的にエアコンが消費する電力量が大きくなり、電気代が高くなってしまうのです。
冬は外気温とエアコンの設定温度の差が大きい=熱負荷が大きい→消費電力量が大きくなる
ダイキンの実験では、30分程度の外出なら1度オフするより「つけっぱなし」のほうが電気代の節約につながる結果になりました。
このような結果になった理由として、「こまめに入り切り」した場合、何度もエアコンの運転をONにした直後に多くの電力を消費したということが考えられます。
エアコンは設定温度を維持する時よりも、運転を開始した直後の室内温度と設定温度の差が大きい時に電力を多く消費します。
エアコンを「つけっぱなし」、「こまめに入り切り」したときの消費電力量は、右のグラフ内、黄色で塗られた面積の大小で決まります。
頻繁なエアコンの入り切りは、時に消費電力量を大きくしてしまうことがあるのです。
つけっぱなし実験の結果はこちら!
冬のエアコンつけっぱなし検証
電気代は運転時の使用状況や環境、電力会社との契約内容によって変化します。
目安として、計算方法を紹介します。
1時間あたりの電気代 = 消費電力 ( kW ) × 電力料金単価 ( 円 ) ※1 × 1 ( 時間 )
1時間あたりの定格電気代 ・・・ 0.5KW × 31円 / KWh × 1時間 = 15.5円
1時間あたりの最小電気代 ・・・ 0.105KW × 31円 / KWh × 1時間 = 3.3円
1時間あたりの最大電気代 ・・・ 0.92KW × 31円 / KWh × 1時間 = 28.5円
この機種の場合、冷房の 1時間あたりの電気代の目安は 15.5円 となります。
エアコンはお部屋の状況により能力を変化させるため電気代も変動し、約3.3円 ~ 28.5円 の間で運転します。
年間の電気代の目安 = 消費電力量(期間合計(年間)・kWh) × 電力料金目安単価(円/kWh)※1
例えば、消費電力量790KWhの場合、790 KWh× 31円/KWh = 24,490円
暖房の効率を落とさないためには、室外機の前に物を置かないようにしましょう。
室外機の吹き出し口付近やその周囲に物を置いたり、カバーで覆ってふさいでしまうと、室外機から吐き出した冷たい空気が、室外機の後ろに回りこんでしまいます。室外機がこの冷たい空気を吸い込むことになるため、暖房の効率が落ちてしまうことになります。
暖房時、エアコンは部屋の冷たい空気を吸い込み、暖かい空気にして部屋の中に吐き出すことで部屋を暖かくします。エアコン内部のフィルターにゴミやほこりがついて目詰まりしてしまうと、吸い込める空気の量が少なくなって暖める力も小さくなるため、部屋を暖めるのに多くの電気が必要になり電気代がかかります。
2週間に1度、フィルターを水洗いするかほこりを掃除機で吸い取りましょう。汚れがひどい時には、中性洗剤をとかしたぬるま湯で洗い、その後、日陰でよく乾かしてください。
フィルター掃除を行うことで年間25%も電気代を節約できます。
エアコンは、寒い部屋を一気に暖める時に、多くの電気を使います。設定温度まで暖めた後、その設定温度を維持している時は、寒い部屋を暖める場合と比べてとても少ない電気ですみます。
「部屋が暖かくなったらエアコンを止め、寒くなったら再びスイッチを入れる」というように、こまめにスイッチのオン・オフを繰り返して温度調節を行うと、節電のつもりがかえって電気のムダ使いになる場合があります。部屋にいる時はスイッチの入切を控え、エアコンの温度調節機能に任せるのがおすすめです。
冷たい空気は部屋の下のほうにたまりやすく、暖かい空気は天井付近にたまりやすいという性質をもっています。
