ダイキン工業株式会社は、心身ともにより快適で健康的に過ごせる空気・空間づくりを実現する新たな空調システムの実証実験を、Toyota Woven City(トヨタ・ウーブン・シティ)にて2025年9月25日より順次開始します。本実証実験を通じて、「花粉レス空間」を生み出す空調・換気システムの社会実装をめざします。また、空気や映像、音や香りを組み合わせてコントロールしてつくる「パーソナライズされた機能的空間」が持つ価値の検証にも取り組みます。
花粉症や慢性的なストレスは、人々の健康的な暮らしを妨げ、社会の生産性低下も引き起こす社会課題となっています。こうした中、当社は、「花粉レス空間」や「パーソナライズされた機能的空間」の実現に向けた技術開発に取り組んできました。
今回の実証実験は、「花粉レス空間」の開発を加速させ、2030年までに住空間、オフィス空間、商業施設・店舗空間、モビリティ空間への社会実装をめざすとともに、「パーソナライズされた機能的空間」の有用性を探る取り組みです。これまでの取り組みの中で得た知見をもとに構築した空調システムをToyota Woven Cityに設置し、Toyota Woven Cityで継続的に得られる様々なデータや、空調システムを使用する住民からのフィードバックを活用しながら、さらなる空気価値の創造をめざします。
Toyota Woven Cityで取り組む実証実験の概要
「花粉レス空間」を生み出す空調・換気システム
- 花粉が住戸内に侵入する際の経路や環境条件を明らかにするとともに、花粉の侵入を抑え、侵入した花粉を極限まで除去できる空調機器の組み合わせと運用方法について検証します。
- 具体的には、住戸の内外に、温度や湿度、花粉や粉塵、人の動きや窓の開閉などを検知するセンサーを設置し、花粉の侵入経路に加え、室内外の花粉量や温湿度、住民の行動の違いによる花粉の侵入量の変化を把握します。
- また、設置した各種センサーと連動するエアコンや換気機器、空気清浄機で構成した空調・換気システムを構築し、住民からのフィードバックも活用しながら、花粉の侵入を抑え、室内の花粉をより除去できる空調・換気システム運用方法を探ります。
「パーソナライズされた機能的空間」を生み出す空気、映像、音、香りの統合制御システム
- 温度や湿度、映像や音、香りなどの多感覚要素を連動させてコントロールすることで、世界各地の空気が再現された空間や、リラックス効果や創造性の向上を促す空間など、従来の空調の枠を超えた新しい空間体験を創出する統合制御システムの構築に取り組みます。
- 集中したいときは涼しく静かな高原のような空間を、くつろぎたいときは南国の陽気と香りに包まれたような空間を創るなど、人の感情や行動に応じた空間体験の創出をめざします。
- 具体的には、空間に滞在する人の主観的な気分に加えて、客観的なバイタルデータもセンシングし、温度や湿度、映像や音、香りなどを連動させてコントロールする環境再現技術も活用しながら多感覚を刺激する空間を生み出し、住民からのフィードバックも活用しながら、その有効性を検証します。
【花粉レス空間 実証イメージ】
【パーソナライズされた機能的空間 実証イメージ】