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ニュースリリース

2018年10月3日

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<ダイキン『第24回 現代人の空気感調査』>
東京在住の外国人150人に聞いた「東京の夏の暑さとスポーツ」に関する意識調査

2020年を前に外国人が感じた“東京の夏”の課題は「湿度」
高温多湿な東京の夏は「湿度」対策をして安全・快適に過ごそう

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ダイキン工業株式会社は、体育の日(2018年は10月8日)を前に、東京在住の外国人150名を対象に「東京の夏の暑さとスポーツ」をテーマにした『第24回 現代人の空気感調査』を実施しました。現代人の空気感調査は、“空気”に関する現代人の意識や課題を浮き彫りにし、日頃意識されにくい“空気”について多くの方々に興味と関心をもっていただくことを目的として、2002年から実施しています。

今年の日本の夏は全国的に酷暑となり、その暑さは気象庁が「災害」と表現するほどでした。屋外で行われるスポーツ活動に対しては注意が呼び掛けられ、スポーツ庁が部活動中の熱中症予防の徹底や、高温多湿時の大会延期に関する通知を出すなど、夏場にスポーツをする際の暑さ対策が課題となりました。長年日本に住む日本人でさえ暑さに苦しむ中、外国人はどのように感じているのでしょうか。昨年、日本を訪れた外国人旅行者は過去最高の2,869万人に上り、政府が掲げる2020年に4,000万人という目標に向けて堅調に推移しています。日本人でも経験したことがない東京の暑さに驚いた外国人も多かったのではないでしょうか。

そこで、24回目となる今回の調査では、東京の夏を経験したことがある外国人と日本人を対象に、「東京の夏の暑さとスポーツ」に関する意識と実態を調べました。その結果、59.3%の外国人が東京の夏の空気環境は、屋外スポーツをしたり観戦したりするには「不快」と感じており、そこには「湿度」が大きく関係していることが明らかになりました。また、48.7%の人が東京の夏の暑さは「耐えきれないくらい暑い」と感じており、その最大の理由も「湿度」でした。湿度に伴うこれらの結果は、2020年に向けて日本が「おもてなしの国」として何に取り組むべきかを考えていくに当たり、ひとつの指針となる大変興味深い調査結果といえます。

今回の調査レポートでは、調査結果に加え、総合空調メーカーである当社と、運動生理学を専門とする横浜国立大学 田中英登先生の考察をまとめました。日本人はもちろん、日本とは空気環境の異なる国で生まれ育った外国人が、蒸し暑い東京の夏でも安全・快適にスポーツをしたり、観戦したりするためのポイントについてアドバイスをまとめました。

本調査の主な結果は以下の通りです。

東京の夏に対する外国人の意識

東京の夏が「耐えられないくらい暑い」最大の理由は「湿度」「熱中症」と思しき症状が現れたことがある人は4割!

  • 東京の夏はほぼ全員(96.7%)が「暑い」、約半数(48.0%)は「耐えられないくらい暑い」と感じている
  • 東京の夏が暑いと感じるのは「湿度が高い」が最多(87.6%)
  • 東京の夏で「熱中症」と思しき症状が現れたことがある外国人は約4割(41.3%)
  • 東京の夏の不快エピソード「サウナに入っているよう」「通勤は悪夢」「湿度が高く、風がないことで疲労が増加」
  • 東京の夏のホットスポットNo.1は「渋谷」/クールスポットNo.1は「ショッピングモール」
  • 東京を訪れる外国人に向けたアドバイス ポイントはエアコンとの付き合い方
  • 酷暑の東京の夏、エアコンの運転頻度が増え、睡眠中は「つけっぱなし」も

スポーツをする・観戦する場所としての東京の夏に対する外国人の意識

東京の夏の空気環境は「湿度」が高く、屋外スポーツには不向き?