スイッチを入れた時に、部屋全体をすばやく暖めるためには、まずエアコンの風が出てくる風向きルーバーを下向きに設定しましょう。エアコンから床に向かって出た暖かい空気は、自然と天井に向かって上がっていくため、結果、部屋全体を暖めることができます。
部屋の中で部分的に冷たくなっている場所を、"冷気だまり"といいます。冷たい空気は部屋の下のほうにたまるので、足元が冷えます。そんな時は設定温度を上げるのでなく、空気清浄機やサーキュレーターを活用しましょう。足元の冷たい空気と天井付近にたまる暖かい空気をかきまぜることで、温度のムラをなくして、部屋全体に暖かい空気が行き届くようになります。
エアコンの設定温度は消費電力に大きく関わり、設定温度を1℃下げると約10%の電気代の節約になるとされています。環境省が推奨する暖房時の室温20℃を目安として、寒く感じた場合も少し厚着をすることで、無理のない程度に温度調整が行えます。暖房の設定温度を控えめにする場合は、寒さを感じやすい首・手首・足首などをタートルネックやレッグウォーマーなどで保温するのもおすすめです。
人間が快適と感じる環境は、温度と湿度(しつど)のバランスで決まります。暖房時、設定温度を低めにしていても、湿度を上げることで、設定温度が高めの時と同じ暖かさを感じることができます。お使いのエアコンが、温度と湿度を設定できるタイプならぜひお試しください。空気清浄機の加湿機能や加湿器も活用しましょう。また、冬に湿度を高くたもつと活動しにくくなるインフルエンザウイルスもあります。ただし、湿度が高すぎるとカビや結露の原因となります。人にも住まいにもちょうどいい湿度は40~60%とされています。部屋の中をちょうどいい湿度バランスに保ちながら、この冬を健康で快適に過ごしましょう。
昼間取り込んだ太陽の熱や、暖房中の熱を保つために、カーテンでもひと工夫しましょう。カーテンは窓ガラスの部分だけを覆うのではなく、上部や下部にすきまができないよう、天井から床いっぱいまでたっぷりと垂らすと、保温効果が高まります。
また、カーテンの色も実は電気代の節約に効果があります。暖色系でまとめられたお部屋は、寒色と比べて暖かく感じるといわれています。カーテンの色で体感温度をあげて、暖房の設定温度をおさえるのも、冬を快適に過ごす工夫のひとつです。
エアコンは、部屋を涼しくしてくれますが、そのしくみはどうなっているのでしょうか。ひとことで言うと部屋の中の熱を部屋の外に追い出すことで涼しくしています。
エアコンは、室内機と室外機の2つが必ずセットになっています。
そしてこの2つをつなぐパイプの中には「冷媒」という物質が流れています。そもそも熱は多いところから少ないところへ移動するという性質があります。この性質を利用し「熱交換器」という部品を使って室内機の熱交換器で部屋の中の熱を乗せ、室外機の熱交換器で熱をおろすということをくりかえすことで、どんどん部屋を涼しくしています。
例えば氷に触るとひんやりして手が冷たくなります。これは手のひらから氷へ熱が移動したからです。同じように、冷媒は室内機を通るとき氷のように冷たくなっているので、室内機の熱交換器では熱い空気から冷たい冷媒に熱が移動します。逆に室外機に移動した冷媒は圧力をかけられて部屋の外の空気よりもっと熱くなるので、冷媒から部屋の外に熱が移動するのです。
室外機に移動した「冷媒」を循環させているのが“エアコンの心臓” と言われる「圧縮機(コンプレッサー)」です。
この圧縮機は、エアコンの消費電力の大部分を占める部品です。
その割合は、なんと80%!
エアコンのほとんどの電力は圧縮機が使っています。
動画でエアコンのしくみからわかる節電ポイントを解説!
