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バーチャル万博で“見えない空気”を可視化する

ダイキンが「VR万博」で実現した未来都市

2025年秋まで開催の大阪・関西万博。世界に向けたイベントではあるものの、実際に大阪会場に来場できる人は一部に限られています。そこで作られたのが、博覧会協会が運営する「EXPO2025 バーチャル万博~空飛ぶ夢洲~」(以下、VR万博と表記)です。バーチャルの世界で「空気」をどのように可視化し、普段ダイキンに馴染みのない世代に対して、どのようにアプローチしていくのか?「VR万博」にディレクションとして参加した太田由美が語ります。

見えない「空気」で魅せる、次世代の万博体験

VR万博は、大阪・関西万博の夢洲会場を3DCGで再現して作られたオンライン空間です。まるで本物の会場を歩いているかのように、バーチャル空間を楽しめます。世界中の誰もが参加できるこのVR万博で、「空気ってこんな可能性を秘めているんだ」とたくさんの人に知ってもらいたく、参加を決めました。

今回、私たちがVR万博で用意したのは、2つのユニークな体験です。1つは、万博開催期間中、毎晩繰り広げられるサントリーとダイキンが共同出展している水上スペクタクルショー「アオと夜の虹のパレード」をVRで体験できる「水上ショールーム」。そしてもう1つが、空気の可能性を体験できる「ダイキンルーム」です。

全ての生命は、水と空気につながっているというメッセージを届ける「水上ショールーム」は、水と空気の存在やその大切さを感じられる島エリアと、ユーザーが動物たちと夜の虹を体験する祝祭エリアの2部構成になっています。単にショーを再現するだけではなく、ストーリーを追体験しながら、バーチャルならではの没入感のある世界を創り上げました。

また、「ダイキンルーム」のメインターゲットは、主にダイキンが普段リーチしていない、10代、20代の若年層、そして子育て世代のご家族です。いかに空気の価値と可能性をよりパーソナルにより深く伝えるかを強く意識し、単なる情報伝達に留まらない、「バーチャルならではの感性を刺激する感動体験」のデザインを追求しました。

見えない「空気」を「デザイン」する
未来都市「Daikin Air Island」

「ダイキンルーム」の中核をなすのは、「Daikin Air Island」と名付けられた未来都市です。ここでは、普段は意識することのない空気の存在が、目に見える形で表現されています。普段見えない空気や技術をどのように可視化し、ユーザーに体感してもらえるかを考えました。

注力した所としては、都市の真ん中に配置されたアスレチックエリアです。ここでは「運動効率を高める空気」が目に見える形で表現されています。ゲージに触れるとジャンプ力が倍増したり、走るスピードが速くなったりと、「空気の力によるパフォーマンスの向上」という驚きをダイナミックに体感できるよう設計しています。VR空間の特性を活かして、高い場所にたどり着くと都市全体を見渡せるような、垂直方向への空間体験のデザインにもこだわりました。

VR万博には、VRゴーグルで本格的に楽しむ人から、スマートフォンで気軽にアクセスする人まで幅広い人々が訪れます。誰もが満足のいく体験をしてもらいたいと考え、アスレチックは難易度が違うものを2つ用意しました。

さらに、アスレチックをクリアした人だけが見ることのできる特別な景色を用意するなど、達成感とともに「空気の力」を深く実感できるような仕掛けも散りばめています。このように、「見えない空気を可視化する」というアプローチを通じて、ユーザーに「空気」の面白さを体感してもらうことを目指しました。

理想の空気を世界へ届ける、
私たちの未来ビジョン「Daikin Air Factory」

「Daikin Air Island」の奥深くには、「空気工場(=Daikin Air Factory)」が存在します。この工場で生成された空気を、ユーザー自身が「空気配達人」になって、紙飛行機に乗って世界中に届けるのがメインコンテンツとなっています。「世界中」というのがポイントで、ダイキンがグローバルに事業を展開していることを暗に伝え、体験を通じて「世界を巡った」という感覚をユーザーの中に残したいというのが私たちの狙いです。

また、この空気工場からは「未来の理想の空気」が生み出されます。例えば、「食事がより楽しくなる空気」や「植物が活性化する空気」などです。これは、ダイキンが物質としての空気に加え、空間全体の「雰囲気」や「環境」そのものに深く関与していきたいという、私たちの未来に向けた明確なビジョンを示しています。

「見えない空気の」新たな可能性を再発見

VRに携わるのは初めてだったこともあり、複数のVR空間をリサーチする中でその表現の可能性の広さに驚きました。VR万博のプラットフォームが持つポリゴン数など技術的な制約はもちろんありましたが、全体を通して「チープな表現にならないこと」には徹底的にこだわりました。

今回私たちが一番伝えたかったことは、これまでの顧客層を超えた世代にダイキンの存在を知ってもらうこと、そして「空気にはたくさんの可能性がある」ということを、楽しみながら体験してもらうことです。

世界中の人々がアクセスできるバーチャルな空間だからこそ、言語の壁を超えて直感的に理解・体験できる「ノンバーバルな空気体験」を重視しました。VR万博の「ダイキンルーム」は、ダイキンが長年培ってきた空気に関する知見と、VRが融合した、まさに未来を体験できるデザイン空間です。

ぜひ、この「ダイキンルーム」で「見えない空気の新たな可能性」を楽しんでもらえると嬉しいです。

・VR万博ダイキンルーム
https://contents.ssv.virtualexpo.expo2025.or.jp/deeplink/cushion_page.html?SpaceId=SS-045202

・ダイキン工業万博特設サイト
https://www.daikin.co.jp/air/activity/expo2025

・プレスリリース
https://www.daikin.co.jp/press/2025/20250403

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