  • 屋外スポーツ時の空気環境として東京の夏は「不快」が約6割(59.3%)
  • 屋外スポーツ時に「空気」で気になるのは「湿度が高い」が最多(79.3%)
  • 屋外スポーツ時に気を付けていることは「水分補給」(92.0%)、「涼しい時間帯にする」(81.3%)など

東京の夏に対する外国人の意識

東京の夏はほぼ全員(96.7%)が「暑い」、約半数(48.0%)は「耐えられないくらい暑い」と感じている

今年は酷暑の夏となりましたが、外国人は東京の夏の暑さについてどう感じているのでしょうか。「あなたは東京の夏(屋外)の暑さをどう感じますか」と聞いたところ、ほぼ全員(96.7%)が「暑い」と回答しました(図1)。また、約半数(48.0%)は「耐えられないくらい暑い」とまで感じているようです。

Q:あなたは東京の夏(屋外)の暑さをどう感じますか。

来日前に東京の夏の暑さについて何らかの予備知識を持っていた人は約6割(56.7%)に留まりました。東京の暑さは来日前の想像を超えるレベルだったようで、約8割(77.3%)が「想像していた以上に暑くて驚いた」と回答しています(図2)。アジア・オセアニア、中東・アフリカ出身の外国人の回答結果を見ると、東京の夏は「耐えられないくらい暑い」と回答した人は相対的に少なく、出身国の暑さも厳しいことが伺えますが、「想像していた以上に暑くて驚いた」と回答した人は多くいました。来日前に東京の暑さのことを少しでも知っていれば、持ち物の準備や旅行の計画をする際に役立つこともあるはずです。今後、来日を検討している外国人に向けて東京の夏の暑さについて情報発信することがますます重要になるでしょう。

Q:あなたが実際に東京の夏の暑さを体感して、来日前と比べてどのように感じましたか。

東京の夏が暑いと感じるのは「湿度が高い」が最多(87.6%)

外国人が東京の夏を暑いと感じるのはなぜでしょうか。「あなたが東京の夏(屋外)を暑いと感じる理由はなんですか」と聞いたところ、約9割(87.6%)が「湿度が高い」と回答(図3)。「気温が高い」を抑えて最も多くなりました。

Q:あなたが東京の夏(屋外)を暑いと感じる理由はなんですか。

東京の夏で「熱中症」と思しき症状が現れたことがある外国人は約4割(41.3%)

本調査における「熱中症」の定義

「熱中症」とは、汗をかくことにより体内の水分や塩分が失われるなどして、体温の調節ができなくなって起こる障害の総称です。本調査では以下のすべてを「熱中症」の症状に含めると明らかにした上で回答を依頼しています。

  • めまい、失神、筋肉痛、筋肉の硬直、手足のしびれ、気分の不快といった軽症
  • 頭痛・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感といった中等症
  • 意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温、肝機能異常、腎機能障害、血液凝固障害といった重症

記録的な酷暑となった2018年。7月の熱中症救急搬送者数は前年同月の2倍以上となる5万4,220人で、1ヵ月間の人数としては2008年の調査開始以降で過去最多を記録したこともあって大きなニュースになりました。熱中症で救急搬送された人だけでもこれだけの人数がいるということは、病院に行かずとも熱中症と思しき症状が現れた人は多くいるでしょう。そんな中、東京の夏を体験した外国人のうちどのくらいの人が「熱中症」になっていたのでしょうか。 「あなたは東京で、夏に『熱中症』の症状が現れたことがありますか」と聞いたところ、「医師に熱中症と診断されたことがある」または「熱中症の症状が現れたことがある」 と回答した日本人が28.0%だったのに対し、外国人は約4割(41.3%)にも上りました(図4)。特に外国人女性は半数以上(52.0%)が「医師に熱中症と診断されたことがある」または「熱中症の症状が現れたことがある」と回答しており、外国人男性よりも20ポイント以上高くなっています。また、日本人女性と比べてみても20ポイント以上高い結果となりました。高温多湿の日本の夏には、特に注意が必要と言えそうです。

Q:あなたは東京で、夏に「熱中症」の症状が現れたことはありますか。

なお東京で「熱中症」になったことがあると回答した外国人41.3%(62人)のうち、日本以外でも「熱中症」になったことがある人は25人にとどまり、約6割の37人は東京の高温多湿な空気環境によって初めての「熱中症」になったと回答しました(図5)。観光庁は自然災害の多い日本で訪日外国人旅行者が安心して旅行できるよう、気象警報や熱中症情報などをプッシュ配信する情報提供アプリ「Safety tips」を提供しています。外国人が日本で快適に過ごすためには、こうした情報発信の取り組みが、今後ますます重要になりそうです。

