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ニュースリリース

2025年12月15日

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熱回収換気『 ヒートリサイクルシステム 』、空冷モジュールチラー『ヘキサゴンGX』が2025年省エネ大賞で「省エネルギーセンター会長賞」を受賞

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一般財団法人 省エネルギーセンターが主催する2025年度省エネ大賞で、ダイキン工業株式会社の「換気の排熱を再利用する新たな省エネ換気システム『ヒートリサイクルシステム』」、「カーボンニュートラル実現に貢献する空冷モジュールチラー(ヒートポンプチラー)『ヘキサゴンGX』」が製品・ビジネスモデル部門において「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。省エネ大賞は、優れた省エネルギー活動を推進する国内の事業者を表彰し、省エネ意識の浸透に寄与する賞です。
受賞案件は2026年1月28日(水)から30日(金)まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されるENEX2026「第50回地球環境とエネルギーの調和展」で展示されます。

【受賞製品の概要】

「換気の排熱を再利用する新たな省エネ換気システム『ヒートリサイクルシステム』」

本システムは、換気時に排出される室内の熱を冷媒で回収し、ヒートポンプ技術を活用して再利用する新たな換気システムです。コロナ禍を経て換気の重要性が高まる中、空調負荷の約4割※1が換気によるものであることから、換気と省エネの両立が求められています。『ヒートリサイクルシステム』は、換気の際、通常であれば屋外に排出されてしまう熱を冷媒で回収し、室内に取り入れる外気の温度調節に再利用することで、冷暖房時の換気による空調負荷を低減し、効率的に空調することができます。実店舗での実証試験では、従来の空調・換気システムに比べて年間の消費エネルギー量を約64%※2削減しました。

<ヒートポンプ式熱回収換気『ヒートリサイクルシステム』>

「カーボンニュートラル実現に貢献する空冷モジュールチラー『ヘキサゴンGX』」

本製品は、業界トップクラスの省エネ性を実現した空冷モジュールチラーです。カーボンニュートラルの対応が進む中で、大型ビルや工場でのCO2排出量の削減や省エネ化の取り組みが加速しています。本製品は、新型圧縮機とマイクロチャネル熱交換器を採用することで、業界トップクラスの定格COPとIPLVc(冷却期間成績係数)を達成しました。加えて、冷温水を搬送する動力や待機電力を低減することにより、従来機※3と比べ約12%※4の消費電力を削減しています。

<空冷モジュールチラー『ヘキサゴンGX』>

【受賞製品の詳細】

「換気の排熱を再利用する新たな省エネ換気システム『ヒートリサイクルシステム』」

(1)排熱回収と換気負荷低減による省エネ性向上

『ヒートリサイクルシステム』は、室内側の「給気ユニット」と「排気ユニット」、そして室外側の「圧縮機ユニット」で構成されたヒートポンプ式熱回収換気システムです。「給気ユニット」は屋外の空気を取り入れ、温度を調節して室内へ供給し、「排気ユニット」は室内の空気を吸い込み、屋外へと排出します。この際、「排気ユニット」は空調された室内空気の熱を冷媒で回収し、その熱を「圧縮機ユニット」を介して「給気ユニット」へ送り、屋外から取り入れた空気の温度調節に再利用します。一般的な換気扇による換気では、排気の際に室内空気の熱も一緒に屋外へ排出してしまいますが、この熱回収システムにより、冷暖房のエネルギーロスを抑え、換気と省エネの両立を実現します。

(2)実店舗での実証試験結果による省エネ効果

①東京都での実証試験結果
実使用環境下における熱回収効果の検証として、東京都の小売店に『ヒートリサイクルシステム』を導入し、実証試験を行いました。『ヒートリサイクルシステム』で1年間営業した実測データと、更新前の同店舗の「換気扇方式」での試算値との比較において、年間消費電力量の約24%※5の削減を達成しました。

<換気+空調の年間消費電力の削減効果>


②北海道での実証試験結果
暖房負荷の高い寒冷地での熱回収効果の検証として、北海道の飲食店の新築店舗に『ヒートリサイクルシステム』を導入し、実証試験を行いました。『ヒートリサイクルシステム』で1年間営業した実測運転データと、北海道の別店舗で従来導入している「ガス給気の温風暖房機」※6の場合での試算値との比較にて、年間消費エネルギー量の約64%もの削減を達成しました。寒冷地では冬場の換気負荷が大きいことに加え、ガス給気はヒートポンプに比べて効率が低いため、省エネ効果がより顕著に得られる結果となりました。

<換気+空調の年間消費電力の削減効果>

今後の取り組み

今後は、この熱回収システムを様々な分野へ展開するとともにグローバル市場への展開も進めていき、更には大規模ビルや工場向けの応用展開に取り組み、脱炭素社会の実現に貢献していきます。

