第8回大会(1995年)からプロアマ大会参加者の浄財と両主催者の寄付金による「オーキッドバウンティ」を設立。沖縄県の芸術・文化・スポーツ・教育等の振興を目的として活動している個人・団体を対象に支援金を贈呈しています。
これまでの贈呈先はのべ277件、総額は1億8,150万円となりました。
(敬称略)
会長:下地 邦輝(しもじ くにき)
沖縄の水辺の自然環境保全と環境意識向上を目指して24年前に設立されたおきなわ環境クラブ。地域や学校・企業・行政機関・JICAなどと連携し、緑化活動や観察会など様々なイベントを展開している。近年では沖縄特有の一夜しか咲かない「サガリバナ」の活動が注目を集めており、那覇市の河川敷では千本以上を植樹。また、宮古島ではライトアップイベントを通じたエコツアーなどを開催し、地域の子どもたちと大人が共通の体験を通して自然と環境への理解を深める機会を提供している。
会長:大城 安弘(おおしろ やすひろ)
戦前の首里城周辺でかつて見られた、“蝶が舞い、虫の音が聞こえる城下町の復元”を目指して動物学者たちが中心となり2001年に設立。現在は250名ほどの会員と共に、地域の子供たちと蝶の観察会や、蝶の食草(しょくそう)の植樹活動を行い、緑化活動と環境教育などを行っている。
沖縄県に棲息する蝶の約80%は熱帯系の蝶で、それらを中心に「バタフライアイランド沖縄」をスローガンに掲げ取り組んでいる。
2024年のパリ五輪の種目になるブレイキンは、アクロバティックなダンスを競い合う近代スポーツ。沖縄県立読谷高等学校2年の津波古梨心氏は15歳で世界選手権4位入賞、昨年6月にカナダとスペインで開催された世界大会で2大会連続優勝するなど世界からも注目されている選手の一人。今年8月に開催されるパリ五輪への出場をかけ国際大会に挑む。
1980年、八重山諸島の一つである西表島に夫の石垣金星氏と共に紅露(くうる)工房を開設。「暮らしの中の布づくり」をコンセプトに、途絶えていた島の染織を掘り起こし、伝統衣装の復元に携わる。島でとれる素材を生かした作品づくりが特徴で、草木染めをした芭蕉・苧麻・絹などの異素材を組み合わせた八重山諸島で織られている織物“八重山交布(ぐんぼう)”の制作に力を入れている。
40年以上に渡って西表島の自然と調和し、循環する暮らしと仕事を体現し続けている。
幼少の頃より初代 宮城能造(みやぎ のうぞう)氏・宮城能里(みやぎ のうり)氏に師事。300年前の琉球王国時代に生まれた古典芸能でありユネスコ世界無形文化財リストにも登録されている「組踊(くみおどり)」の伝統を守りながら、新作の上演や鑑賞教室などを通じて若い世代への組踊の普及・継承に尽力してきた。沖縄県立芸術大学大学院在学中から新作組踊を発表するほか、国立劇場おきなわの記念公演に出演。およそ10年にわたり国立劇場おきなわの芸術監督をつとめ、2018年には舞台芸能などで貴重な実績を残した者や将来を期待される者を表彰する「第39回松尾芸能賞(舞踊部門新人賞)を受賞。
沖縄の観光と環境の問題に取り組む金城由希乃氏は2017年に「サンゴに優しい日焼け止め」を開発し、日本青年会議所主催JCI TOYP 2019で環境大臣奨励賞を受賞。2020年から海洋ゴミの問題解決のため、地域住民と観光客がごみ拾いを通じて、交流できるプロジェクト、「マナティ」をスタート。ゴミ拾いをしたい観光客が地元のマナティパートナー店舗に500円を渡し道具をレンタル。好きな場所でゴミ拾いし、後片付けはパートナー店舗に任せることでボランティアしたい側と受け入れたい側が容易につながることができ、持続可能な仕組みとして注目されている。これまで地元パートナーは県内外におよそ100カ所。1000人以上が参加している。
小浜島出身の演出家/脚本家/南島詩人の平田大一氏は現代版組踊「肝高の阿麻和利」の演出を手掛け、以来地域の伝承や偉人に光をあてた舞台を「現代版組踊シリーズ」として県内外17カ所に展開。2011年「沖縄県文化観光スポーツ部長」。2013年「(公財)沖縄県文化振興会」理事長に就任。2017年から「沖縄文化芸術振興アドバイザー」として地域活性化のモデルづくりのトップランナーとして挑戦を続けている。
校長:仲田 丘(なかだ つかさ)
「アメリカと日本の架け橋」をコンセプトに、アメリカ人と日本人の間に生まれた子どもが通うフリースクール。アメラジアンの子どもを持つ母親らが25年前に設立し現在4歳から15歳まで69人が通う。双方の文化を尊重する教育と、そのサポートを行っている。アメラジアンとしてのアイデンティティを育む場であるとともに、最近では英語を活かした仕事に携わる卒業生も多く、将来グローバルで活躍できる人材育成を目標に、さらなる学力向上を目指している。
代表:星野 人史(ほしの ひとし)
沖縄戦終結の前後に学齢期を迎え、混乱と貧困などの理由から、憲法にある「学ぶ権利」を保障されなかった人が主に通うフリースクール。学校生活の経験がない人、字が書けなくて悔しい思いをしてきた人などが、同じ学び舎のクラスメイトとして夜間に9教科を学び、学ぶ楽しさや自分を表現できる喜びを実感している。現在、最高齢92歳を含む9人が在籍。2004年4月に開設以降、99人が卒業している。
館長:普天間 朝佳(ふてんま ちょうけい)
1989年にひめゆり学徒隊の母校の同窓会によって設立され、生き残った生徒たちが中心となって運営してきた資料館。証言映像や当時の写真、壕の実物大模型などを通して、10代の生徒が体験した沖縄戦を伝えている。
当時の生徒たちが自らの手で展示をつくり、来館者に直接、戦争体験を伝える活動を30年近く続けてきた。資料館の職員が活動を引き継いだ現在は、国内外で展示会やワークショップなどの新たな取り組みを展開し、平和の尊さを訴え続けている。
代表:桑江 純子(くわえ じゅんこ)
1974年に発足した人形劇団かじまやぁは代表の桑江純子氏が「子どもたちに沖縄文化の素晴らしさと『しまくとぅば(ウチナーグチ)』を伝える」ことを目的に活動、今年50年の節目を迎えた。
沖縄民謡の楽曲にのせて、人形たちが次々空中回転する離れ業とうちなー口による躍動感いっぱいの人形劇で子供たちを楽しませてきた。2022年10月に開催された美ら島おきなわ文化祭でも人形劇を披露。現在も県内の保育園や幼稚園、小学校をまわり、子供たちに「しまくとぅば」への誇りや郷土文化の素晴らしさを伝え続けている。