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エアコンのことから考える みんなのカーボンニュートラル

住宅や学校・店舗・オフィスなど、身の回りの至るところに設置されているエアコン。今や、快適で健康的な生活を送るために欠かせない社会インフラとなっています。

世界に目を向けると、エアコンは暑い国々や砂漠が広がるような地域に住む人々の暮らしや経済活動を支えるなど、人類の発展においても大きな役割を果たしてきました。

その一方で、エアコンが使う電気は、住宅やビルにおける夏のピーク時の消費電力の約5~6割を占めており、環境に与える影響も少なくありません。
また住宅やビル以外の場所も含め、世界で使用されている全ての電力の約1割をエアコンが消費しているともいわれています。化石燃料を使った発電により、エアコンを通じて多くの温室効果ガスが排出されていることになります。

さらに、新興国の発展によって2050年までに世界のエアコンの台数は約3倍になり、そのために現在の日本と欧州を賄えるだけの大量の電力がさらに必要になるとされています。

ダイキンはグローバル170カ国以上で広く事業を展開するエアコンメーカーとして地球環境に対して大きな責任を担っています。だからこそ、エアコンのライフサイクル全体におけるCO2排出の削減に真剣に取り組んでいるのです。

お客様のもとで使用されているときに多くのCO2を排出するエアコン。
ダイキンは省エネ・節電につながる上手なエアコンの使い方をお伝えしながら、みなさんといっしょにカーボンニュートラルの実現に取り組んでいきたいと考えています。

カーボンニュートラルとエアコンが環境に与える影響

カーボンニュートラルって何?

カーボンニュートラル(脱炭素)とは、地球温暖化につながる「温室効果ガス(CO2など)」の排出量を実質ゼロにする」取り組みです。

私たちの便利で快適な生活は、大量のエネルギーによって支えられています。しかし、発電のために石油やガスなどの化石燃料を使うことで、多くの温室効果ガスが排出されています。温暖化を防ぐために、それを実質的にゼロにしようというのがカーボンニュートラルです。

日本は2050年までのカーボンニュートラル実現を目指しています。世界では150カ国以上※1が取り組みを表明しています。

※1
COP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)時点
カーボンニュートラルのイメージ

温室効果ガスが増え続けるとどうなるの?


カーボンニュートラルに向けた努力が不足した場合、地球温暖化はさらに進み、21世紀末には世界の平均気温が5℃近く上昇する※2ともいわれています。

温暖化により、熱波や熱中症による死者の増加、集中豪雨や洪水などの水害、農作物の収量減から海面上昇、感染症のリスク拡大などが予想され、私たちの生活に与える影響は計り知れません。

※2
IPCC「第6次評価報告書 第1作業部会報告書 気候変動2021:自然科学的根拠 政策決定者向け要約(SPM)暫定訳(2022年5月12日版)」

1850~1900年を基準とした世界平均気温の変化

1850~1900年を基準とした世界平均気温の変化グラフ

IPCC「第6次評価報告書 第1作業部会報告書 気候変動2021:自然科学的根拠
政策決定者向け要約(SPM)暫定訳(2022年5月12日版) SPM.8(a)」 より作成

地球規模の気温上昇が引き起こすリスク

水害

農作物の収量減

海面上昇

感染症の拡大


エアコンが環境に与える影響は?

エアコンは私たちの暮らしを安心で快適なものにしてきました。とくに暑い国や地域における人々の生活や経済発展にとって大きな役割を果たしています。一方で真夏の暑い時期の電力消費に占めるエアコンの割合は大きく、家庭で約6割※3、オフィスビルで約5割※4に達するほどです。また、新興国の成長に伴い、2050年までにエアコンの数や、冷房に起因する電力需要も3倍※5になると予想されています。これにより、温室効果ガス(CO2など)による環境負荷の増大が懸念されています。

環境影響が大きくても、人々の生活には欠かせないエアコン。ダイキンは、エアコンが増え続けても環境影響の増加を抑えられる取り組みをすすめています。

※3
経済産業省「夏季の節電メニュー(ご家庭の皆様)」(2015)より
※4
経済産業省「夏季の節電メニュー(事業者の皆様)」(2015)より
※5
国際エネルギー機関(IEA)「The Future of Cooling」 より

夏の電力消費ピーク時間帯にエアコン(空調)が占める割合

住宅世帯でエアコン58%(夏の14時頃)。オフィスビルで空調48%(ピーク時)。

経済産業省 「夏季の節電メニュー(ご家庭の皆様/事業者の皆様)」(2015) より作成

世界の空調機の電力需要

冷房に起因する電力需要は3倍に※2015年比

国際エネルギー機関(IEA) 「The Future of Cooling」(2018) より作成


エアコンが社会で果たしてきた役割は?


エアコンは世界に広く普及していますが、とくに暑い国々の経済発展にも大きく貢献してきました。たとえば、東南アジアで最も発展した国の一つであるシンガポール。シンガポール建国の父、故リー・クアンユー元首相は「この100年で最も影響力のある発明はエアコン。シンガポールの発展はエアコンなしにありえない」と語っています。暑すぎて仕事に集中できない環境の中、公務員が働くビルでいちはやくエアコンを導入し、人々の生産性を上げ、効率的な政府を作り上げたそうです。 また、世界屈指の広大な土地を持つアメリカ。南北で大きく気候が異なるこの国において、灼熱の荒野が広がる南部の地域で人口が拡大したのは、エアコンが大きく普及するようになってからでした。 このように、エアコンは世界のいたるところで人々の暮らしに欠かせないものとなっています。

空調のあるオフィスで快適に仕事をしている風景イメージ

エアコンが出すCO2を1本の木が吸収するのに何年必要?