「エアコンのしくみ」と電気代の関係は?解説はこちら 実は誤解?よくある冷房節電術の検証結果はこちら冷房は部屋の空気の「温度」を下げることをいちばんに考えた機能なのに対し、除湿は部屋の空気の湿度を下げることをいちばんに考えた機能です。
実は空気がたくわえられる水分の量は空気の温度によって決まっています。
空気の温度が高いとたくさんの水分をたくわえられます。しかし空気の温度が下がってしまうと水分をあまりたくわえることができなくなり、空気中にいられなくなった水分は水滴としてあふれ出ます。
例えば夏に冷蔵庫から冷えたジュースを出すとコップの周りに水滴がつきます。それは冷たいコップに触れて空気の温度が下がったために空気中にいられなくなった水分です。
同じように、除湿は熱交換器を使って空気中の水分を集め、部屋の外に出し、水分を取ったあとのさらさらの空気をまた部屋に戻すことをくりかえして湿度を下げるという機能です。
冷房と除湿にはそれぞれの役割があります。
・冷房は、「温度」を下げることをいちばんに考えた機能。
・除湿は、「湿度」を下げることをいちばんに考えた機能。
より快適に過ごしたいのか、できるだけ電気代をかけずに使いたいのかを考えながら冷房と、除湿を使い分けることが大切です。
また、除湿には「弱冷房除湿」と「再熱除湿」という2つのタイプがあり、空気中の水分を追い出すしくみは同じなのですが、部屋の空気の温度が違います。
この2つの電気代の違いは、再熱除湿が空気をあたためなおすので、冷房や弱冷房除湿よりも少し電気代が高くなります。
それぞれの特徴を理解して、エアコンの機能を使い分けましょう。
電気代は運転時の使用状況や環境、電力会社との契約内容によって変化します。
目安として、計算方法を紹介します。
1時間あたりの電気代 = 消費電力 ( kW ) × 電力料金単価 ( 円 ) ※1 × 1 ( 時間 )
1時間あたりの定格電気代 ・・・ 0.5KW × 31円 / KWh × 1時間 = 15.5円
1時間あたりの最小電気代 ・・・ 0.105KW × 31円 / KWh × 1時間 = 3.3円
1時間あたりの最大電気代 ・・・ 0.92KW × 31円 / KWh × 1時間 = 28.5円
この機種の場合、冷房の 1時間あたりの電気代の目安は 15.5円 となります。
エアコンはお部屋の状況により能力を変化させるため電気代も変動し、約3.3円 ~ 28.5円 の間で運転します。
年間の電気代の目安 = 消費電力量(期間合計(年間)・kWh) × 電力料金目安単価(円/kWh)※1
例えば、消費電力量790KWhの場合、790 KWh× 31円/KWh = 24,490円
エアコンは部屋の暖かい空気を吸いこんで、冷たい空気にして吐き出すことで、部屋を涼しくしています。
エアコンが部屋のなかの熱を効率よく運び出すためには、室内機の熱交換器に、よりたくさんの空気が通る必要があります。そのため、「空気の通り道」をふさがないことが電気代の節約につながります。
エアコン内部のフィルターが目詰まりすると、吸いこむ空気の量が少なくなり、部屋を冷やす力が小さくなるため、部屋を冷やすのに多くの電気が必要になり電気代がかかってしまいます。
フィルターの掃除はこまめに、2週間に1度は掃除するように心がけましょう。
フィルターのゴミやほこりは、水洗いをするか掃除機で吸いとります。汚れがひどいときには、中性洗剤をとかしたぬるま湯で洗い、その後、日陰でよく乾かしましょう。
室内の熱を外に逃がす室外機にとっても「空気の通り道」をふさがないことが大切です。
エアコンの運転中、部屋の中の熱を、部屋の外に捨てるために室外機は常に放熱をしています。そのため室外機の吹き出し口付近やその周囲にものを置いたり、カバーで覆ってしまわないよう注意しましょう。
室外機の前を通ると、吹き出し口から熱風が出ていることに気づく方も多いと思いますが、吹き出し口がふさがれると、放出した熱風を再び吸い込んでしまうことで、冷却効率が著しく低下します。室外機の前はスペースを空けてできるだけ風通しをよくし、スムーズに空気が循環できるようにしましょう。
