ダイキンエアコンディショニングインド社とダイキン工業株式会社は、インドで開催された「世界冷房技術賞(The Global Cooling Prize:http://globalcoolingprize.org/)」に株式会社日建設計とともに応募し、本日、最優秀賞を受賞しました。
「世界冷房技術賞」は、インド政府、Mission Innovation(世界24カ国と欧州委員会からなる国際的な環境イニシアチブ)およびRocky Mountain Institute(ロッキーマウンテン研究所、米国の環境NPO)が創設した、国際的なコンペティションです。現在使われている標準的なルームエアコンの環境影響を低減する空調技術の探索を目的としたものです。2018年に企業・団体等から新たな空調技術の募集を開始し、2019年11月15日にファイナリストとして8件の有力候補に絞り込まれました。その後、試作機による約2カ月間の性能検証を経て、日建設計のアドバイスのもと、ダイキンが開発・提案したシステムが最優秀賞として選出されました。
今回提案した空調システムは、一室に2台の室内機を設置し、適切な制御を行うことで快適性と省エネ性を同時に実現するものです。また、水の気化熱を利用することで、さらに省エネ性を高めるなど、様々な工夫を盛り込んでいます。冷媒は地球温暖化係数(GWP)が一桁のR1234ze(E)を使用するなど、既存の枠にとらわれない発想と、確固たる技術に裏打ちされた提案が評価され、最優秀賞の受賞に至りました。コンペティション事務局によると、この結果は11月に英国グラスゴーで開催される第26回気候変動枠組条約締結国会議(COP26)で改めて披露される予定とのことです。
当社は「環境ビジョン2050」を掲げ、2050年までにグループ全社としてカーボンニュートラルの実現をめざし、空調冷凍機器の消費電力と冷媒の環境影響を低減する、より良い技術を追求しています。このビジョンの中で当社は、冷媒選択に関する基本的な考え方として「冷媒の多様性」を掲げています。
当社はHFC-32(R32)が、安全性、省エネ性、経済性、環境性において、多くの機器にとって、最もバランスの取れた冷媒であると考えています。現在は、当社だけでなく他社も積極的にR32を使用した商品の開発・実用化をしており、普及が加速しています。またダイキンは、R32以外の様々な可能性も追求しており、環境負荷、安全性、省エネルギー性、費用対効果など多くの項目をバランスよく組み合わせ、用途に応じた最適な冷媒を選択できるよう、長年研究を重ねてきました。本コンペティションへの挑戦は、低GWP冷媒を使った環境負荷低減の可能性を探る技術開発の一環として取り組んだものです。
今回受賞した空調システムは、実用化に向けた課題はあるものの、技術的には高い評価を得られました。当社はこれからも空調のさらなる進化を追求し、空気と環境に関する課題の解決をめざします。
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