石油危機の中で、価値観の揺らぐ世界。
集合住宅に対応したエアコンを提案。
ベトナム戦争を背景に、各地で長髪に奇抜なファッションのヒッピーと呼ばれる若者たちが、物質主義を批判し精神的な自由を得るために、インド仏教や日本の禅などに憧れを抱く。ロンドンでは、バンドのセックス・ピストルズが大きな影響を与えパンク・ムーブメントが巻き起こる――。
豊かな生活と安定というアメリカ中流社会の価値観に対する反動のように、世界中の若者たちが新たな文化の担い手となって、カウンターカルチャーやサブカルチャーなどと呼ばれる、さまざまなムーブメントを起こしていました。
また、この時期、世界的な石油危機(オイル・クライシス)にも見舞われます。戦後の成長を支えてきたさまざまな価値観が揺らぐ中で、経済は成長期から転換期を迎え、人々のエネルギー問題に対する意識も徐々に高まっていきます。
デザインの世界でも、大量生産による消費社会と機能主義に対する問いかけにどう応えていくか、模索しなければならない時を迎えていました。