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2014年度の活動ハイライト1

環境:低温暖化冷媒の普及促進:新興国で低温暖化冷媒の普及に向けた技術支援

Why? なぜ重要か

新興国でHCFCの冷媒転換が迫られている

冷媒は、エアコン内部を循環して熱を運ぶ不可欠な存在ですが、「モントリオール議定書」と「京都議定書」によって、オゾン層破壊と地球温暖化につながる従来冷媒の使用が規制され、オゾン層保護と地球温暖化抑制を両立する次世代冷媒が求められています。先進国ではすでにオゾン層を破壊しないR410AなどのHFCに転換されていますが、その高い温暖化影響が課題になっており、次世代冷媒を探索する動きが活発化しています。

一方、新興国においては2013年に、現行冷媒であるR22などHCFCの段階的な使用削減が始まりました。経済発展に伴ってエアコン需要が増大している新興国で、先進国と同様にR410Aを採用すれば地球温暖化を加速させるため、R410Aに代わる次世代冷媒への転換は喫緊の課題です。

エアコン用冷媒の環境影響と変遷

エアコン用冷媒の環境影響と変遷

※1 温暖化係数:IPCC第4次評価報告書を使用。

R32普及の効果(試算)

R32普及の効果(試算)

“The large contribution of projected HFC emissions to future climate forcing” Velders et al.(世界気象機関)のSupporting Informationをもとに当社作成。R32普及の効果は、R410Aの100%、R404Aの50%がR32に転換した場合の効果を試算。

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DAIKIN’S APPROACH

新興国を含む全世界で普及促進

次世代冷媒の選択には、環境性能だけでなく、安全性・経済性などを総合的に勘案する必要があります。ダイキンは、世界で唯一、エアコンと冷媒の両方を手掛けるメーカーとして、温暖化係数(GWP値)だけでなく、製造・使用・廃棄のライフサイクル全体で冷媒が与える影響や、機器を使用する地域や気象条件も考慮し、総合的に評価した上で用途に応じて最適な冷媒を選択することを基本方針としています。さらに、冷媒の変更には、国際標準化機構(ISO)や国際電気標準会議(IEC)などの国際規格、各国の規制・規格など、さまざまなものが関わってきます。ダイキンは、国際的な議論と独自の評価・検討を重ねた結果、現時点で家庭用・業務用エアコンの冷媒としてR32が最適と判断しました。R32はR410Aと比べて温暖化係数が約1/3であり、1台あたりの冷媒の充填量を削減できること、エネルギー効率が良く、さらに、使用済みの冷媒を再生・再利用しやすいからです。2012年度に世界で初めてR32を採用した家庭用エアコンを日本で発売。2015年3月末現在、世界43カ国に拡大するとともに、業務用エアコンや給湯機でのR32転換を進めてきました。

しかし冷媒による環境負荷を抑制するためには、自社製品にR32を採用するのはもちろんのこと、他社製品も含めて採用を進めることが大切です。特に、次世代冷媒への転換が喫緊の課題となっている新興国で、R32転換のノウハウや知識が十分でない現地の政府やエアコンメーカー、さらには代理店のエンジニアに技術や知識を伝え、ライフサイクル全体で支援することによって、社会課題であるオゾン層保護、地球温暖化抑制に貢献したいと考えています。

次世代冷媒候補と特徴(家庭用、業務用エアコンの場合)

次世代冷媒候補と特徴(家庭用、業務用エアコンの場合)

※2 温暖化影響:エアコンのライフサイクル全体での温暖化影響(エアコンの使用時の影響+冷媒の排出影響)。

※3 IPCC第5次評価報告書を使用。

エアコンのライフサイクルと、冷媒の温暖化影響低減策

エアコンのライフサイクルと、冷媒の温暖化影響低減策

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PERFORMANCE

タイで、現地のエアコンメーカーにR32に関する技術指導を実施

ダイキンは、冷媒転換が迫られている新興国でR32の使用を促進するため、「R32を使用した空調機の製造・販売に不可欠な基本特許」の無償開放やサービスエンジニアの技術支援などR32への転換を支援してきました。

モントリオール議定書に基づき、日本を含む先進国が拠出する国連多数国間基金制度のもと、途上国は冷媒転換計画書を提出し、計画内容に応じて基金を受託することができます。中国に次ぐエアコンのグローバル生産拠点であるタイでは、2017年からオゾン層を破壊する現行冷媒R22の国内での使用を制限し、R32に転換する方針を打ち出しています。タイ政府はこのモントリオール議定書に基づく基金を受託し、基金の一部を使ってR32への転換を進めようとしています。

ダイキンは、2014年4月にタイでR32を用いたエアコンを発売する一方、世界銀行(国連基金の執行機関)とタイ政府から要請を受けて経済産業省が立ち上げた支援プロジェクトに参画し、日系エアコンメーカー有志と協業して、タイ国内メーカーにR32への転換支援を実施しています。

