町屋の窓のレースのカーテン
金沢・茶屋町。路地に面した町屋の窓にはめ込まれた面格子は、木の虫篭と書いて「きむすこ」と呼ばれるもの。
レース織を思わせるそのわずかな隙間は、涼しい風を室内に導くだけでなく、光と影の綾を織りなして柔らかな空間を演出する。
外からは家の中が見えない。
これは、家族との時間を大切にしたいという気持ちの表れであり、表を歩く人への気配りでもある。
快適さへの工夫のなかにも、水引や金蒔絵などを生み出した加賀の国ならではの繊細さが脈々と息づいている。