ダイキン工業株式会社は、インドネシアの首都ジャカルタ近郊にあるGIIC工業団地内に新設された住宅用エアコン工場において本格的に量産を開始したことを、子会社のPTダイキン・インダストリーズ・インドネシア社を通じ発表し、5月14日に開所式を行いました。同工場で生産された住宅用エアコンは2025年7月までにインドネシア市場向けに供給が開始される予定です。
(左から)ダイキン 竹中直文代表取締役社長 兼 COO 、インドネシア Faisol Riza工業省副大臣、ダイキン 十河 政則代表取締役会長 兼 CEO
インドネシアの空調市場はアジア最大級であり、今後の経済成長にともなう中間所得層の増加から、住宅用を中心にさらに拡大することが予想されます。市場ではインドネシアの電力事情や固有の住宅様式に合った小型機が多くを占めています。そのため、現地特有のニーズに対応した、インバータ搭載エアコンのような省エネ性能が高い製品が求められていく有望な市場です。
当社は、1970年から50年以上にわたりインドネシアで事業を行っており、インドネシア全土で販売・サービス網を構築し、空調市場を創造してきました。今後も快適な空気環境を提供するとともに、新工場の本格稼働によるインドネシア国内の雇用創出を通じて、更なるインドネシアの発展に寄与できるよう、尽力します。
ダイキン工業株式会社 代表取締役会長兼CEO十河政則のコメント
インドネシアは、ダイキンのアジアにおける事業拡大の中で非常に重要な役割を担います。弊社グループでは、世界各地の全ての工場において、最高品質のものづくりで商品を供給しており、この工場も必ずやインドネシアの皆様のニーズにお応えできる工場になると確信しております。この新たな拠点を通じて、インドネシア市場に迅速かつ安定的に製品供給が可能になるとともに、インドネシア国内のみならず、他国への輸出にも挑戦し、アジアの一大生産拠点として大きく成長できるよう、インドネシアの皆様と力を合わせて取り組んでいく所存でございます。インドネシアの経済発展の一助になればと願っております。
ダイキン工業株式会社 代表取締役社長兼COO 竹中直文のコメント
インドネシアの継続的な経済発展に伴い、特に住宅用を中心としたエアコン市場が著しい成長を遂げると予測しています。現地のニーズにマッチした高品質な『メイド・イン・インドネシア』製品を供給し、インドネシアと共に今後成長できることを楽しみにしています。
この製造拠点は未来を見据えて設計されており、自動化技術とエネルギー消費の監視を含む様々なイノベーションを通じた省エネ施策を組み合わせています。これは環境への影響を軽減し、持続可能な開発をサポートするための継続的な取り組みです。さらに新工場は地域社会に大きく貢献するものとなります。1,500 以上の雇用を創出するだけでなく、空調ソリューション分野の資格と能力を持つインドネシア人労働者を育成する拠点となるでしょう。
インドネシア商業省副大臣 Dyah Roro Esti Widya Putri氏のコメント
ダイキンの今回の投資は、インドネシア政府の国内産業振興の取り組みと一致するものです。現在、商業省はインドネシア市場の安定、中小企業のグローバル市場参入支援、輸出力の拡大という3つの優先事項に注力しています。ダイキンの工場設立は、社会的および経済的な発展に寄与するだけでなく、インドネシアのサプライチェーンを強化し、新しい雇用機会を創出し、技術の伝達を加速させることを期待しています。これらはすべて、我が国の貿易分野の柔軟性と競争力を高める上で重要な役割を果たします。
インドネシア工業省副大臣 Faisol Riza氏のコメント
ダイキンの工場設立が、2024年に4億2046万米ドルとされた家庭用エアコンの輸入依存を減らす「新しい風」をもたらします。政府は工業省を通じて、国産品優先政策(P3DN)の最適化、(部品の)国内生産化率(TKDN)規制の改革、2025年7月から義務化される電化製品に対するインドネシア国家規格(SNI)の適用を含む様々な戦略的政策を行っていきます。
エアコンの圧縮機など、現在輸入に頼っている基幹部品の製造をインドネシアで開始するなど、ダイキンがインドネシア産部品の強化を牽引することを願っています。この取り組みは、インドネシアの自立および国内サプライチェーンを確実に強化します。さらに、ダイキンがインドネシアをASEAN市場におけるエアコン製造および輸出の中心的なハブとして進化させることを期待しています。
在インドネシア日本国大使館 次席公使 永井克郎氏のコメント
新工場の従業員が現在約1,000名で8月には1,500名、また今後増強される生産能力によりインドネシア国内向けの生産のみならず、ASEAN諸国の旺盛な需要に対する輸出拠点として構想されていると伺っています。現地生産化、輸出拠点化、これらは新たな雇用創出とあいまって、輸出競争力のある製造業の育成を目指すインドネシア政府の方向性に合致しており、インドネシア経済への貢献であると考えます。今後とも投資を円滑に実施していけるよう、日本大使館としてもインドネシア関係当局や企業等との緊密な情報交換などを通じて、日系企業の活動を後押ししていきたいと思います。
PTダイキン・インダストリーズ・インドネシア社 社長 Boonthavee Khamhaeng のコメント
新工場は日本の生産基準に従って準備してきており、日本、タイ、マレーシアの3つの主要な生産拠点との密な連携と強力なサポートによって立ち上げてまいりました。この連携を通じて、PTダイキン・インダストリーズ・インドネシア社は、IoTや省エネ機器など最新技術を用いた設備を導入し、生産ラインの構築を行いました。当社 DIID 工場は、品質と革新にこだわり、ダイキングローバル標準の製品を、お客様にお届けするというビジョンを遂行してまいります。
PTダイキン・インダストリーズ・インドネシア社 ディレクター Budi Muliaのコメント
年間生産能力が150万台となるこの工場では、主に3つの住宅用エアコンを製造する予定です。新工場では、省エネ性と環境へ配慮した、インバーターエアコンの製造に重点を置きます。これはインドネシア政府の省エネイニシアチブに従っており、より環境に優しい未来をサポートするダイキンの役割を強化するものです。
この投資はインドネシアの社会的および経済的成長へのダイキンの貢献を具体的に表しています。本格稼働に伴って、様々なビジネスセクター、特に中小企業がダイキンのパートナーになるための、より多くの機会が開かれます。我々の品質に対するコミットメントと社会および環境への貢献は、ダイキンがインドネシアの人々にとって真に最良の選択となるための取り組みを映し出すものです。