【要旨】
ダイキン工業株式会社(本社:大阪市)の100%子会社、株式会社ダイキン環境研究所(本社:つくば市)は、学校法人早稲田大学をはじめとする5機関との共同研究により、鶏卵抗体を活用し、空気中のインフルエンザウイルスを瞬時に不活化するバイオフィルター技術を開発しました。これは生物体内でおこる免疫反応をフィルター上で再現するものです。このバイオフィルターにインフルエンザウイルス飛沫を通す検証実験により、バイオフィルターに噴霧した99.99%のインフルエンザウイルスが10分以内に不活化されることを確認しております。
【インフルエンザウイルスの不活化】
インフルエンザウイルスは室内の相対湿度が50%以下で不活化されないため、従来の吸着による除去フィルターでは一旦捕捉されても、乾燥すれば再び空気中に放出されてしまうという問題点があります。そのため、吸着している間に不活化する技術を併用しますが、物理的・化学的方法では不活化するまでに時間がかかるという問題点がありました。
【鶏卵抗体の有効性】
抗体を用いた不活化は物理的、化学的な方法と比べて、生体成分であることから安全性が高い上に、特定のウイルスを瞬時で不活化できるという特異性の点で注目されています。しかし、素材となる抗体が高価であるため、従来は治療薬や診断薬にしか使えませんでした。
今回使用した鶏卵抗体は、インフルエンザウイルスを特異的に吸着し、不活化するバイオ素材です。今回の技術的な成果は、鶏卵抗体を安価に量産する技術を確立し、免疫反応に不可欠な水分を保つフィルターを応用開発した点にあります。抗体を利用したバイオフィルターとしては世界ではじめてのものです。
この研究成果は、10月27日国立京都国際会館で開催される日本ウイルス学会第51回学術集会でも発表する予定です。
|