東京の夏の不快エピソード「サウナに入っているよう」「通勤は悪夢」「湿度が高く、風がないことで疲労が増加」

高温多湿な東京の夏。外国の方はどんな時に「不快」な思いをしているのでしょうか。「あなたが東京の夏で特に不快に感じていることや、不快に感じたエピソードがあれば教えてください」(自由記述式回答)と聞いたところ、多くの方が湿度の高さや、風を感じないことが不快であると答えています。シーンとしては東京ならではの満員電車のエピソードが多くありました。

<主な回答>

  • 本当に蒸し暑いです。暑い気候は気にしませんが、湿度にはまいります。(モロッコ出身/男/45歳)
  • あまりに暑いので、時々サウナに入っているように感じます。(ベナン出身/男/36歳)
  • 湿度のせいで特にひどさを感じます。通勤は悪夢です。(アメリカ出身/女/37歳)
  • 私の友人は暑さのため駅でめまいを感じ、ほぼ気絶状態になりました。(フィリピン出身/男/32歳)
  • 今年の暑さはひどすぎました。湿度と風がないことで、疲労が増しました(インド出身/女/29歳)

東京の夏 ホットスポットNo.1は「渋谷」/クールスポットNo.1は「ショッピングモール」

外国人にとって、東京の夏の暑さを象徴するホットスポットはどこなのでしょうか。「あなたが夏に東京都内で暑いと感じる場所はどこですか」(自由記述式回答)と東京のホットスポットを聞いたところ、最も多かったのが「渋谷」で、以下「新宿」「どこでも暑い」が続きました(表1)。反対に「あなたが夏に東京都内で涼しさを感じる場所はどこですか」(自由記述式回答)と聞いたところ、最も多かったのは「ショッピングモール・店舗」で、以下「公園」「寺社仏閣」が続きました(表2)。P.6の田中先生からのアドバイスにもある通り、長時間屋外にいて体調を崩しそうなときは、屋内のエアコンが効いた「ショッピングモール・店舗」などで体を休めることも有効です。

東京を訪れる外国人に向けたアドバイス ポイントはエアコンとの付き合い方

東京の夏をすでに経験している外国人に、「これから東京に来る外国人に向けて、東京の夏の暑さを乗り切るためのアドバイスがあれば教えてください」(自由記述式回答)と聞いたところ、「水分補給」、「飲み物の携帯」「服装(軽装、清涼素材、速乾素材等)」といった事前に用意しておきたいものだけでなく、エアコンの使い方に対する声も多く寄せられました。これらは東京の夏の暑さを体感する中で熱中症に対する意識が高まった結果といえるのではないでしょうか。外国人が東京の夏を安全・快適に過ごすには、エアコンとの付き合い方も大きなポイントといえそうです。

<エアコンに関する主な回答>

  • 熱中症を避けるためエアコンは使うこと。料金を気にするべきではありません。(ナイジェリア出身/男/50歳)
  • 家やホテルでエアコンを使うことをためらわないこと。(イギリス出身/男/36歳)
  • エアコンのリモコンの使い方を教えてくれる友達を探すこと。(アメリカ出身/女/36歳)

酷暑の東京 エアコンの運転時間が増え、睡眠中は「つけっぱなし」も

日本人にとって、夏のエアコンは必需品といえる存在ですが、外国の方にとっても同じ位置付けなのでしょうか。そこで、「あなたが東京の夏を経験してから、エアコンの使い方にどのような変化があったか教えてください」(自由記述式回答)と聞いたところ、 最も多かったのが「使用頻度が増えた」(49人)でした(表3)。さらに、エアコンを「つけっぱなし」にするようになったという人も19人存在しています。外国人にとっても東京の夏にエアコンは必需品という位置付けになっているようです。

<主な回答>

  • 東京では体温を保つためにエアコンをつける必要があります。(サウジアラビア出身/男/29歳)
  • 家にいる時は電気代が高くても一日中エアコンを使うだけの価値があります。(中国出身/男/32歳)
  • 家にいない時もエアコンをつけっぱなしにしています。(イギリス出身/男/27歳)

