ダイキン工業株式会社の豪州・ニュージーランド向け『床置形ハウジングエアコン』と遠赤外線暖房機『ハイブリッドセラムヒート』の2製品が、「2023年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。
グッドデザイン賞は、1957年に創設された日本で唯一の総合的デザイン評価・推奨の仕組みで、国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞です。デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくすることを目的に、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、さまざまなものごとのデザインの質を評価・顕彰するものです。2023年度は5,447件の審査対象の中から、国内外のデザイナーや建築家、専門家などの審査委員により、1,548件の「グッドデザイン賞」が選ばれました。
ダイキンは「空気で答えを出す会社」として、見た目の美しさに加えて、空気・空間で人々の暮らしを豊かにすることを使命と捉えて製品をデザインしています。新たな価値創出をめざし、デザインを通じて空気の可能性を広げていきます。
受賞製品の詳細や当社のデザイン活動については、WEBサイト「DAIKIN design」をご覧ください。(https://www.daikin.co.jp/design/)
地域の暖房文化に溶け込み、環境にも配慮した床置形エアコンです。一年の半分以上で暖房を利用する豪州南部やニュージーランドでは、体を芯から暖める暖炉や温水ラジエーターなどが主流ですが、環境意識の高まりからヒートポンプ暖房への置き換えが進んでいます。本製品は、ダイキン独自の2方向吹き構造により、現地のお客様が好む暖炉のような温もりを届ける機能や、足元だけを暖めたいときに床面から素早く暖める機能を搭載しています。前面パネルのスリット加工は、温水ラジエーターのような現地の暮らしに馴染みがあるデザインを取り入れています。また、室内機は、居室空間に圧迫感を与えない壁埋め設置が可能です。将来的には、本製品 を日本や北米へも展開する予定です。
この豪州・ニュージーランド向け床置形ハウジングエアコンは、しっかりと現地のライフスタイルをデザインに反映させ開発に取り組んだ製品である。豪州南部の気候条件と温度調整という設計要項だけでなく、機器周辺に集まって暖を取るくつろぎ方や、足元だけを温めたいという現地の文化性や慣習に焦点を向けている。効率的な独自の2方向吹き出し構造を生かしながら、空間に圧迫感なく馴染むデザインとなった。こうした地道かつ真摯にユーザーと向き合う開発姿勢を評価した。
・受賞製品紹介ページhttps://www.g-mark.org/gallery/winners/17394
暖炉の前でくつろいでいるような体験を提供する遠赤外線と温 風を組み合わせたハイブリッド暖房機です。前面パネルは、内部機構を隠すインテリア性と暖まりやすさを両立する構造を採用しています。また、機器の表面温度の上昇を抑えるパンチングパネル構造により安全性にも配慮しています。製品カラーや表面のシボ加工※1は、暖炉や鉄器から着想を得たもので、暖かみのあるデザインに仕上げています。
独自の風路と機構の設計により、これまでの遠赤外線式の暖房にはない、安全で安心な暖房体験を提供して いる。従来の電気暖房機器のような光による視覚的な暖かさはないが、ユースケースにおける安全性に配慮した結果によるもので、真摯なアプローチと言える。道具としての佇まいを感じさせる静的なデザインとCMF※2は、設置環境を選ぶことなく様々な空間に馴染み、愛着とともに永く使用されるであろう。天面の大きく象徴的なダイヤル式インターフェースがもたらす直感的な操作も好感が持てる。デザイナー自ら製品化に向け積極的に取り組んだ点も評価したい。
・受賞製品紹介ページhttps://www.g-mark.org/gallery/winners/17456
・製品プレスリリースページhttps://www.daikin.co.jp/press/2023/20230913
※1:金属の表面にシワ模様をつける微細加工のひとつ
※2:COLOR(色)、MATERIAL(素材)、FINISH(加工方法)、モノの表面を構成する3要素のこと