西アフリカのニンバ山脈地帯は、リベリア、ギニア、コートジボワールの三国にまたがる西アフリカの最高峰であるニンバ山を抱き、熱帯雨林からサバンナまで多様な生態系が広がる地域です。チンパンジーをはじめとした貴重な野生生物が多く生息し、一方で、豊富な鉱物資源も有します。リベリアは、未だ非常に貧しい状態にあり、対象地であるリベリア・ニンバ郡も、食料、インフラ、教育、保健医療といった重大な課題に直面しています。同時に、鉱山開発や農地転換などによる森林消失は、リベリアの人々が依存する生態系サービスを生み出す自然資源を枯渇させ、リベリアの人々の将来を脅かす可能性のある脅威となっています。
プロジェクトでは、リベリアの人々が将来にわたって自然の恵みを受け続けるための取り組みを実施します。保全契約という手法を用い、農業の技術的支援や保健・教育などの社会サービスの提供を通じてコミュニティの生活を改善すると同時に、東ニンバ山厳正自然保護区の保全を進めます。コミュニティとともに、土地利用計画の策定も実施する計画です。
© Conservation International/photo by Borwen Sayon
アフリカに生息する絶滅危惧種。リベリアを含む西アフリカには、マスクチンパンジーと呼ばれる亜種が生息しています。