ダイキンからのお知らせ 夏場のエアコン使いこなし情報

専門家の声(1) 田中英登先生に聞く 「外国人が感じる東京の暑さと熱中症」

そもそも暑さ寒さ、湿度などの空気の感じ方は万国共通でしょうか。

  • 空気の感じ方には人種による違いや生まれ育った地域による違いがあります。
  • 一般的に、人は汗をかき、その汗が皮膚から蒸発することによって放熱し、体温調節をしています。しかし、欧米の中でもさほど暑くない地域で生活している人などの場合は、日常生活で汗をかく機会が相対的に少ないため、高温多湿の東京のように暑さが厳しい環境では汗による体温調節がうまくできないことがあります。冬の東京で半袖姿の欧米人をよく見かける一つの理由もそこにあるかもしれません。欧米人は、代謝量が大きく熱を持ちやすいと言われており、東京の夏に対しては日本人以上に暑さを感じていると考えられます。

「熱中症」のとらえ方や予防意識について、外国人と日本人とで異なる部分や課題を教えてください。

  • 外国でも暑い地域の場合は、「熱中症」ということ自体あまり知らなくても、水分を多めに取るようにするなど、生活の中に暑さ対策が根付いています。一方で、ヨーロッパでいうとロンドンやパリでは、夏の気温は高くても30℃程度で、熱中症が頻発するほどの気温ではないため日本人と比べると予防意識は高くないでしょう。
  • 日本の夏の気温は35℃を超え湿度も高いため、外国人は日本人以上に熱中症のリスクが高くなります。今回の調査では、東京の夏に「熱中症」になった外国人が約4割も存在し、その内の約6割は初めて「熱中症」になったという人でした。熱中症は正しい知識を持つことで防ぐことができます。高温多湿な東京の夏と熱中症リスクに関して、より一層の情報発信と啓発をすることが2020年に向けた課題といえるでしょう。

東京の夏のように気温と湿度が高い空気環境で有効な暑さ対策、熱中症対策はありますか。

  • 自宅にいる場合、外気温の上昇に伴い、気が付かないうちに室温と体温が上昇し熱中症リスクが高まるというケースがあります。これを防ぐのにおすすめの方法が水シャワーを使った体温リセットです。シャワーが面倒という人は、バケツや洗面台に水を貯めて手を肘まで数分間浸けるだけでも充分です。ポイントは、氷水などは使わないこと。冷たすぎると血管が収縮して、反対に体温が外に逃げにくくなります。少なくとも10℃以上の温度で行ってください。
  • 屋外を移動する際は途中で冷房が効いたショッピングモールや店舗に立ち寄って体を休めることも有効です。ただし、冷えた体で屋外に出てすぐに活動すると一過性の血圧低下が起こり、頭がクラクラしてしまう(熱失神状態になる)ことがあります。冷房が効いた環境から外に出たらしばらく日陰で体を慣らすなどワンクッションおいてから活動するようにして下さい。

東京の夏に有効なエアコンの使い方について教えてください。

  • 東京の夏は湿度が高く、汗が乾燥しにくいため、エアコンを使う時でも扇風機などを使って室内に気流を作ることを心掛けるとよいでしょう。体にエアコンや扇風機の風が直接体に当たると不快感にもつながるので、室内を空気が大きく循環するようにすると快適に過ごせると思います。省エネにも効果的です。
  • 今年のような酷暑で熱帯夜が続くような時は、エアコンをつけっぱなしにして寝ることも考える必要があります。設定温度は27~28℃にして、体に直接エアコンの風が当たらないように調節しましょう。軽めの布団やタオルケットなどを掛けておけば体に負担はありません。扇風機を使ったり、寝室のドアを少し開けたりするなどして、室内に緩やかな気流を作るとなお良いでしょう。

