「節電は難しい・面倒だ」と思っている皆さんへ。
実は、環境を整えるだけでも、節電効果があるんです。
今回の実験で実証された節電対策は、エアコンの運転前にできることがほとんどです。
では、内容を詳しく見てみましょう!
室外機の吹き出し口付近やその周囲に、植木鉢やゴミ箱などを置いていたら、すぐに移動させましょう。吹き出し口は、部屋の中の熱を外に捨ててくれる大切な役目を果たしています。そこをふさいでしまうと風の通りが悪くなり、その分、たくさんの電力を使ってしまいます。
実験でもわかりましたが、フィルター掃除をするだけで、節電効果が期待できます。実は、2週間に1回掃除すると約5%の節電効果があり、逆に1年間掃除していないと約25%もムダ使いになるといわれています。掃除の方法は、フィルターをはずして掃除機で吸い取るだけでOK。汚れがひどいときは、中性洗剤を溶かしたぬるま湯でつけ置き洗いしてみましょう。
太陽の光を遮ることは基本中の基本!窓にはカーテンやブラインドをつけましょう。その際、黒っぽい色よりも、光と赤外線を反射してくれる白っぽい色のほうが効果的。遮光タイプのカーテンも、もちろんOK!
サーモカメラで見るとよくわかりますが、テレビ、パソコン、白熱灯など、部屋の中は発熱するものでいっぱいです。これらはすべてエアコンの負荷になり、冷房効果を妨げてしまいます。使っていない時は電源をオフにするように心がけてみましょう。LED電球など、省エネ製品を選ぶのも一つの手です。
エアコンを効率よく運転する準備が整ったら、いよいよスイッチオン!
節電に効果的なエアコンの使い方を紹介します。
帰宅したときに部屋が暑いと、すぐにエアコンのスイッチを入れたくなるもの。けれど、まずやってほしいのは、部屋の換気です。部屋の中が外よりも暑いと感じたら、最初に窓を開けて換気しましょう。部屋の中の熱気を外へ逃がしてやることで、効率的に冷房ができます。
エアコンの設定温度は28℃を目標に!今回の実験では、設定温度を2℃上げただけで、なんと20%以上の節電になりました。ただし、他の節電方法と併せて取り組み、無理のないように。熱中症には十分注意ましょう。
節電を意識している人ほど、風量を弱にしたり、少し冷えるとスイッチを切ったりしがちですが、実はそのほうが電力を消費してしまうことをご存知でしょうか。最初に温度設定をして、自動風量を選択したら、あとはすべてエアコン任せにしましょう。
部屋の上下で温度ムラがあるときは、扇風機を使って空気を攪拌し、部屋全体を冷やしましょう。また、エアコンから離れた場所が暑いときも、温度を下げるのではなく、扇風機で涼しい空気を送るとよいです。エアコンの設定温度を上げるかわりに、扇風機を併用するのがオススメ。特に、大きな部屋では効果大です!
できるだけ少ない電力でエアコンを運転する環境を整え、エアコンの使い方もしっかりマスターしたら、
さらに涼感を得る工夫に挑戦してみましょう。涼しさをしっかり感じながら、楽しく節電を!
体感温度を下げるのは、「温度」以外にも「気流」と「湿度」があります。つまり、エアコンの設定温度を上げても、扇風機の風が身体に当たることで体感温度は下がります。ただ、直接、風に当たりたくないという方は、扇風機の風をいったん壁や天井に当て、跳ね返ってきたやさしい風を受けるようにしてみましょう。
長い間、エアコンを運転していない間は電源プラグを抜いておきましょう。また、扉を閉めるなどして、できるだけ冷やす空間を小さくして気密性を高めること。家族が別々の部屋で過ごさず、一つの部屋に集まるのもいいでしょう。このちょっとしたことの積み重ねが、大きな節電を生むことを忘れずに。
朝や夕方、家の前や庭などに打ち水をしましょう。水は蒸発するときに空気から熱を奪うので、空気の温度が下げられます。また、風の通り道はとても大切。入口と出口になる窓を開け、家の中に風を通し、風の入口になる窓の外に濡れたシーツを干すのも効果的。快適な風が入ってくるので、ぜひお試し下さい。
レースのカーテンだけでは部屋の中までたくさんの熱が入ってきてしまいます。そこで、陽射しの当たる窓の外に「よしず」や「すだれ」を設置してみたところ、それだけで熱が遮断され、部屋の温度上昇が抑えられることがわかりました。ちなみに、ヘチマやゴーヤ、朝顔などの緑のカーテンも効果があります。