ダイキン工業株式会社の普及型ZEB、プロダクト アズ ア サービスなど4案件が、一般財団法人 省エネルギーセンターが主催する2020年度省エネ大賞に選ばれました。
省エネ大賞は、優れた省エネルギー活動や製品・ビジネスモデルを推進する国内の事業者を表彰し、省エネ意識の浸透と、省エネ製品の普及促進に寄与することを目的としています。表彰式は、令和3年1月27日(水)東京ビッグサイトで行われる予定です。
2050年の温室効果ガス排出実質ゼロをめざし「環境ビジョン2050」を掲げる当社は、今後も環境とエネルギー問題の解決に取り組みながら、快適な空気・空間を実現していきます。
築30年以上のテナントビルでは国内初となる「ZEB Ready」※1を達成した事例です。省エネ診断のデータから、空調容量の最適化と遠隔監視による運用改善を実施し、さらに窓の断熱性の向上と照明のLED化も組み合わせました。その結果、創エネ設備を用いることなく、ZEB計算対象一次エネルギー消費量は約68%減少し、省エネ性と快適性を大きく向上させることができました。
省エネ性の高い空調システムをサブスクリプション方式で提供することで、施設オーナーが負担する初期導入・運用管理コストを削減し、省エネ機器の普及を促進するサービス事業です。従来の売り切り型ビジネスとは異なり、メーカーとユーザーが直接つながれるこのビジネスモデルでは、最適な機器の選定からメンテナンス・運用管理までを、メーカーがすべてワンストップで提供することができます。本サービスを導入した病院では2年間で約37%の空調の省エネを達成しました。
省エネ診断をもとに、空調・照明設備を改修し、消費電力の見える化や空調の運用改善を実施。さらに施設職員の自助努力もあり、快適性を保ちながら建物全体の消費電力を約21%※2削減しました。年々増加するエネルギー消費量に対し、職員の意識改革を促すことで、全員参加の持続的な省エネ活動を定着させることができました。
新型コロナウイルス感染症の流行を背景に、換気と省エネを同時に実現できる機器を開発しました。飲食店などの小規模店舗では、夏場に入口のドアを開放して換気をすると、消費電力が約2.5~3倍に増えてしまいます。本機器は、既存の店舗に後付けで露出設置ができるうえ、換気で屋外に逃げる熱を抑えることができます。このため換気扇を強化した場合に比べ約26%、ドア開放時に比べ約43~55%の電力の削減※3が可能になりました。
築34年(導入当時)のこのビルには「窓側が暑い」「空調機がたびたび故障する」「故障時のメンテナンス費が高い」「エネルギー消費量が大きい」などの課題がありました。そのため空調機・照明設備の更新と建物の改修が急務でした。
(1) 省エネ診断による建物の現状把握と問題抽出
エネルギー診断プロフェッショナル※4のエンジニアによる空調・照明設備の省エネ診断を実施しました。その結果、既設の空調は、夏季シーズンでも空調定格消費電力の60%しか使われておらず、容量にかなり余裕があることがわかりました。また空調設備の更新・増設を重ねたことで、室内機が無駄の多い配置となり、室内の温度ムラの原因になっていることもわかりました。
(2) 診断データを基にZEB化と快適性を両立するための最適設計を考案
温度ムラを解消し、省エネ性を向上させるために、空調容量を最適化する改修型ZEBプラン(空調容量38%減)を考案しました。空調・照明の設備改修に加え、集中管理装置による消し忘れ防止制御等の運用改善を導入しました。その結果、ZEB計算対象一次エネルギー消費量が約68%減少し、築30年以上のテナントビルでは初めての「ZEB Ready」(BEI※5実績値=0.33※6)を達成しました。また温度ムラの解消により、快適性も向上できました。
国内ビル市場の多数が築20年以上の中小規模ビルとなるなかで、費用や工期の長さといった課題を背景に、既存テナントビルでのZEB化事例は、ZEB建築物全体のうち約2%と、いまだ低い普及率です。今後は省エネ診断の活用を起点に、このボリュームゾーンをはじめ、より多くの物件にZEB化を進めていきます。
従来、空調メーカーと施設オーナーの間には多層構造の商流が存在し、直接的な接点はありませんでした。そのためメーカーが先進的な省エネ機器を開発しても、「施設オーナーに十分な訴求ができず、省エネ機器が普及しにくい」「省エネ機器を導入しても、設計意図が運用側に伝わらず、機能を十分に使いこなせてもらえない」といった課題がありました。
