ダイキン工業株式会社は、公益社団法人発明協会が主催する「令和8年度全国発明表彰」において、「青果物の長距離海上コンテナ輸送を可能にする空気組成調整装置の発明」で「発明協会会長賞」を受賞しました。表彰式は6月15日(月)、The Okura Tokyo(オークラ東京)にて開催される予定です。なお、全国発明表彰における当社の特別賞以上の受賞は、4度目となります。
全国発明表彰は、日本の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に大正8年から続く表彰制度です。多大な功績を挙げた発明、考案、意匠、または、その優秀性から今後大きな功績を挙げることが期待される発明などが表彰されます。
今回受賞した本発明は、空気組成調整技術(Controlled Atmosphere:以下、CA)を応用し、青果物の呼吸量に応じてコンテナ庫内の酸素および二酸化炭素の濃度を制御することで、鮮度を長期間維持したまま海上輸送を可能にするものです。空輸に比べて環境負荷を抑えながら、より多様な青果物のグローバル輸送に貢献する技術として高く評価されました。
ダイキンはこれまで、空調事業で培ってきた冷凍冷蔵技術および空気制御技術を基盤に、快適な室内環境の提供にとどまらず、産業・食品流通・農業などの分野における新たな価値創出に取り組んできました。空気は目に見えない存在ですが、温度、湿度、気流、ガス濃度などを最適に制御することで、青果物の鮮度維持をはじめ、食品ロスの削減や持続可能なサプライチェーンの実現に貢献できる大きな可能性を秘めています。今後もダイキンは「空気で答えを出す会社」として、空気制御技術をさらに進化させ、環境負荷の低減と社会課題の解決を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
「青果物の長距離海上コンテナ輸送を可能にする空気組成調整装置の発明」(特許第6579285号)
| 発明協会会長賞 | 藤本 祐介 (ダイキン工業株式会社 低温事業本部 輸送冷熱開発グループ ) |
|---|---|
| 亀井 紀考 (大金制冷(蘇州)有限公司 製造部 開発担当部長) | |
| 発明実施功績賞※ | 竹中 直文 (ダイキン工業株式会社 代表取締役社長 兼 COO) |
近年、二酸化炭素(CO2)排出や食品ロスなど環境への関心の高まりを背景に、食品輸送では空輸から海上輸送へと、より環境負荷の小さい方法への転換が求められています。果物・野菜などの青果物や花は、収穫後も輸送中に呼吸を続けるため、鮮度を長く保つには、輸送・貯蔵環境における酸素や二酸化炭素の濃度を適切に管理し、呼吸を抑えることが重要です。
従来のCA技術では、コンテナ庫内で発生する二酸化炭素を除去する「パッシブ方式」が中心であり、CO2濃度の低下に時間がかかることや、外気の侵入により安定した庫内の環境を維持しにくいことが課題でした。この課題に対しダイキンは、従来から取り組んできた医療用酸素濃縮器の高濃度酸素生成技術を応用し、庫外の大気を吸着筒で処理して、窒素と水分を多く含む低O2ガスを供給する「アクティブ方式」のCA装置を開発しました。さらに、低O2ガスの濃度を切り替える4つの制御モードを備えることで、青果物の種類や呼吸量、輸送条件に応じて、庫内のO2/CO2濃度を精緻に制御します。
これにより、コンテナ庫内の空気を適切に制御することで青果物の鮮度維持が可能となり、さまざまな青果物を低コストでグローバルに輸送できるようになりました。食品ロスの削減、空輸から海上輸送への転換によるCO₂排出量の低減、さらには世界の食生活や食文化の向上に大きく貢献します。