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ニュースリリース

2017年11月8日

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ストリーマ技術により実証
花粉症を悪化させるPM2.5と排気ガスの混合物のアジュバンド効果※1を抑制※2

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ダイキン工業株式会社は、当社独自のストリーマ技術が、花粉症を悪化させるPM2.5と排気ガス(ディーゼル排気粒子/以下、排ガス)の混合物によるアレルギーを悪化させる効果(以下、アジュバンド効果と呼ぶ)を抑制することを東北文化学園大学の白澤信行教授と共同で実証しました。すでにストリーマ技術がスギ花粉を分解し、花粉症を引き起こすアレルゲンを99.6%抑制することは実証※3されていますが、より生活空間に近い環境を想定したPM2.5と排ガスの混合物にも効果があることが明らかになりました。

年間を通じて様々な花粉が飛散する日本では、多くの国民が花粉症に悩まされています。さらに都市部では、花粉のアレルゲンとともにPM2.5や排ガスを一緒に摂取することで、花粉症の症状が悪化すると言われています。今回の実証結果により、PM2.5と排ガスの混合物にストリーマを照射することで、アジュバンド効果を抑制できることが認められました。ストリーマ技術が花粉症対策に有効であると推察されます。

当社は2000年より独自のストリーマ技術の開発に取り組み、これまでに花粉に関連する効果の実証を重ねてきました。近年大気中の汚染物質の増加に伴い、屋内の空気環境への関心はさらに高まっています。当社はストリーマ技術のさらなる可能性を探索するため、今後も様々な効果検証を実施してまいります。

実証結果

(1)試験方法
3グループのマウスに、(A群)アレルゲン、(B群)アレルゲン+PM2.5+排ガス、(C群)アレルゲン+ストリーマ照射後のPM2.5、排ガスをそれぞれ投与し、比較実験を行いました。2週間毎にマウスへの投与を続け、8週間後にマウスの血液中のIgE抗体※4濃度を測定しました。アレルゲンは花粉の代替として、免疫の実験に使われる代表的な物質である卵白アルブミンを使用しました。
(2)試験結果
A群に対してB群は、IgE抗体濃度が約2倍になりました。PM2.5と排ガスの混合物を同時に投与することで、花粉症等のアレルギー症状を引き起こす免疫反応の一種であるIgE抗体生成が増強され、IgE濃度が上昇したと推測されます。一方、ストリーマ照射を行ったC群はアレルゲンのみを投与したA群とほぼ同じIgE濃度を示しました。このことから、ストリーマ技術がPM2.5と排ガスの混合物のアジュバンド効果を抑制することが確認されました。これはストリーマがPM2.5と排ガスの混合物に含まれるナノ構造を消失させたためと推測されます。

白澤教授のコメント

花粉症の症状は花粉の表面にある物質がPM2.5や排ガスと結合することにより増強されます。今回の実験により、ストリーマ照射が、PM2.5と排ガスの混合物のアレルギーの増強効果を抑制することがわかりました。ストリーマ技術は花粉など様々なアレルゲンの分解ばかりでなく、アレルギーを悪化させる物質に対しても抑制効果が期待できると推測されます。

※1
アジュバンド物質が体内でアレルギーを引き起こす抗体の生成を促進させ、アレルギー症状を悪化させることをアジュバンド効果と呼ぶ。
※2
試験用ストリーマ装置による実証結果です。実機・実使用空間によるものではありません。
※3
2004年に和歌山県立医科大学にて実証。
※4
体内でアレルゲンによる反応が起こると、そのアレルゲンにだけ結合できるIgE抗体が産生され、再び進入したアレルゲンがIgE抗体と反応すると様々なアレルギー症状を引き起こす。健常者には極めて微量しか検出されないことから、一般的に免疫の検査に活用される。

ご参考 スギ花粉のアレルゲン分解に関する実験(2004年 和歌山県立医科大学と共同で実証)

アレルゲン分解に関する実験
(1)試験方法
スギ花粉より抽出したアレルゲン(Cry j-1※5)にストリーマを照射しました。照射後のアレルゲンの活性をサンドイッチELISA法※6で測定しました。
(2)試験結果
スギ花粉のアレルゲン活性は、ストリーマ照射2時間で検出限界まで低下し、分解率は99.6%以上となりました。
※5
花粉の外皮に付着しているアレルゲン
※6
試料中に含まれる抗原の活性を抗原抗体法を用いて発色で検出する方法。

ストリーマ技術について

ストリーマ技術

ストリーマ放電

ストリーマ技術は、2004年に当社が開発したストリーマ放電により有害物質を酸化分解する技術です。プラズマ放電の一種であるストリーマ放電は、これまで困難とされていた「高速電子」を安定的に発生させることに成功した画期的な空気浄化技術で、酸化分解力の高い「高速電子」を3次元的・広範囲に発生させるため、一般的 なプラズマ放電(グロー放電)と比べて、酸化分解力が1,000倍以上になります。また、空気成分と合体した「高速電子」は強い酸化分解力をもつため、ニオイや菌類・室内汚染物質のホルムアルデヒド等に対しても持続的な除去効果があります。
当社はこれまでにも、強毒性インフルエンザウイルス(H5N1)や弱毒性インフルエンザウイルス(H1N1)、ノロウイルス、食中毒の原因となる毒素や細菌といった有害物質に対して、大学及び公的研究機関と共同で効果実証してきました。

ウェブサイト『ストリーマ研究所』

ストリーマ技術の様々な効果検証をもとにしたウェブサイト『ストリーマ研究所』を開設し、ストリーマ技術が空気に関する困り事に効果を発揮するメカニズムを分かりやすく紹介します。
URL: http://www.daikin-streamer.com/kafun/

報道機関からのお問い合わせ先

ダイキン工業株式会社 コーポレートコミュニケーション室

本社
〒530-0001 大阪市北区梅田一丁目13番1号(大阪梅田ツインタワーズ・サウス)
TEL (06)6147-9923(ダイヤルイン)
東京支社
〒104-0028 東京都中央区八重洲二丁目2番1号(東京ミッドタウン八重洲 八重洲セントラルタワー)
TEL (03)3520-3100(ダイヤルイン)
E-mail
prg@daikin.co.jp

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