お話:田中英登先生(横浜国立大学教授)※プロフィールは本リリースの末尾に掲載

外国人にとってのスポーツをする・観戦する場所としての東京

今年の日本の夏は全国的に酷暑となり、6月~8月の平均気温が東日本で+1.7℃、西日本で+1.1℃と記録的な高温を記録、スポーツ時や就寝中の熱中症に対する注意が連日呼び掛けられました。この高温傾向は10月以降も続く見込み(図6)で、これから始まる「スポーツの秋」も、引き続き暑さに対する注意が必要です。
一方で、日本を訪れる外国人旅行者は、昨年(2017年)まで5年連続で過去最高を更新し、2018年は、6月の時点で前年よりも1ヵ月早く1,500万人を超えるペースで推移しています(図7)。過去最高の3,000万人の大台突破の可能性もあるなど、政府が掲げる2020年に4,000万人という目標の達成も見えてきました。
そこで、体育の日を前に、外国人が東京で屋外スポーツ(観戦含む)することについてどのように感じているのか、東京の夏を経験したことのある外国人に「あなたが夏に東京の屋外でスポーツしたり、観戦したりする時の空気環境についてどう感じますか」との質問をしました。

屋外スポーツ時(観戦含む)の空気環境として東京の夏は「不快」が約6割(59.3%)

屋外でスポーツをするとき、屋外でスポーツ観戦をするときのどちらも、外国人の約6割(59.3%)が「不快」(「不快」または「まあまあ不快」)と回答しました(図8)。東京の夏の空気環境はスポーツには不向きと考えている人が多いようです。

Q:あなたが夏に東京の屋外でスポーツしたり、観戦したりする時の空気環境についてどう感じますか。

屋外スポーツ時(観戦含む)に「空気」で気になるのは「湿度が高い」が最多(79.3%)

東京の夏に屋外スポーツをする時(観戦含む)に空気環境が「不快」に感じる理由は何なのか。「あなたが夏に東京の屋外でスポーツしたり、観戦したりする際に「空気」で気になることはありますか」と聞いたところ、 最も多かったのが「湿度が高い」(79.3%)で、以下「気温が高い」(65.3%)、「風を感じない」(46.7%)が続きます(図9)。酷暑となった2018年の夏は、連日気温の高さが大きなニュースとなりましたが、スポーツ時には「気温」以上に、日本特有の高い「湿度」が気になるという方が多いようです。

Q:あなたが夏に東京の屋外でスポーツしたり、観戦したりする際に「空気」で気になることはありますか。

屋外スポーツ時(観戦含む)に気を付けていることは、「水分補給」(92.0%)、「涼しい時間帯にする」(81.3%)など

それでは、湿度の高い東京の夏にスポーツをする時(観戦含む)に、外国人はどのようなことに気を付けているのでしょうか。「あなたが夏の東京の屋外で快適にスポーツをしたり観戦したりするために、気を付けていること、心掛けていることはありますか」と聞いたところ、最も多かったのが「こまめに水分補給をする」(92.0%)で、以下「朝や夕方、夜などの比較的涼しい時間帯にする」(81.3%)、「日焼け止めを塗る」(50.7%)が続きます(図10)。なお、回答数上位のこれらの項目は日本人よりも外国人の方が、気をつけていること、心掛けていることとして回答した人の割合が大きく、暑さに対する意識の高さが伺えます。一方で、「塩分をとる」と回答した日本人の割合は、外国人の約2倍でした。横浜国立大学の田中英登先生によると「湿度が高い空気環境では、汗をかいても皮膚から蒸発しにくく体温が下がりにくいため、どうしても発汗量が増えて体内の塩分が不足しやすくなる」とのことで、「塩分をとる」のは湿度が高い環境で生活する日本人ならではの対策と言えそうです。日本には、飴や飲み物など、塩分補給に適した食品が充実しているので、激しい運動をする時などには上手に活用しましょう。

