ダイキン工業株式会社

CORPORATE NEWS [最新ニュース一覧]  2009年5月26日
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世界初※1 100%分解・除去
ストリーマ放電技術による
「強毒性 ヒト由来鳥インフルエンザウイルス:A型H5N1」
※2への効果実証

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ダイキン工業株式会社は、ベトナム国立衛生疫学研究所との共同研究により、強力な酸化分解力を持つストリーマ放電技術が、「強毒性 ヒト由来鳥インフルエンザウイルス:A型 H5N1」(以下、鳥インフルエンザウイルス)を3時間で100%分解・除去することを世界で初めて実証しました。今回の実証内容は、ストリーマ放電技術により、鳥インフルエンザウイルスの表面のタンパク質を酸化分解したことで、感染力が失われているものと考えられます。
本共同研究は、WHOがウイルスの研究機関として指定した国際的なウイルス研究機関の一つであり、人に感染したウイルスを入手できるということから、ベトナム国立衛生疫学研究所にて実施しました。この実証結果は、同研究所のウイルス部門長であり、インフルエンザ研究センター長のレ・ティ・クイン・マイ博士(以下マイ博士)との共同研究の成果です。
なお、今回の研究内容と実証については、本年7月2日にベトナム国立衛生疫学研究所のマイ博士をお招きし、東京にて研究発表会を開催する予定です。


■ストリーマ放電技術について

2004年に当社が開発したストリーマ放電技術(写真1)は、これまで困難とされていた「高速電子」を安定的に発生させることに成功した画期的な空気浄化技術です。 ストリーマ放電とは、プラズマ放電の一種で、酸化分解力の高い「高速電子」を3次元的・広範囲に発生させるため、一般的 なプラズマ放電(グロー放電)と比べて、酸化分解力が1000倍以上になります。 本技術は、空気成分と合体した高速電子が、強い酸化分解力をもつため、ニオイや菌類・室内汚染物質のホルムアルデヒドなどに対しても持続的な除去効果があります。 これまでにも、弱毒性インフルエンザウイルスやノロウイルス、食中毒の原因となる毒素や細菌といった、有害物質の不活化効果があることを、大学及び公的研究機関と共同で実証してきました。 【写真1】ストリーマ放電技術
【写真1】ストリーマ放電技術


   ※1   2009年5月26日時点において
   ※2   鳥から人に感染したclade 1- HN30408タイプのウイルス


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■試験方法

ウイルス疫学で一般的な試験であるTCID50※3と CPE※4試験により、鳥インフルエンザウイルスを付着させたMDCK細胞※5にストリーマを照射したものを、時間経過毎に細胞の変化を観察し、ウイルスの残存率を測定しました。

■実証結果

比較対照として測定したストリーマ照射なしの鳥インフルエンザウイルスは100%残存した状態であったのに対して、ストリーマを照射した鳥インフルエンザウイルスは1時間後に約97%、3時間後には 100%分解・除去されたことが確認できました。(図1)(写真2)

ストリーマ照射によるヒト由来鳥インフルエンザウイルス残存率の変化
   ●試験機関: ベトナム国立衛生疫学研究所
   ●試験時期: 2009年3月10日〜4月16日 
   ●試験対象: 強毒性 ヒト由来鳥インフルエンザウイルス(A型 H5N1)

【図1】ストリーマ照射による鳥インフルエンザウイルス残存率の変化


ストリーマ照射の有無によるMDCK細胞の変化
【写真2】ストリーマ照射の有無による3時間後のMDCK細胞の変化


   ※3   Median tissue culture infective doseの略 : 50%以上の細胞を感染させたウイルス量(段階的に希釈したウイルス液を細胞へ接種し感染力を調べる方法)
   ※4   Cytopathic effectの略 : 細胞変性効果
   ※5   実験用に用いられる動物の細胞の一種

