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気候変動への対応

ソリューションの提供

気候変動への対応


新興国での人口増加と経済発展により、世界では急激な都市化が進んでおり、都市におけるエネルギー需要が今後ますます増加することが予想されます。そのような都市において、近年の気温上昇の影響もあり、快適な生活空間を実現するためにエアコンが欠かせません。

ダイキンは、インバータ技術や冷媒技術といった環境技術を駆使し、エアコン単体での環境影響を抑制するだけでなく、ビル全体や街全体の省エネソリューションも提供しています。エネルギーマネジメントによる、空調と周辺機器、建物、再生可能エネルギーを組み合わせた最適マネジメントやデマンドレスポンスの推進によって、都市化によって生じるエネルギー課題関連の解決に貢献します。また、循環型システムの構築や新たなエネルギーの創出によって持続可能な都市づくりに貢献します。

建物の最適エネルギーマネジメント

ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)への取り組み

ダイキンは、エネルギー課題解決に向けて、当社の技術を生かしたビル全体への省エネソリューションを提供しています。その一つとして、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)への取り組みを進めています。

ZEBとは、快適性を保ちながらエネルギー消費量が大幅に(基準比50%以上)削減されたビルで、省エネ率により「ZEB」「Nearly ZEB」「ZEB Ready」の3つのグレードがあります。一般的にZEBを実現するためには、外皮性能の向上、パッシブ利用、空調・換気・照明・昇降機などの高効率機器の導入、制御の高度化などが必要です。ダイキンは空調・換気システムとその制御、LED照明制御を中心に高度な技術と知見を蓄積。新築のビルはもちろんのこと、省エネポテンシャルの高い既設の中小規模ビルにおいても、汎用性、普及性の高い独自のシステムでZEBを達成することができます。

2015年に、当社の研究開発拠点であるテクノロジー・イノベーションセンター(TIC)で新築大規模ビルのZEBを実践。2017年に、ダイキン工業福岡ビルで中小規模ビルの更新におけるZEB Readyを達成しました。それらの実績をもって社外への提案を加速すべく、(一社)環境共創イニシアチブが公募している「ZEBプランナー」に登録。以後、ゼネコンと協創しながらZEB提案に注力し、国内外でZEBの普及をめざしています。

ZEB Ready:消費エネルギーを一般建築物の基準に対し50%以上削減しているビル。

TOPICS

省エネ大賞のロゴ

省エネ大賞のロゴ

築30年以上のテナントビルで日本国内初の「ZEB Ready」を達成

穴吹興産株式会社所有のビルが2019年1月に「ZEB Ready」を達成し、2020年度省エネ大賞に おいて省エネ事例部門「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。ダイキンが省エネコンサルティングとZEB化を支援し、エネルギー消費量を基準比で約68%削減。築30年以上のテナントビルが「ZEB Ready」の基準を満たしたのは日本国内で初めてです。

このようにダイキンは古い既設ビルでもZEB化できる知見を生かし、省エネ課題に対応する提案を加速していきます。

ZEBに関するダイキンの活動実績

時期 活動内容・実績 第三者による評価・認定
2015年11月
(竣工)
当社TICで新築大規模ビルのZEBを実践
  • ZEB
  • LEED®のPlatinum認定(2016年7月)
  • CASBEE Sランク取得(評価機関: 一般財団法人建築環境・省エネルギー機構)
  • ASHRAE Honors and Awards受賞(2017年10月)
2017年5月 ダイキン工業福岡ビルで中小規模ビルの更新におけるZEB Readyを達成
特徴: 空調・換気の高効率機器と空調・LED照明の制御システムにより、 築20年(1996年竣工)の建物をZEB化
  • ZEB Ready
  • 2018年度省エネ大賞「資源環境エネルギー庁長官賞」
2017年10月 ZEBプランナーに登録  
2019年1月 穴吹興産株式会社所有のビルが「ZEB Ready」を達成
特徴: ダイキンが省エネコンサルティングとZEB化を支援。築30年以上のテナントビルで日本国内初の実績
  • ZEB Ready
  • 2020年度省エネ大賞 省エネ事例部門「省エネルギーセンター会長賞」
2020年3月 ダイキン工業江坂ビルがZEB Readyを達成
特徴: 基準値と比較して年間の消費エネルギー量67%削減。省エネルギーに加えて働く人の健康にも配慮し、中小規模ビルの改修時にZEBとCASBEEウェルネスオフィスを両立
  • ZEB Ready
  • CASBEEウェルネスオフィスAランク取得(認定機関:一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構)
基準値:同規模の一般的な建物(リファレンスビル)の消費エネルギー値。

