じつは、エアコンは、部屋の空気から「熱」だけを部屋の外に追い出しているんだよ。エアコンをつけると、部屋の空気から「熱」がどんどんなくなっていくから、すずしくなるんだ。
空気の熱?
空気の中には、熱がふくまれているんだ。空気の中にふくまれる熱が多いと部屋はあつくなる。ぎゃくに、空気の中の熱が少ないと部屋はすずしくなるんだ。
あつい・すずしいは空気の中の熱の多さで決まるのかー
だから、部屋の中の空気から熱を追い出すと、部屋の中をすずしくすることができるんだよ。
なるほどー
じゃあ、エアコンは、どうやって「熱」を部屋の外に追い出していると思う?
どうやってるのー?
エアコンは、部屋の中にある室内機(しつないき)と、部屋の外にある室外機(しつがいき)の2つで1セットになっている。この2つがそろって、1台のエアコンなんだ。
室外機(しつがいき)もセットで「エアコン」だったんだー
そして、室内機(しつないき)と室外機(しつがいき)は、パイプでひとつにつながっているんだ。このパイプで、部屋の中の熱を部屋の外に運んでいるんだ。
部屋の熱はパイプを通ってすてられるー
室内機(しつないき)と室外機(しつがいき)をつなぐパイプの中には、「冷媒(れいばい)」という物質(ぶっしつ)がかけめぐっている。この「冷媒(れいばい)」に、部屋の空気の熱だけを乗せて、部屋の外に運び出しているんだよ。
冷媒(れいばい)は、熱の運び屋さんなんだね
それから、室内機(しつないき)にも、室外機(しつがいき)にも、それぞれ「熱交換器(ねつこうかんき)」という部品が入っているんだよ。
熱交換器(ねつこうかんき)?
冷媒(れいばい)が通るパイプを線路とすると「熱交換器(ねつこうかんき)」は、熱が乗ったりおりたりする、駅のようなものなんだ。
熱交換器(ねつこうかんき)で熱が乗ったりおりたり…
じゃあ、部屋がすずしくなるまでのながれをくわしく見てみよう。
まず、室内機(しつないき)の「熱交換器(ねつこうかんき)」で部屋のあつい空気の「熱」だけが「冷媒(れいばい)」に乗る。
熱と空気はここでお別れなんだね
熱がなくなって冷たくなった空気は、部屋にはき出される。
熱がなくなって空気が冷たくなったんだね
つぎに、「熱」を乗せた「冷媒(れいばい)」は、パイプを通って、部屋の外にある室外機(しつがいき)に移動する。
そして、室外機(しつがいき)の「熱交換器(ねつこうかんき)」で熱がおりていくんだ。
熱交換器(ねつこうかんき)でおりた熱が室外機(しつがいき)から出てるんだね
「熱」をおろした冷媒は、また「熱」を乗せるために、パイプを通って部屋の中に戻ってくるんだよ。
はたらきものだなー
こうやって、「熱」を乗せたり、おろしたりしながら、冷媒(れいばい)はパイプの中をぐるぐる、ぐるぐる動きまわって、部屋の中の熱をどんどん外に運び出す。だから、部屋の中の空気はどんどんすずしくなっていくんだよ。
冷媒(れいばい)がパイプを通って熱をどんどん運び出すんだー
では、ここで問題。
冷媒(れいばい)は、どうやって「熱」を乗せたりおろしたりしているんだろう?
どうやってるのー?
「熱」には、多いところから少ないところに移動するという性質があるんだ。冷媒(れいばい)が熱を乗せたりおろしたりできるのは、この性質を利用しているからなんだ。
熱って移動するの?
イメージしてみよう。氷にさわると、ひんやりして、手が冷たくなるよね。
手が冷たくなっちゃった
このとき、熱がたくさんある手のひらから、熱が少ない氷へと、熱が移動してしまったから、手のひらは、ひんやり冷たく感じるんだよ。
熱は多いところから少ないところへ移動したんだね
冷媒(れいばい)は、室内機をとおる時、氷のように冷たくなっている。室内機(しつないき)の熱交換器(ねつこうかんき)では、「あつい空気」(熱が多い方)から、「冷たい冷媒(れいばい)」(熱が少ない方)へと熱が移動するんだ。
室内機(しつないき)では冷媒(れいばい)は熱を乗せるんだね
室外機(しつがいき)では、はんたいに、冷媒(れいばい)から空気へ、熱が移動する。室外機(しつがいき)にやってきた冷媒(れいばい)は、圧力をかけられて部屋の外の空気より、もっとあつくなるので、「あつい冷媒(れいばい)」(熱が多い方)から、部屋の外(熱が少ない方)に、熱が移動するんだ。
室外機(しつがいき)では冷媒(れいばい)は熱をおろすんだね
なるほど!
夏の暑い日でも、エアコンをつけると、すぐに部屋がすずしくなるよね。
それはなぜだろう?
エアコンの中に「よく冷えた空気」が入っていてそれをはき出しているからって思ってない?
え!ちがうの?