人権の尊重
ダイキンは、グループの役員・従業員一人ひとりが取るべき行動を明示したグループ行動指針に、一人ひとりの人権を尊重することを掲げています。各国・地域の法令などを踏まえ、人権に関するさまざまな国際規範を理解し、バリューチェーン全体で基本的人権を尊重します。
人権や労働などに関する普遍的な原則を支持し実践する「国連グローバル・コンパクト」に参加すると同時に、グループ行動指針で、「人種」「民族」「性別」などによる差別を行わないことはもちろん、人権や多様な価値観、勤労観を尊重するとともに、児童労働・強制労働を認めないことを定めています。
10.人権・多様性の尊重と労働関連法令の遵守
私たちは、一人ひとりの人権を尊重し、「国籍」「人種」「民族」「宗教」「肌の色」「年齢」「性別」「性的指向」「障害の有無」等による差別となる行為は行いません。多様な価値観を受容し、一人ひとりの個性・強みを組織の力にまで高めていきます。また、強制・意思に反しての労働(強制労働)や、各国・地域の法令が定める雇用最低年齢に満たない児童の就労(児童労働)を排除し、各国・地域の労働関連法令およびその精神を徹底して遵守します。
具体的指針
ダイキンは、当社事業の人権課題の特定、バリューチェーン全体でのリスク評価、および優先して取り組むべきリスクの抽出に着手しています。オペレーションリスクマネジメント推進体制のなかで、人権リスクを特定し、対策を講じています。
「CSR行動計画2020」に人権尊重の徹底を掲げ、定量指標を、毎年、行動指針遵守状況の確認のため行う「自己点検」の実施率と定めています。「自己点検」の中に人権尊重についての項目を設け、人権侵害などの問題が起きていないか確認し、必要な対策を講じています。2020年度の自己点検実施率は99%でした。
また、「企業倫理・リスクマネジメント委員会」で審議した結果を、年2回、社長を委員長とする「内部統制委員会」で報告し、その結果を「取締役会」で報告しています。
「自己点検」の結果、および結果から明らかとなった課題やその対策を「企業倫理・リスクマネジメント委員会」や各地域のコンプライアンス会議で報告、共有し、リスクの低減に努めています。
アジア、オセアニア地域のコンプライアンス会議の様子
人権リスクの種類 | 主なリスク内容 | 関連するステークホルダー |
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労働安全衛生 |
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取引先様 従業員 |
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取引先様 地域社会 従業員 |
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取引先様 従業員 |
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製品・サービス |
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お客様 |
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お客様 | |
差別 |
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お客様 取引先様 地域社会 従業員 |
コミュニティ |
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取引先様 地域社会 従業員 |
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地域社会 | |
社会と政府 |
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取引先様 |
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お客様 取引先様 従業員 |
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お客様 取引先様 地域社会 従業員 |
ダイキンは、2017年4月に策定したサプライチェーンCSR推進ガイドラインで、人権問題の監視体制や児童労働、強制労働の防止など、人権保護を遵守すべく人権尊重の項目も設け、国内外の取引先様にも遵守徹底をお願いしています。
空調部門では、2018年度から日本国内の取引先様を、2019年度からは海外の取引先様も対象に、人権の尊重を含めたCSR調査を実施(国内449社、海外487社)。取引先様のCSRレベル向上に取り組んでいます。
化学部門では、取引先様に対し、毎年4月の継続取引の評価時に配布・回収する「外部提供者調査表兼自己診断シート」の中に関連する項目を設け、取引先様の取り組み状況の把握に努めています。
また、国連グローバル・コンパクトのローカルネットワークである、「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン」の加入企業・団体から構成される「サプライチェーン分科会」「人権教育分科会」に参画。
2020年度は「国連ビジネスと人権に関する指導原則」や「ビジネスと人権に関する行動計画」など専門家による講演、他社のCSR調達の取り組みから、企業のグローバルサプライチェーンと人権について学び、自社の取り組み向上につなげています。
ダイキンでは、個人情報保護に関するグループ指針を定め、個人情報保護の徹底に取り組んでいます。この指針にもとづき、グループ各社では、推進体制やルールの整備などを進めています。また、EU居住者の個人データに関する規制「一般データ保護規則(General Data Protection Regulation: GDPR)」の要求事項も含めたEUの個人データ取り扱いに関する規程を策定しました。EUから個人データを持ち出す際の保護措置や、個人データの取り扱い状況の記録管理、安全管理措置の実施などを定め、EU居住者からの問い合わせ窓口を設置し、グループ会社も含めて徹底しています。
2020年度は欧州グループ各社においてキー・スタッフを集め、詳細なGDPR教育を実施しました。
グループ会社への説明
英国で施行された現代奴隷法(Modern Slavery Act 2015)にもとづき、英国のグループ会社が以下のステートメントを公表しています。
ダイキンでは、定期的な啓発や点検によって、役員、従業員の人権意識の向上に努めています。
グループ行動指針の遵守状況を確認する「自己点検」では、毎年の点検を通じて、従業員一人ひとりへのグループ行動指針の浸透を図っています。 また、階層別の人権教育も実施し、従業員の人権への意識を高めています。
例えば、ダイキン工業では、毎年、全役員、関係会社を含む新入社員、新任管理職を対象とする研修を実施しています。
2020年度は役員を対象に「企業と人権~CSRの観点~」をテーマに、外部の有識者による研修を実施。そのほか、ハラスメント防止のEラーニングを全従業員に実施し意識を高めています。
人権研修の様子
ダイキン工業では、社内外に企業倫理に関する相談窓口を設け、人権、パワーハラスメント、セクシャルハラスメントなどを含む企業倫理全般に関する相談や意見を従業員から受け付けています。