エアコン運転中に、空気の循環を促す機器として給気口の下に空気清浄機を設置し、空気をかき混ぜた。部屋の温度ムラ解消に繋がるのかを実験。
冷たい空気は部屋の下のほうにたまりやすく、暖かい空気は天井付近にたまりやすいという性質をもっています。そのため、冬の節電では、下にたまった冷たい空気をサーキュレーターや空気清浄機などで攪拌させ、温度ムラを作らないようにすることが快適性を維持しながら節電するポイントとなります。
エアコン暖房は部屋の上の方から温風を吹きだすため、一番暖かくしたい床付近に、暖気が届きにくく、上下の温度ムラが起こりやすくなります。そのため、足元だけが寒く設定温度を上げたくなるシーンが多くなるかもしれません。このようなお部屋では、床付近にたまった冷たい空気をサーキュレーターや空気清浄機で吸い上げれば、簡単に足元の温度を高められます。
さて、実験結果はいかに…
【区間ごとの結果】
区間 | 運転内容 | 結果 |
|
---|---|---|---|
暖房 | 空気循環(※) | ||
25℃ | なし |
暖房だけでは、部屋の上下に温度差ができて、足元付近の温度が約2℃も低くなりました。 |
|
あり |
空気清浄機を使って空気を攪拌すると、足元近の温度が約2℃上がり、上下の温度差も小さくなりました。 |
||
なし |
空気清浄機の運転を停止すると、足元付近の温度はまた低下しました。 |
※空気循環を促す機器として空気清浄機を使用しました。
【実験条件】
※厳冬期(非暖房室の室温約7℃、暖房運転設定温度約20℃)の条件を想定して試験を実施したため、通常のエアコン暖房の設定温度より高い温度で実験しています。
※暖房の吹き出し角度は、下吹き設定で利用(横吹き機能および加湿機能は使用していません)
【建物条件】
部屋の広さ
6畳
建物タイプ
鉄筋コンクリート造
部屋の向き
西向き
窓の大きさ
約2m×2m
【計測器設置場所】
【実験条件】
※厳冬期(非暖房室の室温約7℃、暖房運転設定温度約20℃)の条件を想定して試験を実施したため、通常のエアコン暖房の設定温度より高い温度で実験しています。
※暖房の吹き出し角度は、下吹き設定で利用(横吹き機能および加湿機能は使用していません)
【建物条件】
部屋の広さ | 6畳 |
---|---|
建物タイプ | 鉄筋コンクリート造 |
部屋の向き | 西向き |
窓の大きさ | 約2m×2m |
【計測器設置場所】
調査結果から、今冬エアコンを暖房機として使用する家庭は全体の約30%(227票)となっています。
住まいの条件別に見てみると、集合住宅ではエアコンが約45%となり主流となっているようです。エアコンがかつての補助暖房からメイン暖房になった理由としては、エアコンそのものの暖房性能が向上したことに加えて、高気密住宅の増加や、高齢化社会の影響もあるようです。
エアコンは空気の中に存在している”熱”を集めるヒートポンプ技術を使ってお部屋を暖めるため、電気ストーブでは「1」の電気からは「1」の暖かさを作るのに対し、最近のエアコンでは同じ「1」の電気から、最大で「6」程度の暖かさを作り出すことができます。だから省エネ。また、エアコンそのものの性能も年々向上しており、最新モデルのエアコンは20年間で約60%、10年間では約20%以上も消費電力量が減少しています。その他には、他の暖房機器と比較して、「重い灯油を運ぶ必要がない」「暖房中の空気がクリーン」「手に届く場所にないから子供やペットにも安全」といった長所が評価され、普及が進んだと考えられます。