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空気とくらし

梅雨の困りごとと解決法
空気の困りごとラボ

梅雨時期の蒸し暑さ

梅雨の時期、気温があまり高くなくても蒸し暑さを感じることがあるのは「湿度」の高さが影響しています。人の肌が感じる暑さ寒さの感覚を表す際、「体感温度」という指標が用いられます。体感温度には、「温度」だけでなく「湿度」「気流」「輻射」「着衣量」「活動量」の6つの要素が影響します。湿度が高まる時期は、湿度を下げることでも涼しさを感じやすくなります。


梅雨時期の健康面や衛生面への影響

梅雨時期には湿度が80%を超えることもあり、ジメジメした日が続きます。
湿度の高さは、蒸し暑さを感じるだけでなく、アレル物質でもあるカビやダニの繁殖のしやすさにもつながります。また、洗濯物も乾きづらくなり、部屋干しした洗濯物から嫌なニオイが発生してしまうこともあります。梅雨時期の高い湿度は、健康的で衛生的な暮らしにも影響します。


梅雨時期の住宅への影響

高い湿度は、人や洗濯物だけでなく建物にも影響します。有識者は次のように語ります。

東北文化学園大学 野﨑先生

梅雨の湿気は、人に影響を与えるだけでなく、
実は住宅にも影響を与えることがあります。

湿度が建物に与える影響は、最近では「湿害」と呼ばれています。

建築に使う木材の乾燥度は規定されており、全く水分を含まない木材は「絶乾状態」、空気中の湿度とのバランスが取れている木材は「気乾状態」、水分を多く含むものは「湿潤状態」と呼ばれており、建築材料学的には、「湿潤状態」になった建材は使わず、「気乾状態」以下のものを使うことになっています。

しかし、建築物の木材が湿度を含んでしまうと、木材の中に入り込んだ木材腐朽菌が繁殖し、結果的に木材強度が低下することがあります。建物の土台や柱などに使われている木材の強度低下が起これば、耐震強度の低下につながります。阪神大震災のときに倒壊した住宅が、実はそういう住宅が多かったという調査報告もあります。

梅雨時期のように湿度が高くなる時期には、居住者のためだけでなく住宅のためにも、除湿機などを使用して室内の湿度が高くなり過ぎないようにすることが重要です。

梅雨時期の困りごとの解決法

エアコンを使った除湿

梅雨時期のエアコンの使い方

梅雨時期から夏場にかけて続く湿度の高さは、私たちの暮らしに様々な影響を及ぼします。温度だけでなく湿度にも気を配り、エアコンや除湿機を使って積極的に除湿しましょう。

一般的なエアコンには、「冷房」と「除湿」が搭載されています。「冷房」は温度を下げることを目的とした機能、「除湿」は湿度を下げることを目的とした機能です。真夏などの気温が高い日には 冷房運転が適切ですが、梅雨時期など、それほど気温は高くなくても湿度が気になるときには除湿運転がおすすめです。


除湿運転の主な種類

ひとくちに除湿運転と言っても、除湿運転には様々な種類があります。主な方式は次の3種類です。


「弱冷房除湿(ドライ)」方式 弱めの冷房運転で室温を少し下げながら除湿する方式です。温度や湿度の目標値は設定できません。室温がある程度低下すると除湿運転が停止するため、涼しい日や、室温が低下しやすい高気密高断熱住宅には不向きです。
「再熱除湿」方式 室温をできるだけ下げずに除湿する方式です。リモコンで温度と湿度の目標値を設定できるため、弱冷房除湿方式と比べて、涼しい日や高気密高断熱住宅でも快適な室内環境がつくりやすいのが特長です。ただし、一度冷やした空気を室温に近い温度に戻すため、弱冷房除湿方式よりも消費電力量が増加します。
弱冷房除湿や再熱除湿を基本に、
メーカー独自の工夫を加えた方式
ダイキンのエアコンには、「弱冷房除湿」「再熱除湿」「送風」を組み合わせることで、寒くなりにくいだけでなく、除湿量を確保しながら消費電力は抑える「さらら除湿(リニアハイブリッド方式)」を搭載している機種もあります。快適な環境づくりと省エネ性の両面に優れます。