継続的な技術支援でタイのR32普及に貢献

2014年11月、世界銀行とタイ政府の技術支援に関する基本合意の後、ダイキンは関係者との意見交換を重ね、テキストの作成や具体的な支援プログラム内容の検討を進めました。そして2015年4月、関係者を集めてキックオフセレモニーを実施。世界銀行、タイ工業省、経済産業省、ダイキンなどからの出席者が、R32への転換プロジェクトや支援内容の概要を説明しました。セレモニーに続き、タイ国内メーカー12社に、R32エアコンを製造するダイキンの現地工場の見学、R32エアコンを安全に製造するための生産設備の留意点に関する技術セミナーを開催しました。

さらに同年5月から、タイ国内メーカー12社のサービスエンジニアに、R32エアコンの据付・修理トレーニングを実施します。彼らがさらに自社の代理店のエンジニアを指導・教育をすることで、タイのエアコン市場全体での技術力が底上げされることが期待できます。

また、タイ国内のR32エアコンを製造・販売・廃棄する上での安全基準を、タイ政府が策定するために必要なR32の技術情報を提供していく予定です。

タイ工業省でのキックオフセレモニー(2015年4月)

タイ工業省でのキックオフセレモニー (2015年4月)

左から2番目より、経済産業省、ダイキン工業、タイ工業省、世界銀行

左から2番目より、経済産業省、ダイキン工業、タイ工業省、世界銀行

サービスエンジニアを対象にR32エアコンの据付・修理トレーニング

冷媒のライフサイクル全体の環境負荷を考えたとき、いくら冷媒やエアコンの環境負荷が低くても、据付・修理などによって冷媒漏れが生じては意味がありません。ダイキンは、現地の代理店を巻き込みながら、据付・修理を担うサービスエンジニア研修に力を入れています。

タイの販売会社であるサイアムダイキンセールス社では、2014年から社内の研修センターをはじめ各地で、ダイキンの代理店エンジニアを対象に、R32の認知・普及に向けた据付・修理のトレーニングを実施。2014年度は853名が受講しました。

その実績が認められ、2015年1月には、タイ労働省傘下の能力開発・職業訓練所の正式プログラムとして認定されました。ダイキングループの代理店以外にも広く門戸を開き、より多くの技術者が、タイ労働省が認定するサービスエンジニアの資格を取得できるようサポートしています。1~3月にタイ労働省認定プログラムとして14カ所でオープンセミナーを開催し、721名のエンジニアが受講。2015年度は約1,000名の受講者を予定しています。

このように、タイ国内のサービスエンジニアの技術レベル向上により、据付・修理時の冷媒漏れが削減され、温室効果ガスの排出抑制に寄与するだけでなく、エンジニアの社会的地位が資格取得によって高まり、技術レベルの高い仕事を任され、収入が増えることも期待できます。

タイ労働省認定プログラムオープンセミナー開催地

タイ労働省認定プログラムオープンセミナー開催地

ダイキンインダストリーズタイランド社で実施したタイ国内メーカーを対象とした工場見学

ダイキンインダストリーズタイランド社で実施したタイ国内メーカーを対象とした工場見学

タイ国内メーカー12社への据付・修理トレーニング

タイ国内メーカー12社への据付・修理トレーニング

タイ国内メーカー12社への据付・修理トレーニング

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NEXT CHALLENGE

さらなる次世代冷媒の探索で冷媒の環境負荷低減に向けて

今後、その他の新興国でもR32の普及に向けて、当社の強みである技術力を駆使して継続的に支援します。

これらの活動は、オゾン層保護や地球温暖化抑制に貢献するだけでなく、新興国の国内企業の技術力向上と経済発展に寄与します。さらに、R32が普及し低温暖化冷媒の市場が広がることは、当社の事業成長にもつながります。

また、ダイキンの冷媒方針は、適材適所の冷媒を選択すること。家庭用エアコンや業務用エアコンなどでR32の普及促進に世界的に取り組んでいますが、給湯機やチラー、冷凍冷蔵機器など、用途に応じた最適な代替冷媒を継続的に探索しています。

空調と冷媒を手掛ける世界で唯一のメーカーとして、最も環境負荷の少ない理想の冷媒を探求し続け、オゾン層保護と地球温暖化抑制に貢献していきます。

ダイキンが考える冷媒選択の例

ダイキンが考える冷媒選択の例

ステークホルダーの声

経済発展と地球環境を両立させる優れたパートナーシップ事例です

ダイキンは、日本の経済産業省とタイ工業省の協定の一環として、現地空調メーカー12社がR32に転換するための技術支援をしています。これは、タイの空調業界において製品の性能や信頼性の向上に資する先進的な取り組みであるとともに、オゾン層保護と気候変動の抑制への貢献が期待され、経済発展と地球環境の保全を両立する優れたパートナーシップの事例です。

2015年4月にはダイキンインダストリーズタイランド社のチョンブリ工場を、現地メーカー12社、政府代表者、タイの職業訓練所の代表者が訪問しました。今後1年間にわたってダイキンは開発や生産プロセス、据付、サービスに関する継続的な研修を実施し、R32への転換が成功すれば、タイ空調業界のグローバルでの競争力が強化されるでしょう。

世界銀行 Senior Environmental Specialist Viraj Vithoontien氏

世界銀行 Senior Environmental Specialist Viraj Vithoontien氏

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