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ニュースリリース

2018年1月22日

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平成29年度 省エネ大賞において
『最先端空調技術や最適マネジメントによる、ZEB指向型オフィスの実現』
が「資源エネルギー庁長官賞」を受賞

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ダイキン工業株式会社は、一般財団法人省エネルギーセンターが主催する平成29年度省エネ大賞の省エネ事例部門において、『最先端空調技術や最適マネジメントによる、ZEB※1指向型オフィスの実現』※2が「資源エネルギー庁長官賞」を受賞しました。この賞は、株式会社日建設計、株式会社日建設計総合研究所、株式会社NTTファシリティーズと共同での受賞です。
また、製品・ビジネスモデル部門において、『高効率と省スペースを両立したF型構造モジュールチラー「ヘキサゴンフォース」』と『設置済み機器の熱源リプレースによる省エネ推進ビジネスモデル』が「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。

省エネ大賞は、国内の省エネを推進している事業者や、省エネに優れた製品を開発した事業者の活動を表彰することで、省エネ意識の浸透、省エネ製品の普及促進等への寄与を目的としたものです。

「資源エネルギー庁長官賞」を受賞した『最先端空調技術や最適マネジメントによる、ZEB指向型オフィスの実現』は、当社研究開発拠点「テクノロジー・イノベーションセンター」をZEB実証モデルとして、建築設計会社と協働で環境に配慮した建屋設計を行い、建屋全体のエネルギー消費量を90%※3削減しました。具体的には、高効率な空調や照明の導入、地中熱等の自然エネルギーの利用、建屋と空調設備の設計協業により空調機単体では難しかった自然換気や外気冷房の積極的利用を実現。また、外気温や室内環境によって運転状況が左右され予測が難しいと言われる空調機の消費電力を高精度で予測できるシステムを新たに開発し、室内環境や消費電力の理論値と実績値の差異をリアルタイムで把握することで即座に改善に繋げることが可能になりました。また、大型空調と比べ比較的設計が容易な個別分散型空調を用いることで汎用性も実現しており、今回得られた設備設計や運用面の知見と合わせてZEB普及への貢献を目指します。

「省エネルギーセンター会長賞」を受賞した『高効率と省スペースを両立したF型構造モジュールチラー「ヘキサゴンフォース」』は、左右非対称のF型構造による空気熱交換器性能約25%向上、インジェクション回路搭載圧縮機による性能約9%向上、ファン大型化によるファンモータ消費電力量約13%削減により業界トップクラスの高効率化を実現。従来機に比べ年間電気代約6%※4の削減が可能になりました。また顧客ニーズが高まる運用による省エネ性にも着目し、システム制御を高度化することで年間電気代約795,000円※5の削減を実現しました。

「省エネルギーセンター会長賞」を受賞した『設置済み機器の熱源リプレースによる省エネ推進ビジネスモデル』は、ヒートポンプ式業務用空調機「ビル用マルチエアコン」や家庭用給湯機「エコキュート」の更新時の課題であった費用と工期を要する室内側工事を省略し、室外機や熱源ユニットのみを最新技術を搭載した新型機へ更新することで、工事期間の短縮及び年間電気代約25%削減を実現しました。既設機を省エネ化する新たな更新ビジネスとして、室内側業務や給湯利用停止へのユーザーの不安を解消し手軽に省エネ性を向上できる点が評価されました。

表彰式は2月14日に東京ビッグサイトで開催されるENEX2018 「第42回地球環境とエネルギーの調和展(2/14~2/16)」で行われ、今回受賞した商品も展示されます。当社は今後も、省エネ性、環境性に加え、快適性にも優れた技術を追求し、グローバルに展開できる商品やサービスの開発に取り組んでまいります。

※1
Net Zero Energy Building の略称
※2
本件は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の成果を一部活用しています
※3
コンセント負荷除く、H25年度省エネ法基準に合わせて運転時間を補正した値
※4
JRA4062:2010解説表1の外気温度、発生時間、負荷率において、モジュールコントローラの制御目標値であるロード50%で運転すると想定した従来機と新型機の比較
※5
JRA4062:2010解説表1の外気温度、発生時間、負荷率で、100%負荷を1500kWとした場合において、モジュールコントローラの制御目標値であるロード50%で運転すると想定した従来機と新型機(VWT制御あり)の比較

【ご参考】主な商品・取組みの特長

「資源エネルギー庁長官賞」を受賞
『最先端空調技術や最適マネジメントによる、ZEB指向型オフィスの実現』

先進技術の導入と建屋設計と空調設備設計のコラボレーションによる圧倒的省エネの実現

建築性能、設備システム共に、ZEBを指向した圧倒的な省エネルギーを目指して計画しました。
オフィスエリアには、空冷ビル用マルチエアコン(VRV-X)とCO2濃度によって風量制御可能なヒートポンプデシカント調湿外気処理機(DESICA)を全面的に導入し潜熱・顕熱分離空調を行いました。エントランスには地中熱や太陽熱を利用する水熱源ビル用マルチエアコンのプロトタイプ機を導入し、省エネを実現しています。
また、外気温が快適な中間期(春・秋)に「自然換気→外気冷房→ハイブリッド空調」と自動で変化する制御を導入し、建物と空調換気を組み合わせ、積極的に自然エネルギーを利用するシステムを構築。
ひさしに工夫を施した窓面からの自然採光利用や高効率照明の導入、太陽光追尾システムによる発電量増加等の技術により、建屋全体の消費電力を90%削減しました。

