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2018年度 活動ハイライト 新価値創造
2018年度 活動ハイライト 新価値創造

IoT・AIを活用した空調ソリューションで、
知的生産性を高める空気環境を創出

Why?なぜ重要か

一歩進んだ知的生産性を高める空気の付加価値を追求しているから

空調は、熱帯地域の人々が先進国と同様に効率的に働くことを可能にするなど、知的生産性を高めるという大きな役割を果たしてきました。ダイキンは、IoTやAI技術を活用したヒューマンファクター(人間一人ひとりの心身の状態)を考慮した空気環境など、従来の空調の制御から一歩踏み込んだ新たな空調ソリューションの創出をめざしています。

ヒューマンファクターの一例

ヒューマンファクターの一例

DAIKIN’S APPROACH

空気の持つ無限の可能性を追求するオープンイノベーションを推進

ダイキンは、空調要素(温度、湿度、気流、清浄)を超えた空気の持つ新たな価値を創出するため、研究開発拠点テクノロジー・イノベーションセンター(TIC)が中心となりさまざまな企業や研究機関・大学などと連携し、オープンイノベーションを推進しています。

2016年からは、日本電気株式会社(NEC)と知的生産性を高める空気・空間の実現に向けた共同研究を開始しました。ダイキンが持つ「空気を最適にコントロールする技術」や「空気・空間が人に与える影響に関する知見」と、NECが持つ「先進のIoT・AI技術」という両社の強みを組み合わせ、オフィスなどの執務室における作業効率(知的生産性)を高めるために最適な環境制御をソリューションとして提供することをめざし、研究に取り組んできました。

「センシング(NEC)」と「制御(ダイキン・NEC)」を連携

「センシング(NEC)」と「制御(ダイキン・NEC)」を連携

DAIKIN’S PERFORMANCE

効果的な温度刺激によって、知的生産性向上と快適性が両立することを実証

共同研究では、知的生産性と相関がある覚醒度(脳の活動状態を示す指標)に着目しました。作業効率を高めるには、眠気や緊張を感じていない適度な覚醒度を保つことが重要と言われているためです。

そこで、眠気を感じたとき、どんな方法・タイミングの刺激が覚醒度を適正状態に保つためによいかを検証しました。実験では55人の被験者に眠くなりやすい作業として2桁の加算暗算をしてもらい、5分ごとに眠気を5段階で申告してもらうとともに、カメラでまぶたの動きを撮影し画像処理技術によって眠気を推定。眠くなりかけた状態で、空調(温度)・照明(照度)・アロマ(芳香)それぞれの刺激を与え変化を見ました。

その結果、空調による温度刺激では、何もしない場合と比較して平均の覚醒度が5段階中、約2段階分上回り、さらに45分以上眠気を抑制し続けるなど、照明やアロマによる刺激に比べて適正状態を長く持続できることがわかりました。また、眠気の兆しが見えた早期の段階で、室温を3℃程度下げ少し涼しい状態をつくることで適切な覚醒度を維持でき、短時間で室温を元に戻すことで、快適性と両立できることも確認しました。

従来、「快適すぎると眠たくなる」「涼しい空気に当たると眠気が解消する」と言われてきましたが、そのメカニズムは明らかではなく、快適性を保ちながら眠気を予防する方法は明らかになっていませんでした。しかし、本研究により、効果的な温度刺激によって眠気の予防と快適性を両立できることが実証され、知的生産性を高める空調ソリューションの実現に向けた大きな一歩となりました。今後はデータを蓄積し、IoT・AIを活用してさまざまなヒューマンファクターを考慮した空気環境の創出に取り組む予定です。

覚醒度と作業効率の関係

覚醒度と作業効率の関係

各刺激による覚醒度の変化

各刺激による覚醒度の変化
室温設定27℃一定、照度700lx、芳香なし。
出典:
西野淳ほか ヒューマンファクターを考慮して環境制御を行うアプローチ
日本建築学会大会学術講演梗概集 2018

NEXT CHALLENGE

人がいきいきと活動できる空気の新しい価値創出をめざして

今後は他の企業や大学とも連携し、最新テクノロジーやデータ、ノウハウを融合しながら、一人ひとりの特性や状態に合わせた空気環境の提供など、オフィスのみならず、人が生涯の90%を過ごすと言われている室内空間の質全体の向上をめざしていきます。

Voice

本研究をさまざまなフィールドで実証へ

NECのAI技術を活用した眠気を数値化する技術と、眠気を予防する空調・照明の制御技術を開発しました。これら技術の効果を作業現場で実験検証した結果、快適性を損なわずに作業効率を高められることが確認できました。今後、お客様の現場でのビジネス検証の活動を引き続き支援してまいります。

NEC データサイエンス研究所長 広明 敏彦 氏

NEC データサイエンス研究所長
広明 敏彦 氏

CSR・環境
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