ニュースリリース
電気とガスによる空調の相乗効果をさらに高めて、コスト削減と快適性向上を実現
ダイキン工業株式会社は、ガスが動力源の空調機(GHP)と電気が動力源の空調機(EHP)を組み合わせたハイブリッド空調システム『スマートマルチ』※1を、東京ガス株式会社、大阪ガス株式会社、東邦ガス株式会社、アイシン精機株式会社と共同で開発し、2017年10月1日より発売します。
2017年4月から始まるガスの小売全面自由化に伴い、企業のエネルギーコストの効率化はますます注目されています。当社はこれまでも、ガスと電気を併用したハイブリッド空調システムによるエネルギーコストの抑制を提唱してきました。しかし、従来のシステムでは、GHPとEHP それぞれに冷媒配管系統が必要で、GHP用とEHP用の二種類の室内ユニットがフロア内に混在していました。そのため、電気とガスの使用比率の変化によって室内に発生する極端な温度ムラを防ぐため、室内ユニットごとの容量や設置位置を詳細に設計する必要がありました。
本商品は、従来は別々だったGHPとEHPの冷媒配管系統と室内ユニットを同一化したことで、通常のビル用マルチエアコンと同じ設備設計が可能になりました。これにより、設備設計にかかる工数を削減できるだけでなく、電気とガスの使用比率が変化しても温度ムラが発生しないため、快適性を損なわずにエネルギーコストを削減できます。なお、接続できる室内ユニットは23タイプ126機種から選定できるため、オフィスビルから工場まで、幅広い用途での設置が可能です。
品名 | ハイブリッド空調システム『スマートマルチ』 |
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システム容量 | 冷房定格能力67.4kW (24馬力相当) |
品番(相当馬力) | GHP機:GWXDP450D(16馬力)、EHP機:RGXMP224DA(8馬力) |
価格 | 6,890,000円(室外ユニット価格・税別) |
発売日 | 2017年10月1日 |
ガスと電気を動力源としたハイブリッド空調システムは、ガスを用いて電気の使用量をコントロールします。GHPとEHPの冷媒配管系統が異なる従来のシステムでは、電力のピークカット時にEHPの運転が抑制され、GHPでカバーする運転となります。EHPとつながる室内ユニットの能力が低下し、GHPとつながる室内ユニットの能力が向上するため、冷房運転の場合、過剰に冷えるエリアとあまり冷えないエリアが発生します。この温度ムラを抑制するため、GHPとEHPの室内ユニットを交互に配置するなど、冷媒系統の違いに注意した設備設計と施工が必要でした。
本商品は、二系統の冷媒配管系統を一系統にまとめたことで、GHPとEHPの室内ユニットの区別が無くなりました。各室内ユニットへの能力配分が均一になったことで、室内の温度ムラが抑制されます。また、設備設計時や施工時の手間が省け、さらに、不要になった一系統分の配管とその施工にかかるコストも削減できます。
空調機は、室内と室外の温度に応じて運転時にかかる負荷が変動します。本商品は、低負荷時の運転に適したEHPと高負荷時の運転に適したGHPの違いを活かし、運転負荷に応じて自動で使い分けて運転効率が向上するハイブリッド運転を行ないます。また、電力のピークカットが必要な場合はEHP運転を抑制し、その分をGHP運転で補います。消費電力のピークを抑えることで電気の基本料金を抑制し、年間光熱費を削減します。この運転制御は遠隔制御サービスで行ないます。
店舗やオフィス、病院、介護老人保健施設など、建物の規模や使われ方により、空調の運用方法は異なります。本商品は、東京ガス株式会社、大阪ガス株式会社、東邦ガス株式会社の各社が提供する「遠隔制御サービス」と連動させることで、エネルギーの料金メニューや今現在のエネルギー需給状況も考慮した運転を可能にします。これにより、施設ごとに適した空調の運転を、より省エネかつ省コストで実現します。
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