ダイキン工業株式会社は、このほど、インドネシア政府よりジャワ島での10年間の環境社会貢献活動に対する感謝状を受領しました。これは、インドネシアの首都ジャカルタの水源となる森林再生への貢献に加えて、貧困・教育問題など地域が抱える社会課題の解決に寄与したことが評価されたものです。
当社は2008年に、国際NGO コンサベーション・インターナショナル(以下、CI)と協業し、インドネシア・ジャワ島のグヌングデ・パングランゴ国立公園での森林保全活動をスタートしました。
この地域では、周辺住民が生計を立てるために木を伐採し、農地を開拓することが森林減少の要因になっており、またその背景には住民の貧困という課題がありました。森林を持続的に保全するためには、単なる植林だけでなく、地域住民の環境意識の向上や生活基盤の確立など、統合的な支援が不可欠です。そこで当社はCIとともに、植林に加えてアグロフォレストリー※を推進し、地域住民が伐採に頼らず生活できるような農業支援や、現地コミュニティーへの環境教育、違法伐採・密猟の取り締まり、そしてそのための合意形成やトレーニングなどを続けてきました。さらに、森林から村まで水を引き、その水で動く小型水力発電の施設を作りました。
この活動を始めてから10年を経た現在では、地域住民が主体となって森林保全活動を進めており、これまでに12万本が植林され、約300ヘクタールの森林が再生されました。
インドネシアで始まったこの森林保全活動をモデルケースに、当社は2014年から「“空気をはぐくむ森”プロジェクト」として、世界7カ所の地域に活動を広げています。インドネシアのほか、中国、カンボジア、インド、リベリア、ブラジルや、日本の知床半島でも森林保全を通じて地域特有の社会課題の解決に取り組んでいます。
これらの活動によって、2024年までに世界で約1,100万ヘクタールの森林を保全し、700万トン以上のCO2排出量を削減しながら、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献します。
当社は、グローバルで空調事業を展開しており、それぞれの地域のニーズに応えながら、より健康で快適な空気・空間を提供していきたいと考えています。森林保全活動は、建物の室内空間に留まらず、地球規模で人々が持続的に健康で快適な生活をするために当社に何ができるかを考え、始めたものです。森は、葉からの水蒸気で気温の上昇を押さえ、光合成や呼吸で大気を浄化する機能を持ち、まさに「地球のエアコン」と言えます。世界中の森を守り空気をはぐくむことを通じて、地球環境の保全や地域への貢献に繋げていきます。
今後も引き続き、エアコンの省エネルギー化や低温暖化冷媒など環境に配慮した商品やサービスを開発・普及させるとともに、森林保全活動でも温室効果ガス排出の抑制や社会課題の解決に取り組み、事業と社会貢献の両輪から地球環境に貢献していきます。
コンサベーション・インターナショナル・ジャパン代表理事 日比保史氏
ダイキンとのパートナーシップを通じて、森林回復の成功モデルを構築することができました。森林回復は、CO2の排出削減、そして地域の気候変動への適応にも効果を発揮しますが、人々の生活が根付いている地域での森林回復は決して簡単ではなく、10年間という期間にわたって一貫した戦略の中で取り組みを継続できたからこその成果です。
今後、このモデルが様々な地域に展開されることを期待しています。グローバル企業として「誰も置き去りにしない世界の実現」という国際社会共通の課題に取り組まれている、先進的なプロジェクトです。
パニュスハン村 ウジャン・サリン村長
遠くまで水汲みに行く必要がなくなり、学校に通える子どもたちが増え、衛生環境も改善されたことで、私たちは森のめぐみである「水」や「電気」がこんなにも生活を豊かにしてくれることを知りました。この支援は住民が自分たちの手で森を守り、次世代につなげていくことが大切だと理解するきっかけとなりました。
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