「カーボンニュートラル実現に貢献する空冷モジュールチラー『ヘキサゴンGX』」

(1)マイクロチャネル熱交換器の採用による省エネ性向上

細径化した冷媒流路を多数設け、冷媒の熱を効率よく空気に伝達するオールアルミ製の「マイクロチャネル熱交換器」を採用したことで、省エネ性が向上しました。また、冷媒充填量も従来機より約60%※7削減しています。

<換気+空調の年間消費電力の削減効果>

(2)新型圧縮機の採用による省エネ性向上

圧縮機の摺動部※8に独自の加工を施し、冷凍機油の供給量を最適化することで、摺動損失をおさえ消費電力の低減を実現しました。また、高い強度と耐摩耗性が求められるクランク軸を超仕上げ加工※9し、摩擦を低減することにより、油膜が形成されない油切れ時※10においても耐久性を向上することができました。圧縮機内部には、コンパクトで高効率のモーターを採用しています。

(3)新たなプレート水熱交換器の採用による消費電力の削減

「チラー」は冷温水を作り、空調機に送ることで建物内の冷暖房を行う空調システムであり、プレート水熱交換器は冷媒と水との熱交換を行う部品です。今回、水の流路の幅を広げたプレート水熱交換器を採用することで、水の圧力損失を47%※11低減しています。その結果、冷温水を配送するポンプ動力を約31%※12削減します。

(4)クランクケースヒーター(圧縮機用ヒーター)に加熱制御を搭載し待機電力を削減

圧縮機には、摺動部の摩耗防止のために、潤滑用の冷凍機油を使用しています。冷凍機油は、常に一定の温度に保たないと濃度が下がり圧縮機の摩耗故障の原因となります。そこで、空調機が運転していないときも冷凍機油の温度を一定に保つためにクランクケースヒーターで圧縮機を温めます。
今回、クランクケースヒーターに冷凍機油の温度変化に合わせて自動で加熱する制御を導入したことで、待機電力の約15%※13を削減しました。

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今後の取り組み

今後も、省エネ性の高い商品開発、ソリューション開発に取り組み、様々な分野へ展開するとともにグローバル市場への展開も進めていき、脱炭素社会の実現に貢献していきます。

※1
空調機を導入している物件において当社にて負荷計算を行った結果(換気量や熱負荷により異なる)
※2
<北海道での実証試験および試算条件>
「『ヒートリサイクルシステム』+空調機」で1年間営業した実測運転データと、従来導入している「外気処理温風暖房機+空調機」 での試算値との比較(ガス給気のため消費エネルギー量での比較)
「換気扇×4台+外気処理温風暖房機×1台+空調機5馬力×5台」と「『ヒートリサイクルシステム』(SHRM150A)×2台+空調機4 馬力×5台」との比較
※3
2018年度に「省エネルギーセンター会長賞」を受賞した『ヘキサゴンフォース』と比較
※4
<試算条件>
・冷却7℃使用、加熱45℃使用 5.5kWポンプ
・100%負荷を1800kWとし、60HP機種をモジュールコントローラーでの制御で動作させるとして試算
※5
<東京都での実証試験および試算条件>
「『ヒートリサイクルシステム』+空調機」で1年間営業した実測運転データと、更新前の同店舗の「換気扇+空調機」での試算値との比較 「換気扇×5台+空調機8馬力×4台」と「『ヒートリサイクルシステム』(SHRM150A)×2台+空調機8馬力×4台」との比較
※6
ガスによる燃焼機器の外気処理温風暖房機
※7
空冷モジュールチラー『ヘキサゴンフォース』(60馬力)と『ヘキサゴンGX』(60馬力)の比較
※8
圧縮機内部において金属部品同士が相対的に運動し摩擦が発生する機械要素の総称
※9
研削加工された金属部品などの表面を、専用の機械で低速・低圧・微振動しながら仕上げる精密加工技術
※10
圧縮機の中で本来必要な潤滑油が十分に届いていない状態のこと
※11
空冷モジュールチラー『ヘキサゴンフォース32』FA型(60馬力)と『ヘキサゴンGX』(60馬力)との比較
※12
従来機である空冷モジュールチラー『ヘキサゴンフォース32』FA型(60馬力)と『ヘキサゴンGX』(60馬力)との比較
2.2kwポンプ搭載時に7℃差定格流量を流し、従来機と同じ機外揚程を出す条件での消費電力比較
※13
空冷モジュールチラー『ヘキサゴンフォース32』と『ヘキサゴンGX』との年間待機電力比較

報道機関からのお問い合わせ先

ダイキン工業株式会社 コーポレートコミュニケーション室

本社
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TEL (06)6147-9923(ダイヤルイン)
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