1台のエアコンが製造から使用(家庭用エアコンの平均使用年数は約13年※6)、そして廃棄に至るまでに排出するCO2の総量は3,692kgです(当社調べ)。その全てを 1本のスギの木で吸収しようとする場合、1本のスギの木が1年間で吸収できるCO2量は約14kg※7なので、260年以上もかかる計算になります。

※6
内閣府経済社会総合研究所「消費動向調査 令和3年3月実施調査結果 3-2_主要耐久消費財の買替え状況(二人以上の世帯)」(令和3年4月)
※7
林野庁 関東森林管理局 「森林の二酸化炭素吸収力」(https://www.rinya.maff.go.jp/kanto/ibaraki/knowledge/breathing.html)より

エアコン1台が出すCO2量とその回収に必要とする時間

エアコン1台が13年間で排出するCO2量は仮に1本の木で吸収するとしたら260年以上必要になります。

ダイキンの役割の大きさと
カーボンニュートラルに向けて取り組むこと

世界の全電力の1割はエアコンが消費、その中にはダイキンのエアコンも

スマホから車まで、私たちの身の回りあらゆるものが電気によって動いてる現代社会。電気がない暮らしは想像できません。しかし、多くの電力は化石燃料を使って生み出されるため、発電には大量のCO2排出が伴います。

現在、世界で使用されている全電力の約1割はエアコンが消費していると言われています※8。その中には当然、ご家庭やビルで使用されている多くのダイキンのエアコンも含まれています。

ダイキンはグローバルで広く事業を展開するエアコンメーカーとして、環境に対して大きな責任があり、だからこそ、ダイキンにしか果たせない役割があると考えています。

※8
IEA・UNEP「Cooling Emissions and Policy Synthesis Report」を参考にダイキン試算

世界の全電力の約1割はエアコンが消費


2050年に向けたダイキンのカーボンニュートラルの目標

地球温暖化抑制に向けて大きな役割を担っているダイキンは、2019年を基準年とし、未対策のまま事業成長した場合の排出量と比べた実質排出量※9を、2030年に50%以下、2050年に実質排出ゼロを目指すというカーボンニュートラルの取り組みを進めています。

※9
温室効果ガス排出量から排出削減貢献量を引いたものと定義。

長期視点での方針(環境ビジョン2050)

ダイキンのカーボンニュートラルスケジュール

2019年を基準として2030年50%以下、2050年0%以下

ダイキンはカーボンニュートラルのために何をしているの?

ダイキンは、エアコンのカーボンニュートラルを支える多くの技術を持っています。これらの技術を磨き上げ、さらなる省エネ性の向上や温暖化影響の抑制を図っています。また、技術を自社だけで独占し囲い込むのではなく、他のエアコンメーカーにも広く使ってもらえるようにするための活動にも注力することで、世界のCO2排出量の削減に貢献していきます。

世界のカーボンニュートラルに貢献するダイキンの空調技術

インバータ技術
電子基板イメージ

インバータは、室外機のモーターの回転速度を室温に応じてコントロールする技術。冷暖房能力をきめ細かく調整することで、 50%以上の省エネ効果があります。

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低温暖化冷媒
R32のガスボンベイメージ

冷媒はエアコンの内部で熱を運ぶガス。この物質にはCO2の数百~数千の温室効果があります。ダイキンは低温暖化冷媒R32が世界で広く使用されることをめざし、R32を使用した空調機に関する対象特許の無償開放等により、R32の普及を図っています。

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ヒートポンプ技術
室外機が熱を集めているイラスト

ヒートポンプは大気中から集めた熱を少ない電力で移動させ、暖房に活用する技術。ヒートポンプエアコンであれば投入する熱エネルギーを「1」とすると、約「6」倍の熱エネルギーを得ることができます。

詳しくはこちら

みんなと取り組むカーボンニュートラル

エアコンの使い方を工夫することで、みんなでカーボンニュートラルを

1台のエアコンが寿命を終えるまでに排出するCO2の総量は1台当たり3,692kg※10。ダイキンはメーカーの責任として、エアコンを作るとき・運ぶときの排出削減に取り組んでいます。一方で、排出総量のうち89%は「使うとき」に排出されるものです※10。そのため、「使うとき」に上手に省エネすることで、より多くのCO2削減につなげられる可能性があります。

※10
ダイキン試算。ルームエアコンの場合。

1台のエアコンが寿命を終えるまで(製造から廃棄まで)に排出するCO2

作るとき/運ぶとき5%、使うとき89%、冷媒影響6%。
作るとき/運ぶとき5%、使うとき89%、冷媒影響6%。

今日からできる、エアコンの上手な使い方

電力を無駄にしないエアコンの上手な使い方は、ご家庭での電気代を減らすだけでなく、地球温暖化抑制、カーボンニュートラルの実現に向けたとても力強い一歩だと考えています。ダイキンでは、エアコンを使う人々に向けて、省エネ・節電につながるエアコンの上手な使い方や、メンテナンスの方法、子どもたちが楽しみながら学べるコンテンツをウェブサイトで紹介しています。たとえば設定温度を控えめにする、フィルターを定期的に掃除する、室外機の周りを片付けるだけでも、大きな省エネ効果が期待できます。カーボンニュートラルに向けて、今日から一緒に快適で環境に優しいエアコンの使い方を心がけてみませんか?

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