よく見かけられる室外機用カバーなどは、放熱をさまたげることになり余分な電気を使用し、電気代がかかります。冷房使用時は、なるべく外すことをおすすめします。
冒頭の説明のように、エアコンの室外機は、部屋の中の熱を、部屋の外に捨てる際に、多くの電気を使用し、電気代がかかります。
夏場、室外機が直射日光や地面からの照り返しにさらされるとその付近はとても高い温度になってしまうため、熱を捨てる効率が低下し、電気を余分に使ってしまう場合があります。
室外機は、直射日光があたる場所に設置されることも想定されて作られていますが、できるだけ日陰に設置するか、室外機から1mほど離れたところに、植木を植えたり、よしずをたてかけたりするなどして日陰を作ってあげるのも電気代を抑える工夫のひとつです。
ただし、室外機を板で囲ったり、よしずをたてかけたときに室外機の吹出口をふさいでしまったりしないよう十分な注意が必要です。
また、電気代を押さえるために室外機の上にタオルを載せた場合、吹き出し口や吸い込み口をタオルでふさいでしまうことも多く、その場合は逆効果になるので注意が必要です。
電気代を気にして、手動で微風や弱風にする方もおられますが、冷房時の風量設定は自動にするのがおすすめです。そうすることで、お部屋が冷えるまでは強風で、その後は微風という具合に、最も効率よく、快適に冷えるよう風量の調整を行ってくれます。
エアコンは、スイッチを入れたときなど部屋をがんばって冷やす運転をする際に、多くの電気を使い、電気代がかかります。この時、微風や弱風では部屋がなかなか冷えないので、実は強風の方がおすすめです。微風のままだと、部屋が冷えるまでの時間が長くなり、結果的に余分な電気を使うことになるからです。
実験結果はこちら空気の動き方には、暖かい空気は天井(上)に、冷たい空気は床(下)に向かう、という法則があります。
このため、冷房の風向を下向きにすると、室内に「温度ムラ」ができやすくなります。
実はこの「温度ムラ」が、エアコンの消費電力を大きくする原因のひとつです。
部屋の中に上が熱くて下が冷たい温度ムラができていると、エアコンが「設定温度になっていない」と勘違いをして必要以上に部屋を冷やし、余分な電気を使うことがあります。
温度ムラを抑えるためには、風の向きを上向きか、もしくは水平方向に調整して、冷たい空気が上から下に循環するようにしましょう。エアコンとあわせて扇風機を使って室内の空気を混ぜるのも有効です。また、空気清浄機をお持ちの場合、風量を強くして使用するのも効果的です。
エアコンから少し離れたところが暑いからといって、リビングのエアコンの設定温度を下げるのはやめましょう。エアコンの冷たい空気を遠くすばやく送れるよう、扇風機やサーキュレーターを活用しましょう。
エアコンから来る風を背にして、風を送る方向に扇風機を向けてあげると、冷たい風をさらに遠くに送ることができます。
エアコンは、急に部屋を冷やすときに多くの電気を使い、電気代がかかります。設定温度まで冷やした後、その設定温度を維持しているときは、急に部屋を冷やす場合と比べてとても少ない電気しか使いません。
電気代の節約のために、「部屋が涼しくなったらエアコンを止め、暑くなったら再びスイッチを入れる」「短い時間の外出でもエアコンを止める」というように、こまめにスイッチの入切を繰り返すと、急に部屋を冷やす運転が多くなるので、その分多くの電気を使い、電気代がかかる場合があります。自分でスイッチを入切して温度調節を行わないようにしたり、短い時間の外出であればつけっぱなしにしたりするなど、エアコンの温度調節機能に任せるようにしましょう。
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2024.6.13 更新
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