エアコン除湿の仕組み

エアコンの室内機の中には、アルミのフィンが何層にも重なった熱交換器という部品が入っています。 冷房運転の際には熱交換器が冷たくなり、そこに室内から取り込んだ空気を通すことで涼しい風を作ります。

空気は冷やされると、含むことのできる水分量が減ります。空気中にいられなくなった水分は、熱交換器の表面に結露として現れます。この水分はドレンホースを通じて屋外に排出されます。エアコンは、空気を冷やすことによって結露を発生させ、屋外に排出することで除湿しています。


エアコンのお手入れ

冷房運転や除湿運転中は、室内機の内部の熱交換器が結露して水滴が発生します。 室内機の中が湿ったまま運転を停止すると、カビなどにとって都合のよい温湿度環境になってしまいます。

そのため、エアコン停止後は、この湿気を逃がす必要があります。 一般的なエアコンには室内機内部を乾かす機能が搭載されており、運転停止後に自動的に作動します。ただし、再度停止ボタンを押すとこの運転が止まってしまうので、エアコンを停止させた後にエアコンが動いていても止めてしまわないようにしましょう。なお、室内機内部を乾かす機能が搭載されていない機種の場合は、タイマーで1~2時間送風運転するのが効果的です。

カビにとって、ホコリも栄養源です。室内機の中にホコリが溜まりにくくすることも大切です。フィルターはこまめに手入れして、エアコン内部へのホコリの侵入を抑えましょう。
フィルター掃除は2週間に一度が目安。フィルターのホコリを自動で掃除してくれるエアコンを選ぶのも選択肢のひとつです。

エアコン運転後は中を乾かしてあげましょう。


部屋干しのコツ

洗濯物は風通しの良いところに干して風を当て、洗濯物から水分を追い出しましょう。また、追い出した水分はエアコンや除湿機で回収しましょう。
生乾きの状態が続くと、嫌なニオイの原因にもなります。なるべく早く乾かしてあげることが大切です。

洗濯物は風と除湿の連携プレーですばやく乾かしましょう。

最も大切なのは③の除湿。風がなくても部屋が十分に乾いていれば、自然乾燥でもすばやく水分が蒸発します。
また、温度が高い方が乾きやすいので、日が当たりやすい南側の部屋に干すと良いでしょう。


除湿の有無による洗濯物の菌数比較

<試験条件>
ガーゼ(約5㎝×5㎝、12枚折)に試験菌液1mlを滴下したものを各条件で乾燥後、経時的に回収し、洗い出して寒天培地で培養。
コロニー数を測定することにより生菌数とした。(大腸菌)
ダイキン工業調べ

上手な部屋干しの方法


梅雨時期こそ試したい室内のニオイ対策

ニオイが気になる季節は、湿度が高い梅雨時期や夏場

家のニオイが気になる人は多く、8割以上の人が家のニオイについて何らかの不満を持っていることが伺えます。さらに、特にニオイが気になる時期を探ったところ、年間を通じて気になっている人が約半数と最も多く、次いで、湿度が高い梅雨時期や夏場に集中する結果となりました。



梅雨時期に気になる壁に染み込んだ住まいのニオイ

住まいの中では様々なニオイが発生しています。これらのニオイは多くの場合、壁などに染み込みます。壁に染み込んだニオイの分子は水蒸気と同じくらいの大きさのため、湿気が多い日は壁に染み込む水蒸気に押し出されて室内に放出されます。これが梅雨時期の嫌なニオイの原因でした。


壁に染み込んだニオイは湿気を使って除去

室内が60%程度にまで加湿されると、壁からニオイが出てきます。梅雨時期は、室内の湿度が高いので、この原理を利用して壁に染み込んだニオイを除去できます。除湿や換気でそのニオイを回収すればいいのです。こうすることで、湿気とニオイの両方を取り除くことが可能です。


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