ダイキン工業福岡ビルの省エネ性評価(一次エネルギー消費量※1

ダイキン工業福岡ビルの省エネ性評価(一次エネルギー消費量)
※1
ZEB評価にはコンセント消費電力は含まない。
※2
運転時間補正あり(2017年6月~2018年5月末実績)。

臨海工場に採用したタスク&アンビエント空調が74.9%の電力消費抑制を達成

2018年6月に稼働した堺製作所臨海1号工場は、工場大空間の空調に関する課題を解決すべく、快適性と省エネ性の両立をめざしています。稼働後1年間の消費電力量を、全館空調方式を採用した場合と比較して74.9%削減することに成功しています。

従来、工場などの大空間における空調方式の主流は、アンビエント(ゾーン)空調とタスク(作業者へのスポット)空調です。しかしそれらの空調は、快適性と省エネ性の面で一長一短であり、工場で働く人々の共通の悩みでした。そこで 臨海1号工場では、作業ラインごとに最適な空調方式を取り入れる「タスク&アンビエント方式」を導入し、外気処理機も併せて活用。さらに、空調監視システム「D-BIPS」によるデータ分析で、迅速な省エネ改善と最適制御につなげています。この取り組みが評価され、2019年度省エネ大賞で省エネルギーセンター会長賞を受賞しました。

臨海1号工場で得た知見から、今後は他工場などの大空間へも省エネ改善を展開していきます。

省エネ大賞ロゴマーク

グリーンビルディング認証

世界各国の拠点で省エネルギービルとして認定

世界各国の拠点では、環境・社会に配慮して設計・建築・運営された建物を認証するグリーンビルディング認証の取得に積極的に取り組んでいます。

2016年7月にはテクノロジー・イノベーションセンターがLEED®のPlatinum認定を受けたほか、一般財団法人建築環境・省エネルギー機構が建築物や街区、都市などにかかわる環境性能を評価するCASBEEからSランクの評価を受けました。また、2017年10月には、高い省エネ性を備えた革新的なシステムや日本の気候に対応した室内環境・居住性との両立、環境負荷の低減が評価され、ASHRAE Honors and Awardsを受賞しました。

さらに、VRVなど当社の空調機器・システムを納入した建築物のうち19の施設でLEED®のPlatinum認証を受けるなど、世界各地でのグリーンビルディングの取得に貢献しています。

2020年度は、新たに深セン麦克維尔空調社の開発ビルがLEED®のGold認定を受け、同時に「3つ星グリーンビルディングデザインロゴ証明書」を取得しました。

LEED®のPlatinum認定(ダイキン工業 テクノロジー・イノベーションセンター)

LEED®のPlatinum認定
(ダイキン工業 テクノロジー・イノベーションセンター)

CASBEE建築評価認定書 (ダイキン工業 テクノロジー・イノベーションセンター)

CASBEE建築評価認定書
(ダイキン工業 テクノロジー・イノベーションセンター)

LEED®のGold認定(深セン麦克維尔空調社)

LEED®のGold認定
(深セン麦克維尔空調社)

3つ星グリーンビルディングデザインロゴ証明書

3つ星グリーンビルディングデザインロゴ証明書

街全体の最適エネルギーマネジメント

街全体の省エネを実現

イギリス・マンチェスターで、2014年度から2016年度までの3年間、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する「スマートコミュニティ実証事業」に、(株)日立製作所、(株)みずほ銀行とともに参画しました。住宅550軒の暖房器具をヒートポンプ式暖房・給湯機「ダイキンアルテルマ」に置き換えて省エネ化を図りました。さらに、複数の住宅の空調運転を制御して余剰電力を生み出す自動デマンドレスポンス技術※1の実証と、そのビジネスモデルの検討を行いました。

