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デザインで社内モチベーションをあげていく。

プロトタイプがもたらす未来のプロダクト

写真左から中川、村井

これからの時代を先行する製品デザインとは

DAIKIN design 村井雄一(村井):
我々が所属する先端デザイングループは十数名のメンバーから成り立っています。それぞれが「ルームエアコン」や「空気洗浄機」といった製品の担当デザイナーとして日々仕事をしています。ただ、我々2人はこれといった特定の製品を担当せず「今、世の中に無いモノ」つまり、これからの時代を先行する製品のデザインを行っています。

DAIKIN design 中川(中川):
基本的にはTIC(ダイキンテクノロジー・イノベーションセンター/ダイキン工業のテクノロジーのR&Dセンター)の技術を使ってできる「新しい事」を日々生み出していっています。開発チームは日々新しい技術を開発しています。そのチームから「こんな技術があるんだけど」という話を受けて、そこに自由にアイデアを足して形にしていく感じです。

村井:
例えば空気砲は空気の塊を運ぶ事ができる技術ですが、その技術を応用して何か製品ができないかという所から、中川くんがデザインしたのがコレですね。実はアロマディフューザーです。これは人に向けてアロマの良い香りのする空気を発射してくれます。ただ発射するだけでなく、人の方向を検知して動きに合わせて「ぽんっ」と空気が出ます。

中川:
最初は「空気砲の技術とアロマを組み合わせて何か作れないか」という相談が来ました。そこに「人を追尾する機能を追加する事によって実現するシーンをデザインして提示したんです。それを開発チームが受けてくれて、デザインチームと開発チームで双方にコミュニケーションをとりながら形にしていきました。

村井:
さらに言えば、我々としては空気砲という技術をもっといろいろなシーンに展開できないかと提案もしています。「空気で起こす目覚まし」だったり、赤ちゃんの寝付きをトントンと優しくサポートするバウンサーだったり。

普段の生活から新たなアイデアを産み出す

村井:
普段の生活から「こんなのがあったらいいのになあ」とかは考えていますね。だから、あまりにも突拍子もない観点からは言わないですね(笑)
常にニュートラルであるというか、みんなが「そうだよね」って共感できる所を素直に考えています。
普段通りの中に、意外と表現しきれていない事ってたくさんあると思っています。

中川:
生活の在り方を少し変えるだけで人の生活ってもっと素敵になると思っています。僕らにはそのアイデアがある。それを「どの技術の組み合わせで実現しようか」って考えていますね。例えばテラスみたいな「半分室内・半分屋内」みたいな所でお酒を飲んでゆっくりするのが流行ったじゃないですか。その時に「こういう場所って空調が無いな」から始まり、色々考える中でふと「そういえば小型圧縮機の技術が使えるかもしれない」と思って。それで作ったのがこの「ポータブルエアコン」です。

中川:
これは普通のものづくりとか考えると無茶というか。とてもじゃないけど相当難易度高い形なんですけど、使用される環境に調和するように脱家電を目指して斜めのデザインを取り入れたんです。後で開発担当者に怒られることを覚悟してつくった突飛なデザインになっています。

村井:
通常の開発では斜めのデザインはやらないですね。金型難しすぎて。(笑)

中川:
ただ、やっぱり良いデザインだと技術チームも設計の方も「これ良いね!どうやって作ろうか!」と前のめりになってくれます。中途半端なデザインだと、やっぱり工数が優先されてしまいますから、そこは勝負所ですかね。

村井:
デザインは開発メンバーも、ひいては営業メンバーも、ぱっと見て「いいね!」という気持ちを湧かせる事が重要だと思います。そのきっかけを作れるのが「良いデザイン」。そうでなければ技術の発展も加速していかないし、我々は特にそういう事をしていかなければならないチームだと思っています。

経験と意欲が創り出す未来のプロダクト

村井:
今はとにかく文字だけのコンセプト案を様々な部門の人がイメージを共有しやすいようにデザインし、描き出しています。ベビーカーに乗せる空調や、新しいタイプのリモコンなどアイデアはたくさんあるので。依頼を受けて書くデザイン画がほとんどですが、中には依頼されていないのに、勝手に描いて提案しているものもあります。でも、このデザイン画を見せる事で皆が盛り上がる、その活動が盛り上がるというところに重きを置いているので、難しいですけどとにかくたくさん描いて提案しています。
今後も今までの空調メーカーというレベルではなくて、もっと幅広く、触った瞬間にダイキンを感じてもらえるようなデザインづくりをしていきたいと思っています。

中川:
周りのメンバーのモチベーションが上がらないと話が進んでいかないですから、やっぱりデザインで理想像・将来像を見せていく事が大事。それで皆が「良いね」となれば一緒の方向に頑張って走っていけるわけですから。「皆が共感できる理想像」を生み出し続けるのが僕たちの仕事なのかなと思います。

展示会に出展することで感じる発見とは

村井:
10月に開催されるCEATECという展示会にダイキンとしてはじめて参加します。今回、我々もIoTと空調を絡め、単なる空調だけでなくひとつの空間に対してどんな価値が生み出せるのかという提案を出していきます。弊社のさまざまなメンバーが絡んでいるので、それぞれの想いを汲み取っていく役割を担っています。

中川:
これからのダイキンは今までの普通の家電じゃない、新しい一つ上のレベルのものをつくろうとしている姿勢をデザインで見せていければと考えています。ものづくりする僕らのまわりの人たちのモチベーションを上げることはもちろん、ダイキンが将来こういうものつくっていくブランドになるということを、CEATECに限らず外部の方に見せることが大切なミッションのひとつだと思っています。

プロフィール写真: 村井 雄一
村井 雄一 ダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベーションセンター UXデザイン担当
ダイキン工業株式会社入社後、商品企画から海外マーケティング、プロダクトデザイン、空間デザインまで幅広く携わる。2003年、2004年、2006年にグッドデザイン賞受賞。新しいデザインにチャレンジしているモノ、その表現方法に常にアンテナを張り、空気の見える化とともに、デザインを体感できるUXの創出に力を注いでいる。
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