ニュースリリース
化学プラントのDXによる、点検業務の効率化、安定操業を支援
ダイキン工業株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長 兼 CEO 十河 政則、以下ダイキン)と株式会社SIRC(本社:大阪市、代表取締役CEO 高橋 真理子、以下SIRC)は、化学プラント等で火災・爆発の危険性がある「防爆」エリアに設置されている計器類のIoT化を実現し、点検業務の効率化、安定操業の実現を図る「防爆対応IoT角度センサユニット」を両社の協業により開発・実用化しました。この製品は化学業界を中心に広く活用可能なものであり、2024年3月より、SIRCから社外に向けて同製品の販売を開始しました。
化学業界では、人口減少や少子高齢化による労働力不足等の社会問題を背景として、DX等の導入による省力・省人化、管理の効率化が必要となっています。特に、「点検作業」に多くの工数を要する化学プラントでは、計器類のIoT化による効率の向上が喫緊の課題です。
一方で、化学プラントでは可燃性のガスや液体等を取り扱っている場合があり、当該エリアでは、電子機器類から生じる火花等によって火災や爆発が発生することを防止する「防爆」認定を受けた計器やセンサ類を使用する必要があります。そのため、「防爆」用の特別な工事が必要で、計器やセンサの設置コストが通常より高額になるという課題がありました。
ダイキンも化学事業において同様の課題を抱えており、解決策を求めて、独自のIoTセンサとソリューション導入の実績を持つSIRCとの協業を開始しました。両社は2022年の資本業務提携によって取り組みを加速し、ダイキン淀川製作所(大阪府摂津市)の化学プラント内で、SIRCが開発した「防爆対応IoT角度センサユニット」の検証作業を進めてきました。今回、実用化が完了した本センサは、防爆エリア内で使用可能な安全構造を有しています。既設の機械式アナログメーター等へ後付け設置することで、計器の針の角度をセンサが読み取り、IoT技術を用いてPLC(制御機器)や汎用的なPIMS(プラント情報システム)へ数値の自動送信と蓄積が可能です。
これまでに淀川製作所の化学プラント内の約320カ所にSIRC製センサを導入し、年間4,000時間以上の点検に関連する業務の効率化を実証しました。また、リアルタイムに計測データを取得できるようになったことで、プラントの異常停止等のトラブルを未然に防止し、安定操業にも貢献しています。さらに、蓄積したデータによるプラント運転の改善も期待されます。
ダイキンは、今後、国内の他工場にもSIRCのIoTセンサの導入を進めていく予定です。またSIRCは、今回の協業で開発・実用化したセンサを、防爆対応の通信機器も含めたソリューションとして国内外の市場への展開し、世界の化学産業のDXを通じた人手不足への対応、プラントの点検作業の効率化、安定操業への貢献をめざします。
機器名 | 防爆対応IoT角度センサユニット |
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仕様 | 本質安全防爆構造 |
ラインナップ | センサユニット PAK15 75φ/ PAK25 100φ 通信ユニット PAK05 |
測定間隔・通信間隔 | 10秒/1秒 |
精度目安 | ±2% of F.S. |
通信仕様 | Bluetooth 見通し距離約100m |
電池寿命 | 約5年(常温20℃、10秒通信時) 専用塩化チオニルリチウム電池 |
会社名 | ダイキン工業株式会社 (英文表記:DAIKIN INDUSTRIES, LTD.) |
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所在地 | 大阪市北区梅田1-13-1 大阪梅田ツインタワーズ・サウス |
代表者 | 代表取締役社長 兼 CEO 十河 政則 |
事業内容 | 空調・冷凍機、化学、油機、特機、電子システム |
設立 | 1934年2月 |
ウェブサイト | https://www.daikin.co.jp/ |
会社名 | 株式会社SIRC (英文表記:SIRC Co.,Ltd.) |
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所在地 | 大阪市中央区久太郎町2-5-31 本町寺田ビルディング901号 |
代表者 | 代表取締役CEO 高橋 真理子 |
事業内容 | SIRCデバイスを活用した製品開発および販売、省エネルギーソリューションの提供、乗算デバイスを活用した研究開発事業 |
設立 | 2015年2月 |
ウェブサイト | https://sirc.co.jp/ |