ダイキン工業株式会社

冷媒の環境課題に対するダイキンの方針

空気を冷やしたり暖めたりするエアコンに使われている冷媒、近年この冷媒として使われるフロンガスがオゾン層破壊や地球温暖化といった環境問題を引き起こす一因となると指摘されています。

冷媒を選定するには、様々な観点からの総合的な評価が必要です。冷媒による環境影響(オゾン層破壊影響(ODP)や総合的な温暖化影響)はもちろんのこと、経済性、エネルギー効率、安全性などあらゆる角度から検討しなければなりません。

現在のところ、すべての冷凍空調機器に対応できる唯一の理想的な冷媒は存在しません。そのため、機器ごとに総合的な評価を実施し適材適所の冷媒を選定することが大切です。

The Sooner, the Better
冷媒の環境影響の低減

オゾン層破壊と地球温暖化

1987年に採択された「モントリオール議定書」では、オゾン層を破壊するおそれのある物質を特定し、その生産・消費・貿易を規制しています。それまでエアコンの冷媒に使われてきたCFCが特定フロンに指定され、既に先進国では1995年末で生産が全廃されています。

その後、CFCの代替として、オゾン層への影響が少ないHCFCが使用されるようになりましたが、HCFCも「モントリオール議定書」の規制対象となりました。新規機器への使用については先進国で2020年、新興国で2030年までに全廃されることが、またサービス用途での使用においては先進国で2030年、新興国で2040年までに全廃することが決まっています。

HCFCに代わる冷媒として、先進国ではオゾン層を破壊しないHFCへの切り替えが進められてきましたが、近年ではHFCの地球温暖化影響が問題となり、「モントリオール議定書」の枠組みの中で、HFC削減についても議論されていくことが2015年11月に決定されました。

さらに、2015年12月にCOP21で採択されたパリ協定(気候変動枠組み条約の2020年以降の法的枠組み)でも、気温上昇をこれまでの2.0度よりも更に低い1.5度未満に抑えることを数値目標として言及し、各国の積極的な取組みを喚起しています。

注記 * 新興国とは、モントリオール議定書の第5条で規定されている国(議定書発効当初に非5条国であったが後に変更された国は含まない)を指しており、上記以外の国を先進国と表現しています。

HCFC消費量の段階的削減

エアコンの普及と地球温暖化影響 

新興国では、著しい経済発展にともないエアコンの普及は急激に進み、冷媒の使用量も増加傾向が続くと予測されます。

新興国では、オゾン層破壊物質であるHCFC-22(以下、R-22)をエアコンに使用していますが、HCFCは2013年から段階的な全廃が始まっており、いままさに新たな冷媒への転換が求められています。

もし新興国において、従来の冷媒に比べてエネルギー効率やGWPが低い冷媒を選択された場合には、CO2排出が増大しオゾン層破壊係数がゼロであったとしても、地球温暖化影響は増加することになります。さらに転換が遅れれば遅れるほど、環境影響は深刻化します。そのため、ダイキンは今すぐに冷媒転換に向けた活動を実施することが大切であると考えています。

CO2排出量(GWP加重平均)

注記

1. 地球温暖化抑制のためには、大気中のCO2濃度は440〜550ppm以下である必要があります。 (各政策の目標により異なる)

2. 赤線は、機器毎に適材適所の冷媒を使用した場合のCO2削減効果(GWP加重平均)の期待値を示しており、ダイキン工業株式会社が追加したものです。

出典:“The Large Contribution of Projected HFC Emissions to Future Climate Forcing” Guus J.M. Velders et. al.著

冷凍空調機器におけるHFC使用量の増加(BAUシナリオ)と新興国における影響

出典:“Projections of Global Emissions of Fluorinated Greenhouse Gases in 2050”Okoe Recherche著