ダイキン工業株式会社は、代表的な夏風邪である手足口病※1やプール熱※2などの原因となるウイルスをストリーマ技術により99.9%抑制することを実証しました。
手足口病やプール熱は、梅雨時期から夏にかけて免疫の弱い幼児を中心に流行するウイルス感染症です。こうした夏風邪のウイルスは、インフルエンザウイルスなど冬に活性化するウイルスと異なり、高温多湿の時期に活発に活動し、一般的な消毒薬が効きにくいのも特徴です。
当社は2000年より独自のストリーマ技術の開発に取り組み、これまでにインフルエンザウイルスやノロウイルス、結核菌の抑制など、人々の関心が高い有害物質に対する効果の実証を重ねてきました。近年、高気密・高断熱住宅の増加などに伴い、屋内の空気環境への関心はさらに高まっています。当社は、ストリーマ技術のさらなる可能性を探索するため、今後も様々な効果検証を実施してまいります。
夏風邪の原因となるアデノウイルス、エンテロウイルス、エコーウイルス、コクサッキーウイルスそれぞれにストリーマを0、1、2、4、8時間照射し、培養した細胞に接種することで、ストリーマを照射した時間の違いによるウイルスの残存状態を観察しました。
ストリーマを照射せずに8時間経過したウイルスを接種した細胞は、ウイルスによって細胞が完全に破壊されているのに対し、ストリーマを8時間照射したウイルスを接種した細胞は、正常細胞のまま存在していることから、夏風邪の原因となるウイルスにストリーマを8時間照射することで、ウイルスが99.9%抑制されたことを確認しました。※3
ストリーマ照射により、それぞれのウイルスを包むたんぱく質を酸化分解し、ウイルスを抑制したと考えられます。
『ストリーマ技術』は、2004年に当社が開発したストリーマ放電により有害物質を酸化分解する技術です。プラズマ放電の一種であるストリーマ放電は、これまで困難とされていた「高速電子」を安定的に発生させることに成功した画期的な空気浄化技術で、酸化分解力の高い「高速電子」を3次元的・広範囲に発生させるため、一般的 なプラズマ放電(グロー放電)と比べて、酸化分解力が1,000倍以上になります。また、空気成分と合体した「高速電子」は強い酸化分解力をもつため、ニオイや菌類・室内汚染物質のホルムアルデヒドなどに対しても持続的な除去効果があります。
当社はこれまでにも、強毒性インフルエンザウイルス(H5N1)や弱毒性インフルエンザウイルス(H1N1)、ノロウイルス、食中毒の原因となる毒素や細菌といった有害物質に対して、大学及び公的研究機関と共同で効果実証してきました。
ストリーマ技術の様々な効果検証をもとにしたウェブサイト『ストリーマ研究所』を新たに開設し、ストリーマ技術が空気に関する困り事に効果を発揮するメカニズムを分かりやすく紹介します。
URL: http://www.daikin-streamer.com/natsukaze/
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