(1)空調ライフサイクルでの省エネルギーを3つのアプローチで実践
メーカーが施設オーナーと直接つながり続けられる、サブスクリプション方式のサービス事業を開始しました。施設オーナーは、エアアズアサービス社と10~13年間の契約を結び、省エネで快適な空調環境への利用対価を毎月支払います。遠隔監視により収集した空調の運転データをもとに、(1)設備設計 (2)メンテナンス (3)運用管理 を改善し、空調ライフサイクル全体での省エネに貢献できるようになりました。
(2)製品を通じた利用サービスによって新たな4つの付加価値をユーザーに提供
省エネ性の高い空調システムを手軽に導入できるほか、サブスクリプション方式にすることで、(1)業務効率化 (2)持続的な省エネ (3)快適で安心な環境の実現 (4)資金不安の解消といった付加価値をユーザーに提供できるようになりました。
業務用空調分野でプロダクト アズ ア サービス型ビジネスモデルを広げ、ユーザーが求めるすべての省エネ・快適性のニーズに応えていきます。また空調ライフサイクル全体における省エネで、地球環境の負荷軽減に貢献します。
年々増加するエネルギー使用量に、職員たちは頭を悩ませながら、長年施設を運営してきました。独自の工夫で省エネを試みるも目に見える効果がなく、職員の間にはあきらめの空気が漂っていました。2016年にダイキン工業による省エネ診断を実施するも省エネ推進担当者の定年退職を機に、節電の取り組みが停止し、2017年度のエネルギー使用量はついに過去最大になりました。
(1) 省エネ診断から設備の運用改善を実施
2018年に後任者が着任したことを機に、省エネ診断の結果に基づいた勉強会を実施しました。これまでの取り組みで節電効果が出なかった原因を理解してもらい、空調や照明などの省エネ運用ルールを立案し、実行してもらいました。
(2) 空調設備改修(レトロフィットメンテナンス)と空調遠隔エネルギー管理の実施
空調設備については、使用機器の圧縮機と制御基板を最新のものに入れ替える『レトロフィット・メンテナンスプラン』を採用し、省施工ながらも経年劣化による不具合の解消と省エネを実現しました。更に当社の遠隔監視による運転データの分析で、季節ごとの省エネスケジュールを設定し、空調設備の消費電力量を約34%削減しました。職員による操作や設備運営の負担が削減されたことで、運営コストの削減・担当職員の他業務へのシフトが可能になり、人員不足の解消と省エネ施策の定着にもつながりました。
人手不足や、省エネの取り組みに悩む介護・福祉業界のユーザーを対象に、同様の省エネソリューションを展開し、困りごとの解決と、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進します。
新型コロナウイルス感染症の流行が深刻な問題になるなか、飲食店などの小規模店舗における換気の重要性が見直されています。しかし一般的な窓開け換気をすると、外気の侵入により、空調の運転に負荷がかかり、電力が倍増してしまうことが課題でした。そこで当社は、換気と省エネを両立でき、なおかつ既存の店舗に後付けで、追加設置ができる新しい換気機器を開発しました。
(1)見せるデザインで、後付けで追加設置
室内のお客さまから見える位置に露出設置するため、内装に馴染むように機器のデザイン性を重視しました。また簡単な工事で既存の店舗に後付けで、追加設置ができる設計としました。
(2)追加することで換気量をアップ
給気と排気を1つの機器で実現し、室内に入る空気と出る空気を同じ量にして、十分な換気量を得る装置としました。(風量250m3/h)
(3)エネルギーを無駄にしない換気方式で、省エネを実現
室内と室外で空気を入れ替えながら、熱だけを回収して室内に戻す、エネルギー回収装置を内部に搭載しています。これにより、空調で暖めたり、冷やしたりした室内の熱を無駄にすることなく換気ができ、省エネ性が格段に向上します。
店舗の天井だけでなく壁面や軒下にも設置できるよう据付パターンを広げることに加え、空調機との接続により換気ができる空調機器として提案していきます。後付け追加型の換気機器という新たな市場を開拓し、店舗やクリニックのオーナーに新たな価値を提供していきます。
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