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「RAKUSAI collection by JOHANNA GULLICHSEN」

~出会い、そして、しつらえ~

ダイキンルームエアコン「risora」のカラーリングと質感のアドバイザーである京都のインテリアデザイン事務所「洛彩」が北欧・フィンランドを代表するテキスタイルブランド「ヨハンナ・グリクセン」とテキスタイルの世界を超えてコラボレーションした「RAKUSAI collection by JOHANNA GULLICHSEN」。洛彩の太田氏と弊社デザイングループリーダーの関が対談。

先端デザイングループリーダー 関 康一郎(関):
北欧と日本の文化を見事に結びつけた個展であり、ヨハンナさんの幾何学をベースとしたテキスタイルを日本のインテリアに融合させたデザインは、単なる和洋折衷ではなく、懐かしさと新鮮さの両輪を感じました。この両輪は不思議なほど心地よく個展の空間の隅々まで気持ちよさが広がっていました。この個展で一番大切にしたことは何でしょうか?

株式会社洛彩 代表取締役 太田氏(太田):
「出会い」です。これからはミックスマッチいう文化の融合が新たなものを生み出す時代になる。

企業では協創とも言う。これが個人のクリエイターレベルまで展開されている時代になっている。だからこそ、今一度、モノづくりに拘りを持った人との「出会い」を大切にし、結び付け、拘りの磨き合いで産まれるデザインの可能性を試してみたかったんです。

関:
そんな中で、ヨハンナさんとの出会いが一番重要だったと思うが、一緒にやることになったきっかけは?

太田:
もともとフィンランドと日本のモノづくり文化は、日々の生活に必要な日用品に合理性と美しさを求めている点で近いと感じていた。もっと言ったら、その純粋なモノづくり文化をもう一度日本に回帰させたかったんです。そんな思いの中で、フィンランドを代表するテキスタイルデザイナーのヨハンナさんと出会い、そのモノづくりに対する拘りや考え方に共感し、意気投合しました。

関:
私もヨハンナさんとお話ししましたが、人々に暮らしに寄り添うデザインを提供したいという想いから、日本と北欧の古来からある「ものを大切にする」という資源乏しい文化の中から産まれた共通点ともいえるデザイン思想を感じました。

太田:
そこには「ものを大切にする」ということだけじゃなく、「豊かにする」ということも込められているんです。デザインとは問題を解決する道具という意味に加え、心の豊かさを創造する使命がある。その心の豊かさの創造こそが今回のコラボレーションのコンセプトでもあります。

関:
心の豊かさは共感できます。我々が取り組んでいる「見えない空気を愛されるものにする」ことも、商品やデザインを通じて人々の心を豊かにすることを目標にしています。その心に働きかけることこそがデザインでは無いかと。

太田:
そう。日本はモノが溢れ生活に困らないレベルになっている。私は建材メーカーをクライアントとした「質感」を中心としたグラフィックデザインのコンサルタントをやっているが、「モノづくりからコトづくり」なんて言われることもあるが、これからの差別性は「メンタル=心」であると言い続けています。心に訴えることは沢山あるが、空間デザインをテーマとして見ても、実は日本の文化を見つめなおすと学ぶことが沢山ある。その一つが「しつらえ」だと考えます。

「しつらえ」は千利休の「茶の七則」でも伝えている通り、おもてなしをするためには十分な準備が必要で、同じお茶でおもてなしするにしても、環境・茶具・お茶・サービス・タイミングまで十分な「空間=場づくり」が重要になる。その「空間=場づくり」こそが「しつらえ」である。

関:
つまり、その「しつらえ」こそが日本人がもつおもてなしの神髄であり、お客様によろこんでもらいたいという日本の心だと。これを空間のデザインに取り込むということこそ「モノ」を超えた「コトづくり」だと感じました。実際、個展を拝見し、隅々まで行き届いた配慮は徹底的な準備の集大成であり、個展を通じて制作に携わった人々の息遣いが聞こえるほど物語性を感じました。

太田:
コトづくりというけれど、モノをつうじて物語を伝えることもコトづくりになるんです。それが心に訴えるデザインだと考えます。物語には必ず「人」が登場する。だからこそ「出会い」を一番大切にしました。もちろん、人と人が一緒に事を進めるとぶつかることもある。

実際、会場のしまだいギャラリーに既設されている赤いジュータンが全体のトーンに合わないことをヨハンナさんが気づき、会期前日だったが走り回って修正した。エピソードの一つだが、隅々まで徹底的に拘り最後まで妥協しないことを大切にしたかった。

関:
その緊急対応こそがこの個展の「しつらえ」を代表していると思いますが、ヨハンナさんも太田さんの数々のアイデア発想や行動に対して、「もっと早く伝えてほしい、物事には順番があり心構えも必要だ」と言っていましたね(笑)そんな個々人の思いや行動のぶつかり合いこそが文化を見事に融合させ個展を成功させたのだと思います。

太田:
ダイキンさんもグローバル企業になり、さらに新しい空間を創造していくためにも、異文化と個々人のクリエイティブの融合が重要なのではないでしょうか。さらに、しつらえの精神も日本を超えて北欧だけでなくグローバル全体で喜ばれる要素ではないでしょうか。

見えない空気をデザインするとは、お客様を心からもてなすホスピタティではないかと私は思います。

株式会社 洛彩

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