ダイキン工業株式会社はこのたび、低温暖化冷媒HFC-32(R32)を採用したエアコンのグローバル累計販売台数1,000万台を達成しました。
当社は環境貢献と事業の両立をめざして、環境に配慮した商品の開発に取り組んできました。近年、世界では地球温暖化への対応として、環境負荷の少ない冷媒への転換が急がれています。そこで当社は、オゾン層保護および温暖化影響や省エネ性、安全性などを総合的に判断した結果、ルームエアコンや業務用エアコンにはHFC-32が現時点において最もバランスの取れた冷媒だと考え、2012年11月に世界で初めて、HFC-32を採用したルームエアコンを発売しました。以来、約4年半で販売台数1,000万台を達成することができました。
当社は、日本国内にとどまらずHFC-32空調機を世界で普及させ、より多くの国で温暖化影響の少ない冷媒への転換を加速すべく、発売当初からHFC-32冷媒を用いた空調機に関する延べ93件の特許を新興国に無償開放し、さらに2015年には先進国も含む全世界へ無償開放しました。また、タイやインドなどの新興国では、政府や国際機関と連携して、HFC-32空調機の据付やメンテナンスの教育など現地の人々がHFC-32を適切に扱えるよう技術支援を行いました。流通開拓や販売活動だけでなく、HFC-32空調機が普及できるような環境を整備してきた結果、着実に世界で販売台数は増え続けています。
現在日本では、既に全メーカーがHFC-32空調機を販売し、業界標準となっています。また、タイ、インドは日本に次いでHFC-32空調機の販売台数が多い国となっており、今後も世界の温室効果ガス削減において大きな効果が見込まれています。
他社も含めると、2017年3月末時点で約2,700万台以上のHFC-32空調機が世界で販売されたと推測しており、HFC-32空調機のCO2排出抑制効果は約4,700万トン※1になると試算しています。
当社はこれまで地球環境問題への対応について“The Sooner, The Better, for the Future(未来のために今できることはすぐ行動することが大切)”という方針のもと、取り組んできました。今後も、冷媒と空調の両方を取り扱うメーカーとして、より環境影響の低い冷媒の探究・開発と空調機器の開発に励みながら、低温暖化冷媒の普及を着実に進めていくことで、地球温暖化抑制に貢献していきます。
2011年9月 | HFC-32冷媒を用いた空調機の製造・販売に関する特許を、新興国へ無償開放 |
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2012年6月 ~2014年3月 |
インドでHFC-32インバータエアコンのCO2排出削減量効果の実証実験を実施 12都市で76回、約3,600名の技術者に、HFC-32空調機 の据付工事やメンテナンス方法の教育やインド国内の省エネ制度の設立を支援 |
2012年11月 | 世界初 HFC-32ルームエアコン「うるさら7」を発売 |
2013年3月 | インドでHFC-32ルームエアコンを発売 |
2013年11月 | 世界初 HFC-32業務用エアコン「FIVE STAR ZEAS」を発売 |
2013年11月 | 欧州で HFC-32ルームエアコンを発売 |
2014年1月 | オーストラリアで HFC-32ルームエアコンを発売 |
2014年4月 | タイで HFC-32ルームエアコンを発売 |
2015年4月 ~2017年3月 |
タイで経済産業省の国際協力方針のもと、冷媒転換プロジェクトに参画 タイの空調メーカー10社へ据付や修理トレーニングなどを実施し、10社すべてがHFC-32エアコンの製造・販売を開始 |
2015年9月 | HFC-32冷媒を用いた空調機の製造・販売に関する延べ93件の特許を、全世界へ無償開放 |
2015年10月 | 温室効果ガス排出量削減への取り組みが評価され、 米国政府より「環境貢献企業」に認定 |
2015年12月 | 冷媒の環境課題に対する方針をまとめた「冷媒ポリシーペーパー」を発行 |
2015年12月 | 「HFC-32空調機の普及による温室効果ガス削減」で 平成27年度 地球温暖化防止活動環境大臣表彰 |
2016年2月 | 現地政府の要請により、マレーシアでHFC-32への転換に向けた技術支援を実施 |
2017年3月 | 世界52の国・地域でHFC-32エアコンの累積販売台数1,000万台達成 |
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