Q:あなたが夏の東京の屋外で快適にスポーツをしたり観戦したりするために、気を付けていること、心掛けていることはありますか。

専門家の声(2) 田中英登先生に聞く 「空気環境とスポーツの関係」

空気環境はスポーツにどのような影響を与えると考えられているのでしょうか。

  • スポーツをする空気環境として東京の夏は「不快」と答えた外国人が約6割いましたが、公益財団法人日本スポーツ協会が定めた「熱中症予防運動指針」ではWBGT※128℃以上で激しい運動や持久的な運動は禁止、WBGT31℃以上で運動自体を禁止としており、2018年の東京の夏はスポーツには適さない空気環境だったといえるでしょう※2
  • 運動時には普段の生活以上に空気の組成や温熱環境による影響を受けやすくなります。東京の夏は高温多湿で、風が滞った場所でスポーツをすると、普段以上に息苦しさを感じたり、体温調節に影響したりするため十分にパフォーマンスを発揮できない可能性が考えられます。
※1
WBGT:「暑さ指数」とも呼ばれる熱中症のリスク評価に用いられる指標。「気温」「湿度」「輻射熱」から算出されるが、その比率は湿度7割・輻射熱2割・気温1割(屋外の場合)で、湿度の影響を最も受ける。このことからも熱中症対策に湿度コントロールが重要とされる理由がよく分かる。
※2
2018年の東京の夏(6~9月)において、WBGTが28℃以上の日は65日間、そのうち31℃以上の日は29日間に達している。

東京の夏に外国人がスポーツをする時(観戦含む)に実践している対策についての調査結果を見てどう思いましたか。

  • 日本人の方が熱中症などの暑さに関する情報には触れているはずなのに、東京に住む外国人の方が日本人よりも対処意識が高く出ているのはとても興味深い結果といえます。日本に来てから東京のあまりの暑さに対処意識が芽生えたのかもしれませんね。
  • 私は以前から夏にスポーツをする場合は「朝夕の涼しい時間にする」ことを推奨してきましたが、調査結果を見ると実践している人は日本人よりも外国人の方が多くなっています。これは外国人が多いと考えるのではなく、日本人が少な過ぎると考えるべきで、この点については外国人を見習う必要があります。
  • 一方で朝夕の涼しい時間帯にすればそれで安心というわけではありません。気温が低く、日射が少ない朝夕でも、湿度に関しては高いこともあるので湿度対策は忘れないようにしてください。

それでは湿度が高い東京の夏にスポーツをする際、有効な暑さ対策、熱中症対策や注意点を教えてください。

  • 湿度が高いと汗が蒸発しにくくなるため、熱の放散が少なくなり、余計に汗をかいてしまうことで脱水しやすくなります。普段よりも水分補給を心掛けるようにしましょう。
  • 汗の拭き方にも注意が必要です。汗を完全に拭き取ってしまうと、汗による熱放散ができなくなるので濡れタオルを使うことをオススメします。濡れタオルはそれ自体が冷たく体の熱を奪ってくれることに加えて、肌に水分が適度に残るので気化熱による熱の放散も妨げません。
  • 激しい運動で大量の汗をかいた時は体から塩分も失われています。水分だけでなく塩分補給も忘れないようにしましょう。 1時間程度の激しくない運動なら食事をきちんと取っている限りは塩分を追加で補給する必要はありません。

【コメントをいただいた有識者のプロフィール】

横浜国立大学 教育学部教授

田中 英登 先生

医学博士。1983年筑波大学大学院修士課程健康教育学科修了。大阪大学医学部助手、横浜国立大学助教授、米国デラウェア大学客員研究員を経て、2004年より横浜国立大学教育人間科学部教授。専門は環境生理学(温熱環境)、運動生理学。

調査概要

表題 「東京の夏の暑さとスポーツ」に関する意識調査
調査主体 ダイキン工業株式会社
調査実施 株式会社マーシュ
調査方法 アンケート調査(インターネット調査による)
調査期間 2018年8月21日(火)~9月4日(火)
調査対象 外国人150名(東京在住6ヵ月以上~10年未満/東京の夏を経験したことがある/平均年齢31.8歳)
日本人100名(東京在住1年以上/東京の夏を経験したことがある/平均年齢48.6歳)
対象内訳 調査対象のエリア別内訳は下表の通り
備考 図表の構成比は四捨五入しているため、構成比の和が100%にならない場合があります。

報道機関からのお問い合わせ先

ダイキン工業株式会社 コーポレートコミュニケーション室

本社
〒530-0001 大阪市北区梅田一丁目13番1号(大阪梅田ツインタワーズ・サウス)
TEL (06)6147-9923(ダイヤルイン)
東京支社
〒104-0028 東京都中央区八重洲二丁目2番1号(東京ミッドタウン八重洲 八重洲セントラルタワー)
TEL (03)3520-3100(ダイヤルイン)
E-mail
prg@daikin.co.jp

ニュースリリースに掲載されている情報は、発表日現在のものです。
予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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