ダイキン工業株式会社は、店舗・オフィスエアコン『スカイエア』シリーズにおいて、夏の猛暑でリスクが高まる室内機周辺の結露トラブルや室内機からの排水不良による異常停止、冷房能力低下の抑制に貢献し、業界トップクラスの省エネ性も実現した省エネフラッグシップモデル『FIVE STAR ZEAS(ファイブスタージアス)』の新商品を、2026年4月1日より順次発売します。
『FIVE STAR ZEAS』
『マグネット式高湿度対応キット』と『結露抑制センシングキット』
近年、多くの店舗やオフィスのエアコンに採用されている天井埋込カセット形の室内機では、冷房運転時の天井裏の結露や室内機からの排水トラブルが、店舗オーナーやオフィス管理者の困りごとになっています。夏場の気温上昇や空気中の水分量の増加によって天井裏の室内機本体や冷媒配管の表面が結露しやすくなっており、その水滴は、内装の美観を損なう天井のシミの原因にもなります。また、室内機内部で発生する排水を屋外に排出するためのドレンパン※1やポンプにカビやホコリが詰まって排水不良が起こると、それを検知したエアコンは冷房運転を停止するため、室内の快適性を保てません。
本商品は、天井裏の結露の課題に対応するため、室内機本体へ簡単に設置できる「マグネット式高湿度対応キット」と冷媒配管表面の結露を抑える「結露抑制センシングキット」を新たに用意し、室内機と組み合わせて導入できる仕様としました。また、排水不良が発生した際にドレンパンとポンプの清掃を促す当社独自の通知機能を新たに搭載し、突発的な冷房停止を避ける対策を強化しました。これらにより、店舗やオフィスの夏場の課題解決に貢献します。
また、高外気温時の冷房能力の低下も抑制します。本商品は当社の標準シリーズ『Eco ZEAS』と比較して冷房能力が高く、JIS規格で冷房過負荷試験条件として定められている43℃の高外気温の中でも安定した冷房運転が可能です。
さらに、省エネ性向上にも取り組んでいます。より効率的に熱交換できるマイクロチャネル熱交換器を搭載した室外機のラインアップを増やし、エネルギー損失が少ないSiC半導体も採用しました。あわせて室内機には高効率のファンモータを採用することで、業界トップクラス※2の通年エネルギー消費効率(以下、APF)を実現しました。
ダイキンは、日本の猛暑と高湿度に対応した省エネ性の高い商品を展開するとともに、今後も環境の変化に柔軟に対応しお客様のニーズに寄り添いながら快適な空気環境を提供していきます。
天井内が高温多湿環境となり、空気中の水分量が増加した状態では、冷たくなった室内機本体や冷媒配管の表面に結露が発生します。結露による水滴が室内に垂れたり、天井面のシミとなって美観を損ねたりすることが、多くのユーザーの困りごととなっていました。
結露を抑制するには、機器を取り外して断熱処理を施す必要があり、費用と手間が大きくかかっていることが課題でした。
新商品の「マグネット式高湿度対応キット」は、結露を抑える断熱材をエアコン本体に磁石で貼りつける方式のため、簡単に貼りつけることができ、ずれが生じた際の修復も容易です。また、室内機を取り外したり天井裏に入ったりせず、断熱材を室内側から差し込む形で設置が可能です。なお、2021年以降の既設のダイキン製室内機にも使用できます。
冷媒配管や製品表面の結露を抑える方法の一つとして、露点温度をモニタリングし、冷媒配管の温度が結露点温度を下回らないよう、冷媒温度を制御する方式があります。
新商品の「結露抑制センシングキット」は、本体に取り付けて天井内の温度と湿度を計測するとともに露点温度を算出し、その露点温度と製品の断熱性能に基づいて冷媒温度を常時コントロールすることで、結露の発生を抑えます。この制御では計測した露点温度に応じて冷房運転を弱めるため、室温が設定温度まで届かない場合がありますが、リモコンの設定で一時的に制御の解除も可能です。また、本製品も同様に、室内機を取り外したり天井裏に入ったりせず、センシングキットを室内側から差し込む形で設置が可能です。
図①:結露発生の原理
図②:商品本体や室内機が結露している状況
図③:マグネット式高湿度対応キット
図④:設置イメージ
図⑤:結露抑制センシングキット 設置イメージ
冷房運転中のエアコンは、製品内部の熱交換器が結露します。結露によって発生した水滴は室内機の中にあるドレンパンに集められ、ポンプを使用して屋外へ排水します※8。しかし、高温多湿の環境ではドレンパンにたまった汚れがスライム状になりやすく、排水ポンプが詰まることがあります。排水不良が起きると、エアコンは異常を検知し運転を停止します。その場合は適切な清掃をしないと運転を再開できず、店舗の営業に支障をきたすなどの困りごととなっていました。
「ドレンポンプ フレッシュアップ運転」では、ドレン詰まりを検知したらドレンポンプの運転を停止し排出した水を勢いよく戻らせることで、ドレンポンプ吸込口や内部に詰まったごみを吐き出して除去します。その後、ドレンポンプの運転を再開し、ドレン水を排水します。
また、「ドレンポンプ フレッシュアップ運転」を短期間で複数回繰り返すとリモコンに警報を表示し、ユーザーにメンテナンスを促す「ドレンパン メンテナンス通知」も新たに搭載しました※9。ドレンパンの汚れ具合を確認する手間を省きつつ、冷房運転が急に停止する前のメンテナンスも可能になるため、スムーズな店舗の運営が可能となります。
図⑥:ポンプの下にスライムが入り、詰まった状態
図⑦:水の吐き戻しにより、スライムが遠くまで移動
エアコンは一般的に、外気温が高くなると室外機のプリント基板に熱がこもるなどして、安定的な冷房運転が難しくなっていきます。本商品は、冷媒を使ったダイキン独自の冷却方式で室外機のプリント基板を冷やします。これにより、空気で冷やすより効率的に冷却でき、JIS規格で必ず運転するように定められている43℃の運転時でも定格能力を発揮することが可能です。さらに『FIVE STAR ZEAS』の3~6馬力は熱交換器の表面積が標準機の『Eco ZEAS』よりも大きく、熱交換効率にすぐれているため、『Eco ZEAS』と比較して108%の冷房能力を実現しています。日本の猛暑に、『FIVE STAR ZEAS』は安定した冷房能力をお届けします。
電気代の高騰が続く中、省エネへの関心は高い状態が続いています。新商品では、店舗やオフィスで最も多く使用されている8.0~16.0kWの機種の省エネ性能を向上させました。室外機にはSiC半導体を採用するとともに、マイクロチャネル熱交換器の適用機種を拡大しました。また、室内機には高効率のファンモータを採用しています。省エネ性を向上させつつも従来通りの設置面積を維持しているため、市場の多くを占める更新需要へのスムーズな対応が可能です。『FIVE STAR ZEAS』は、4.0~16.0kWにおいて業界トップクラスの省エネ性能とコンパクトな設置面積の両立を実現しています。
図⑧:プリント基板を冷やす冷媒の回路
図⑨:Sic半導体
図⑩:高効率ファンモータ