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冷媒選択の考え方

Q. ダイキンの冷媒選択の基準は?

A. 機器の用途に応じた最適な冷媒選択を実施しています。

現在のところ、すべての冷凍空調機器に対応できる唯一の理想的な冷媒は存在しません。機器ごとに総合的な評価を実施し適材適所の冷媒を選定することが大切です。そのために、1)安全性、2)環境性、3)エネルギー効率、4)経済性の観点から、総合的な評価が必要となります。

冷媒選択時の総合的な評価項目(すべての機器に共通)

冷媒選択時の総合的な評価項目(すべての機器に共通) 安全性 環境性 エネルギー効率 経済性

安全性

冷媒は、ライフサイクル全体(製造、輸送、貯蔵、機器における使用、据付、回収)を通じて、安全に使用できなければなりません。

安全性評価においては、毒性や燃焼性といった冷媒物性のほか、ヒューマンエラーも含めた機器使用時のリスクについても観点にいれる必要があります。ある特定の機器において安全に使用できても、他の機器では充分に安全性を確保できない場合があるため、製品群ごとの安全性評価の実施が必要です。

また、たとえ不燃で毒性の低い冷媒であっても、必ずしも環境性が優れているとは言えない場合もあり、多面的な評価が不可欠です。

環境性

環境に直接影響を与える指標には、オゾン層破壊係数(ODP※1)や温暖化影響(GWP※2×機器ごとの充填量)があり、これらの値が小さい方が、環境性が高いとされています。

省資源の観点から、機器のコンパクト化や冷媒充填量の削減に寄与する熱交換特性も重要な視点であるほか、冷媒の生産プロセスにおける環境影響や冷媒の再生および再利用のしやすさも考慮に入れる必要があります。

※1
オゾン層を破壊する程度を定数値化した値。R11(CFC)を1.0として、同一質量の他の物質が放出されたときのオゾン層への影響を相対値で示すもの。
※2
温室効果ガスについて、どの程度の温室効果があるかをCO2基準で表した値。一定期間での温暖化影響を積分値で計算。

エネルギー効率

冷媒のエネルギー効率は機器使用時のエネルギー起因による間接的なCO2排出に影響を与えます。そのため、ダイキンは、世界中のすべての気候帯において冷凍空調機器のエネルギー効率を向上させることが必須と考えており、それを実現できる冷媒を選択しています。

機器の普及が進むとCO2排出要因に占める冷凍空調機器の割合は大きくなるため、機器のエネルギー効率を向上させることは、各国のCO2排出量の削減に大きく貢献します。

経済性

地球温暖化抑制のためには環境性の高い技術の普及が必要です。普及のためには経済合理性がキーとなります。冷媒に関して言えば、価格や入手性のほか、機器の使用時や据付・メンテナンス時に過剰な安全対策を要しないか、機器のコンパクト化に寄与するか、再生可能な冷媒であるか、低コストで再生ができるかなどの観点も、冷媒を選択する際に考慮されなければなりません。

Q. ダイキンはなぜそう考えるのか?

A. 過去から多種多様な冷媒の評価を実施してきたからです。

ダイキンはこれまで多種多様な冷媒を評価し、適材適所の冷媒選択を行うなど、国際的な冷媒動向に先立つ取組みを実施してきました。このような過去の経験があったからこそ、4つの指標に基づく総合評価を実施した上で冷媒を選択していくことの重要性を強く認識しています。

国際的な冷媒動向の変遷とダイキンの経験

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