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ノーベル賞を受賞した技術「金属有機構造体(MOF)」を活用した冷媒分離・再生技術の開発について
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2025.10.30

概要

■受賞の内容について

この度、京都大学の理事・副学長で高等研究院特別教授の北川 進特別教授が、

微細な孔にガス分子を取り込むことができる多孔性配位高分子(PCP/MOF)の創出と応用の先駆的研究により、2025年のノーベル化学賞を受賞されました。

大気中の汚染ガスの除去、ガス輸送の低コスト低エネルギー化など、環境、エネルギー、医療を含む多方面に大きな影響をもたらす、画期的な発見です。


■ダイキン工業 テクノロジー・イノベーションセンター(TIC)との関わり

2015年から京都大学 北川研の樋口特定拠点准教授とMOFによるフッ素ガスの吸着、水やCO2の吸着について研究を行なってきました。

2020年から北川研究室発のベンチャー企業であるAtomis社との協業を開始し、

本格的に冷媒再生時の微量不純物除去への適用検討を行い、MOFの設計、プラントへの適用を検討し、技術確立の完了・特許の出願(3件)を行いました。(※1,2

本技術は2023年に欧州ダイキン化学の冷媒再生事業にて実用化しています。

実用化されているDaikin Refrigerants Frankfurt GmbH

また、株式会社Atomisへは2023年から出資しており(※3)、現在、冷媒再生事業への更なる適用に向けTICにて継続して技術検討を実施しています。


■本プロジェクトを推進しているTIC 小松信之主任技師・賀川みちる主任技師、より本受賞に関して、また、今後の展望について一言

小松主技より一言:
北川先生のノーベル賞受賞を心よりお祝い申し上げます。これからもTICでは産産、産学の協創を通じて様々な技術課題に取り組んでまいります。

賀川主技より一言:
北川先生のこの度の受賞を心から嬉しく思います。PCP/MOFは魅力あふれる革新的な材料ですPCP/MOFの用途展開や、様々な材料に興味をもって新たなテーマに挑戦していきたいです。


※記載内容は掲載当時のものです。

※1.企業情報
会社名:株式会社 Atomis
代表者:代表取締役 CEO 浅利 大介
所在地:兵庫県神戸市中央区港島南町7丁目4番9
設立:2015 年 2 月
URL:企業情報

※2. 分離困難な使用済み冷媒の再生にいかにして成功したか~金属有機構造体の採用~

※3. Atomisへ出資し、冷媒再生を通じカーボンニュートラルへ貢献

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