建屋設計と空調設備設計

革新的な見える化によるラボカーボンマネジメント

施設内に数多く設置されたセンサーとエネルギーシミュレーションにより、室内環境と省エネルギー性能をリアルタイムで見える化し、執務者である空調開発技術者がエネルギーマネジメントに参加できる仕組みを構築しました。本システムによりコミッショニングに要する期間を飛躍的に短縮することができ、本施設の建設当初に比べ、直近の年間エネルギー消費量は20%削減されました。

「省エネルギーセンター会長賞」を受賞
『高効率と省スペースを両立したF型構造 モジュールチラー「ヘキサゴンフォース」』

空気熱交換器と圧縮機に業界初の技術を搭載し、省エネ、容量拡大を実現

空気熱交換器では業界初である左右非対称のF型構造を採用し、従来機と同等の据付面積で空気熱交換器の表面積を従来機比約161%まで拡大させ、空気熱交換器性能を約25%向上させました。
圧縮機では業界初のインジェクション回路を搭載した新型圧縮機を搭載し、同一能力出力時の回転数を低く抑えて省エネ性を向上し、圧縮機の効率を約9%向上させました。
従来機と比較して、定格COPを約12%※6向上させ、業界トップクラスの省エネ性を達成、さらに従来機と同等の据付面積で60馬力まで容量拡大しました。

※6
50馬力の冷却条件での比較

熱源システム制御の高度化で実省エネ性を向上

省エネに対するニーズの調査により、機器単体の性能はもちろんのこと、運用による省エネ性も求められていることがわかりました。本製品は、以下の使用条件に応じたシステム制御による実省エネ性向上に取り組み、システム全体での実省エネ性を向上させました。

(1)VWT制御
使用状況に応じて、快適性を損なわない最適な送水温度に変更して、省エネ性を向上させます。
(2)ビル用マルチエアコン・セントラル空調の協調制御
互いの効率や運転状態を把握し、システムの最適化により省エネ性や快適性を向上させます。
(3)エネルギーの見える化
チラーの運転状態の監視、省エネに向けた運用改善のための運転情報の見える化を実現。
(4)水量指示制御
他の熱源と併用する場合に、システムの省エネに貢献する水量による台数制御機能を追加しました。

新たな省エネニーズへの対応

機器単体の省エネ性能を高めていくことを基礎取り組みとして継続するとともに、今回の開発で着目した運用によるシステム全体での実省エネ性の向上を追求して、新たな省エネニーズに応えていきます。

「省エネルギーセンター会長賞」を受賞
『設置済み機器の熱源リプレースによる省エネ推進ビジネスモデル』

短期間の工事でありながら省エネ性を高める省エネ推進

本ビジネスモデルは、設置済みの空調機・給湯機に対して、配線、冷媒配管、給等配管等を含む既設機(室内機、貯湯ユニット)を流用しながら、熱源ユニットだけをリプレース(交換)することで、低コストかつ短期間の工事でありながら省エネ性を高める省エネ推進の提案です。ヒートポンプ式の業務用空調機「ビル用マルチエアコン」、家庭用給湯機「エコキュート」が対象となります。一昨年より当社で取り組みを開始した『レトロフィットシステム』を参考に、既設機を省エネ化する更新ビジネスの普及展開を目的とし、お客様の新たな更新選択肢になる広く展開可能なサービス及び商品です。
ビル用マルチエアコンでは、最新の省エネ冷媒制御「VRT制御」や新型圧縮機の搭載により約25%の消費電力量を削減します。エコキュートでは当社最新の空気熱交換器と水熱交換器の搭載で約23%の消費電力量を削減します。低コストかつ短期間の工事で、お客様の負担を軽減しながら、かつ手軽に、省エネ性を向上できます。

『レトロフィットシステム』から培った更新ビジネス拡大

本取り組みは、設置済みの機器に残されている多くの省エネ余地を最大限に生かすことが可能です。ビル用マルチエアコン向けでレトロフィットを進めている圧縮機のほか、熱交換器やファンでさらに省エネを図ることが可能です。また熱源ユニットをまるごと交換することで配線、冷媒配管、給等配管等を含む既設機(室内機、貯湯ユニット)を流用しながら省エネ化を実現しました。

既設ユニットとの新旧マッチング制御

置き換えた熱源ユニットが、設置済みの室内ユニットや貯湯タンクから情報を得て最適な運転をします。
ビル用マルチエアコンでは設置済みの室内ユニットのセンサー温度情報から実際の負荷情報を得ることで、最適な冷媒温度で省エネルギー運転を可能にする協調制御「VRT制御」を搭載しています。
エコキュートでは、貯湯ユニット側のポンプ循環量の機種ごとの違いを学習し、出湯温度や冷媒圧力が急上昇して運転停止するのを防止するために、水の流量を適切に調整する機能を搭載しています。

更新ビジネスの展望

今後はグローバルに広がる設置済み機器市場にも、省エネニーズに応え、現在取り組み中の『レトロフィットシステム』との両輪で省エネ化を推進していきます。

報道機関からのお問い合わせ先

ダイキン工業株式会社 コーポレートコミュニケーション室

本社
〒530-0001 大阪市北区梅田一丁目13番1号(大阪梅田ツインタワーズ・サウス)
TEL (06)6147-9923(ダイヤルイン)
東京支社
〒104-0028 東京都中央区八重洲二丁目2番1号(東京ミッドタウン八重洲 八重洲セントラルタワー)
TEL (03)3520-3100(ダイヤルイン)
E-mail
prg@daikin.co.jp

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