ページの本文へ

 
  1. トップ
  2. DAIKIN design
  3. Touch Point
  4. 2025年の空調機器を考える

2025年の空調機器を考える

—京都造形芸術大学×ダイキン 企業コラボレーションプログラム—

京都造形芸術大学の学生のみなさんと、ダイキンのデザイングループがコラボし、次世代の空調機器を考えるコラボレーションを行いました。

京都造形芸術大学とダイキン工業のコラボによる授業「企業コラボレーションプログラム」のテーマは、「次世代(2025年を想定)に於ける生活空間と空調機器の新たな在りかたを探求し提案する」。ダイキン工業のデザイングループが講師となり、京都造形芸術大学プロダクトデザイン学科の学生と共に空調機器の未来について考えた2ヶ月間は、社会人と学生の垣根を超え、お互いにとって刺激的な時間となった。
プロジェクトが始まった経緯について、責任者を務めたデザイングループリーダーの関康一郎はこう語る。

「大阪府産業デザインセンターのマッチングにより京都造形芸術大学様をご紹介いただき、学生のみなさんの『社会実装体験』として、企業とのコラボレーションを重要視しておられることをうかがいました。私たちにとっても、これからのデザイン業界を盛り上げる存在である学生を支援したいという気持ちがありましたし、若い方々の感性に触れることで、凝り固まってしまいがちな思考をリフレッシュできる機会になると思い、喜んでお引き受けした次第です」
今回の授業では、課題設定についてのオリエンテーションのあと、16人の学生を4人ずつ4つのチームに分け、グループ内でのディスカッションによって互いのアイデアを磨き合いながら、それぞれのプランを練り上げてもらった。
「学生のみなさんは、良い意味で『やりたいこと』が湧きあがってくる傾向があります。
今回のプログラムは、なぜ自分はそれをやりたいのか、しっかりと意味を説明できるようにコンセプトワークを重視しました。そこでコンセプトワークまではグループワークとして、深い考察ができるように配慮しました。実際の企業のデザイン業務では、デザイナーは1人ではなくチームワークになります。そういう意味でもリアルな社会体験をしてほしかったのです。私たちは日頃から生活空間の中でダイキンが提案できるプロダクトを考え続けているわけですが、学生の新鮮な視点で考え、提案してくれることがとても楽しみでしたね」

コラボレーションの最終日である11 月16 日には、TIC において、学生が1人ずつモックとスライド資料を使いながら、デザインチームを前にプレゼンテーションを行った。2025年の社会ではどのような変化が起きているかを想定し、住宅、介護施設、オフィス、公共空間など、さまざまな場所やシチュエーションにおける空調機器のアイデアを解説していく。
その発想の豊かな広がりと斬新な視点は、デザインチームのメンバーも驚くほどだった。

2ヶ月にわたり、学生の指導に直接当たったデザイングループの村井雄一は、コラボレーションを通して学生たちの成長を目の当たりにした。
「今の学生のみなさんはイラストなどのアウトプットの質がとても高いと思いました。
情報収集力やアドバイスに対する吸収力、対応力、反応が早く、そうなるとやはり完成度が上がりますよね」
こうした学生とのやり取りの中で、デザイナーにとってクリエティビティを養うための環境の大切にも気づかされたという。

「デザイナーにとって、自分の発想に対して、多くの意見を聞け、またチャレンジできることは、自分の知識のプラスになるし、スキルUPにつながることだと思います。
今回、グループワークで、お互いのアイデアに対し、意見交換することで3Cの観点も織り交ぜ、何故その形なのか、課題が何であったか、を様々な視点で展開できたのは、当初、各個人で考えていたアイデアイメージと最終アウトプットの姿、質の差で感じてもらえたのではないかな、と思います。そんなスキルUPできる環境を自ら創っていくことは、私たちも学生の皆さんも今後とも必要なことなんだと改めて感じました」

また、アイデアを練り上げるプロセスでの、ものごとの捉え方の重要性も再認識した。
「アイデアをたくさん考える、描くためには、インプット情報や視点をどれだけ変えられるかが必要となると思います。学生のみなさんのプレゼンをお聞きしていると、素直な見方に感銘すると同時に、『こんな現象があるけど、本当にそうなのかな?』と疑って、また違った視点で展開すると、さらに面白いものになるんじゃないかと思えるアイデアもあり、もっといろいろと考えてみたい、クロージングにするにはもったいない、といった衝動も沸きました」

年齢や立場は異なるものの、より良いプロダクトデザインを志すという点では同じ。
学生によるプレゼンは、ダイキンのデザイングループにどのような刺激を与えたのだろうか。
「日々の仕事の中で忙殺され、創るべき商品像をタイムリーに提案できないことも多い。学生のみなさんの素直な発想と表現に、アイデア提案が持つ斬新さとドライブを蜂起させる熱を改めて強く感じました。アドバイスを活動をとおしてさせていただきましたが、逆に、この発想のいいところを潰していないか、との不安もあったくらいです。リアルな社会体験をしていただくこともひとつの目的として取り組みをさせていただきましたコラボレーションでしたが、学生のみなさんから見たダイキンのあるべき商品像のリアルなイメージを見せていただけたことに、返ってメンバー一同、刺激をいただきました。深く感謝いたします。ありがとうございました。」

ページの先頭へ