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■「ストリーマ」放電技術による過去実証済み試験項目

「ストリーマ」放電技術による過去実証済み試験項目

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【参考資料】

■ベトナム国立衛生疫学研究所(NIHE:National Institute of Hygiene and Epidemiology)について

強毒性 ヒト由来鳥インフルエンザウイルスの評価が可能な、WHOから指定された世界中でも限られた研究機関です。鳥インフルエンザの領域において、世界第2位の鳥インフルエンザ被害国でもあるベトナム国内の研究機関としてはもちろん、世界的にもトップクラスです。
文部科学省「新興・再興感染症研究拠点形成プログラム」のもとに、国際連携を展開中です。本研究所は、ベトナムを代表する研究機関としてこのプログラムに参画しています。(2005年〜2009年)
本研究所は、日本政府による「国立衛生疫学研究所高度安全性実験室整備計画」のもと、最も危険なウイルスの実験ができる施設であるBSL-3実験室を4室保有しています。(2006年)


■レ・ティ・クイン・マイ博士(Le Thi Quynh Mai, MD Ph.D.)のプロフィール

博士は、鳥インフルエンザの研究において多数の論文を発表されており、世界で最も権威のある科学技術雑誌「Nature」に掲載されるなど、世界を代表する研究者の一人です。

<所属> 
     ベトナム国立衛生疫学研究所(NIHE:National Institute of Hygiene and Epidemiology)
       ・ウイルス部門 部門長(Head, Department of Virology)
       ・インフルエンザ研究センター センター長(Director of National Influeza Center,Vietnam)

<これまでの実績>
     2001〜2003年 長崎大学 熱帯医学研究所との共同研究
(鳥インフルエンザウイルスなど動物由来感染症の調査・研究)
     2004年 東京大学 医科学研究所との共同研究
(河岡教授らの研究グループと共同で鳥インフルエンザウイルスの研究)
     2005年 文部科学省 新興・再興感染症研究拠点形成プログラムに研究所代表者として参画

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■試験方法(詳細説明)
  1) TCID50
インフルエンザウイルス溶液をペトリ皿に入れ、ストリーマを1〜4時間照射する。 照射ウイルスと未照射ウイルスを希釈し、MDCK細胞と混合し感染させる。
インフルエンザ感染MDCK細胞を1.5×10の5乗に調整し、一晩培養する。
培養後ELISA法※6でインフルエンザウイルス抗原を検出し、TCID50を算出する。
  2) CPE
インフルエンザウイルス溶液をペトリ皿に入れ、ストリーマを1〜4時間照射する。
照射インフルエンザウイルスと未照射インフルエンザウイルスを希釈し、MDCK細胞と混合し感染させる。
インフルエンザ感染MDCK細胞を1.5×10の5乗に調整し、インキュベーターで培養する。 24時間〜7日間培養後の細胞変性を顕微鏡観察で判定する。

    ※6   抗原抗体反応を用い、目的物質の量を検出する方法


■推定されるインフルエンザウイルスへの反応メカニズム
ストリーマによりインフルエンザウイルス表面のタンパク質(HAとNA)※7を酸化分解し、インフルエンザウイルスの感染性が失われているものと考えられる。
推定されるインフルエンザウイルスへの反応メカニズム
≪推定されるヒト由来鳥インフルエンザウイルス分解メカニズム≫

推定されるヒト由来鳥インフルエンザウイルス分解メカニズム

   ※7   HA(赤血球凝集素)、NA(ノイラミニダーゼ)。インフルエンザウイルス粒子表面からトゲ状に突出した糖タンパク。インフルエンザウイルスの感染あるいは細胞内での増殖後のウイルスの放出に重要な働きをする


ニュースリリースに掲載されている情報は、発表日現在のものです。
予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

●報道機関からのお問い合わせ先
  ダイキン工業株式会社 コーポレートコミュニケーション室
  【本社】 〒530-8323 大阪市北区中崎西二丁目4番12号(梅田センタービル)
TEL (06)6373-4348(ダイヤルイン)
  【東京支社】 〒108-0075 東京都港区港南二丁目18番1号(JR品川イーストビル)
TEL (03)6716-0112(ダイヤルイン)

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