続いて2019年度に、イギリスのビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)が公募する住宅暖房の脱炭素化実証事業に、マンチェスター市が組成したコンソーシアムのメンバーとして参画。同プロジェクトで、NEDOの実証事業で設置した「ダイキンアルテルマ」を最新のクラウドシステムに接続し、同コンソーシアムメンバーとの連携制御を2020年9月から実施しています。同プロジェクトに250台以上の「ダイキンアルテルマ」を供給する予定です。

ポルトガル・リスボンにおいても、2016年度から自動デマンドレスポンス技術の実証事業に参画。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構とともに空調自動デマンドレスポンス実証システムを構築し、2018年7月から実証運転を実施しています。市庁舎など複数のビルに設置したマルチエアコンの使用状況や天候の分析、アグリゲータとの交信を通じて、再生可能エネルギーと購入電力の供給バランスを最適制御します。

これらのほか、2018年度にブリュッセルで、デマンドレスポンスを含むバーチャルパワープラント(VPP)※2など実証システムでの取り組みに対して、欧州での市場環境、制約条件、普及の可能性について議論するワークショップを開催しました。米国EPRI、ベルギー研究機関EnergyVille、当該実証参加団体が集まりました。

2020年度は、イタリア・ミラノ万博跡地の再開発プロジェクトとして創設されたイノベーションエコシステムに、当社の研究開発拠点であるテクノロジー・イノベーションセンター(TIC)が参加。ダイキンイタリア社も同プロジェクトを支援します。

※1
自動デマンドレスポンス技術:自動運転管理によって空調機器などの電力消費を調整する技術。
※2
バーチャルパワープラント(VPP):分散設置されたエネルギーリソース(発電設備、蓄電設備、需要設備等)を遠隔・統合制御し、あたかもひとつの発電所のように機能させること。

新たなエネルギーの創出

再生可能エネルギーの普及促進をめざして

ダイキンでは、これまで空調機・サービスで培ってきた「省エネ」技術を「創エネ」技術に生かし、再生可能エネルギーの普及に取り組んでいます。

2013年に、環境省の「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」に採択され、小型で低コストの管水路用マイクロ水力発電システムを開発しました。マイクロ水力発電とは、発電出力が100kW以下の小規模な水力発電です。上水道、工業用水道施設、工場やプールなどの循環水処理施設や渇水時でも最低限の河川の流量を維持するための河川維持用水などで発生する水流のエネルギーを有効活用できる点が特徴です。

太陽光発電や風力発電に比べて稼働率が高く、年間発電量が多い水力発電は、安定したベース電源になりえる発電です。しかしながら、発電出力100kW以下のマイクロ水力発電は発電規模に対してのコストが高く、設置サイズも大きいため導入する場所が限定されているのが現状です。そこでダイキンは、水車・発電機・コントローラをパッケージ化した小型で低コストのマイクロ水力発電システムを開発しました。

2014年度から2015年度にわたって富山県南砺市、福島県相馬市において実証実験に取り組み、2016年5月からは神戸市とともに長期的な性能、運用コストなどの評価を行い、製品の実用化に至りました。

また、環境省の同事業では10kW以下の超小型・超低コストの小容量マイクロ水力発電システムが新たに採択され、2016年度から2018年度の3年間の予定で5.5kWシステムの開発に取り組みました。小容量システムの開発によって、小規模な水道事業者を中心に水力発電システムの導入候補箇所が増加し、CO2排出削減にさらに貢献できると考えています。

ダイキン工業は2017年6月に株式会社 DK-Powerを設立し、以後、同社がマイクロ水力発電システムを用いた発電事業を行っています。2021年3月末時点の累計で全国25カ所に導入、2020年度の年間発電量は3,200MWh/年でした。これは、一般家庭1,070軒分に相当します。

同社は、2017年の会社設立から2021年3月までの約5年間で全国30カ所への導入、累計7,487MWh(CO2排出抑制効果3,878t-CO2)の発電をめざしてきました。2021年3月末時点で、導入済みの件数は目標未達ですが、契約数を含めると39件で30カ所という目標を上回っています。累計発電量は7,188MWh、発電によるCO2排出抑制効果は3,723t-CO2で目標をわずかに達成できませんでした。

マイクロ水力発電システム

一般家庭の年間消費電力量3,000kWhで計算
関連情報

株式会社DK-Power

CSR・環境
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