ダイキン工業株式会社は、100%子会社のダイキンアプライドアメリカズ社(米ミネソタ州ミネアポリス、以下、DAA社)を通してAIデータセンターの冷却システムに強みを持つDynamic Data Centers Solutions社(米カリフォルニア州サンディエゴ、以下、DDCS社)を買収することに基本合意しました。
DDCS社は、AIデータセンター向けに革新的な冷却技術を提供する企業です。この買収は、ダイキンがAIデータセンターでのソリューションに本格参入し、データセンター市場での競争力を高め、事業拡大の新たな道を拓くものです。
AIデータセンター市場は、デジタル技術の進化で急成長しています。データセンターは、これまでの「データ保存・処理」からAIの「学習や推論」を支えるインフラとして進化しています。現在、大手IT企業がAI専用のデータセンターを郊外に建設しています。今後、多くの企業がAIを業務やサービスに組み込むため、汎用の推論型AIデータセンターを都市部に置く動きが進み、限られたスペースでの効率的な冷却システムの需要は高まる見込みです。
DDCS社は、サーバーラック単位の個別空調で独自の冷却技術を持ち、AIデータセンターの変革に欠かせない企業です。データの処理量が増えることによるサーバーや周辺機器の電力消費量の増加と発熱の課題を効率的に解決します。また、同社独自の設備マネジメントシステムでは、ラック単位で変動する消費電力と発熱量をリアルタイムで解析し自動制御するほか、運転データを学習した最適制御を行い、データセンターの省エネに必要なトータルソリューションを提供しています。
ダイキンは、今回の買収によりDAA社が従来から強みとしている業務用大型空調機器や計装・制御などを組み合わせてデータセンター内の空間を冷却する方式に加えて、DDCS社が持つサーバーの個別冷却技術を取り込み、データセンターで求められるトータルなニーズに対応し顧客の課題解決に貢献します。今後、北米市場を皮切りにグローバルな事業展開を加速しAIデータセンターの市場におけるリーダーシップを確立することをめざします。
本件は、今後、必要な手続きを経た上で2025年8月下旬に買収を完了する予定です。クロージング完了次第、あらためて買収のねらいや今後の展開などの詳細について発表を行う予定です。
【DDCS社の概要】
会社名 | Dynamic Data Centers Solutions, Inc. |
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本 社 | 米カリフォルニア州サンディエゴ |
代表者 | キース・マークレー CEO |
設 立 | 2019年 |
事業概要 | AI対応サーバーラック冷却機器および計装、保守メンテを含むトータルソリューションの提供 |
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