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2017年度 活動ハイライト 新価値創造
2017年度 活動ハイライト 新価値創造

オープンイノベーションで、疲労の軽減につながる快適な空気環境を創出

Why?なぜ重要か

人の健康に悪影響を及ぼし、生産性低下にもつながる疲労が社会課題になってきているから

健康は、睡眠の質や疲労、ストレスなど心身のさまざまな影響を受けています。中でも疲労は、健康に悪影響を及ぼすだけでなく、生産性の低下による社会的損失にもつながり、その解消が求められています。しかし、疲労は客観的な評価が難しく、疲労がたまる原因や疾病との関係など明らかになっていないことが多いのが現状です。

現在の“疲れ”の状態(疲れを感じている)について

現在の“疲れ”の状態(疲れを感じている)について

:養命酒製造株式会社「東京で働くビジネスパーソンの疲れの実態に関する調査2017」より当社作成

DAIKIN’S APPROACH

社会の求める新たな空気・空間の創造に向けた共同研究を推進

ダイキンは、2015年に技術開発拠点「テクノロジー・イノベーションセンター(TIC)」を設立。約700人の技術者を集結させ、社外の企業や研究機関、大学などと連携し、環境・エネルギーや健康など社会が抱える課題の解決に貢献する新たな価値創造をめざした共同研究を推進しています。

社内外の技術やノウハウを組み合わせて革新を生み出すオープンイノベーションの一環として、2016年10月には、国立研究開発法人理化学研究所(以下、理研)と共同で「理研-ダイキン工業健康空間連携プログラム」を開設し、「健康で快適な空間づくり」を主題にした共同研究をスタートさせました。

ダイキンの空調制御技術と、理研の疲労、健康、生命科学に関する知見を持ち寄り、「疲れにくい空間づくり」をテーマに温度や湿度などと疲労との関係を検証。科学的根拠をもとにした製品開発など、社会に貢献する新しい価値の創造をめざしています。

キャプション

DAIKIN’S PERFORMANCE

被験者約120人を対象に室内環境と疲労の関係を検証

大多数の人は90%以上の時間を室内で過ごすとされていますが、温度や湿度などの室内環境が人に与える影響には不明な点が多く残されています。そこで、研究課題の第一弾に設定したのは、オフィスなど室内の空気環境が人体の疲労に及ぼす影響を明らかにし、指標化することです。

研究課題を実現するため、2017年11月に理研神戸地区に試験設備を設置。一般からも被験者を募集し、12月から室内環境と疲労度との関係を明らかにするための試験を開始しました。

試験設備には、温度を0.1℃単位、湿度を1%単位で精密に制御できる4つの部屋があり、それぞれ異なる室内環境を設定できるようになっています。被験者には、さまざまな温湿度環境のもとで集中力を要するパソコン作業を行ってもらい、心拍の変動から推定される自律神経の状態のほか、作業効率の変化や主観的な疲労度について、約120人のデータを取得しました。

これまでの試験により、心理面、生理面、行動面から冬期のオフィス環境においては、男性では温度20℃、湿度30%の条件が、女性では温度22℃、湿度50%の条件が最も疲れにくいと示唆される結果が得られました。空気環境から受ける影響の性差について、初めて疲労の面から明らかにしたこの結果を、2018年5月の日本疲労学会で発表しました。(下図参照)

今後は、ヒートショックの原因となる温度差のある空間の行き来が身体にどのような変化を生じさせ、その蓄積が健康にどのような影響を与えているかを解明するテーマや、温湿度以外の気流や照明、香りなどを組み合わせて個人の特性や状態に最適な空気環境条件の構築をめざすテーマなどに取り組む予定です。

男女別温湿度と生理的疲労度との関係

男女別温湿度と生理的疲労度との関係

NEXT CHALLENGE

健康と環境の関係を総合的に解明し、生活の質全体が向上する空間をめざして

本プログラムでは、2018年度中に温熱環境による疲労指標の確立をめざしています。さらに、その指標を活用することで、疲労の予防や回復を目的とした空間づくりを提案、検証し、科学的根拠のある「疲れにくい空間」を実現できるような製品開発につなげていく考えです。

その他にも、2017年7月には大阪大学との間で、ダイキンが従来から続けてきた睡眠の質に関する空間づくりのさらなる研究など、10年間にわたる共同研究の包括連携を締結しました。今後もオープンイノベーションを推進し、人の生活の質全体が向上するような空気や空間づくりの実現をめざしていきます。

Voice

科学的根拠にもとづく
健康で快適な空間づくりを未来の世界へ

私たち人類は、快適でより良い健康を求めて、空気や空間に創造力を働かせてきました。そのひとつがダイキンの挑戦です。私たち理研も、「一人ひとりに合った健康で快適な空間づくり」に向けて、あらゆる日常生活における環境制御に関する研究開発を、疲労研究の総力を挙げてともに取り組んでいきます。

ダイキンインダストリーズチェコ社 Mojmir Krejcha 氏

理研BDR- ダイキン工業 連携センター センター長
渡辺恭良 氏

CSR・環境
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