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暮らしからデザインするプロダクト開発

環境、文化、価値観の違いに向き合う

現在私は、インドという環境も文化も価値観も日本と全く異なる市場をターゲットにした家庭向けのプレミアムエアコンの開発を担当しています。

インドは大変暑く、自動車のトランクに入れたスーツケースの樹脂部分が溶けてしまうほど過酷な環境です。そんな厳しい自然環境の中、急速な都市化も伴い、熱中症で命を落としてしまう人が年々増加しており、社会的な課題の一つになっています。インドにおいて、エアコンは人命に関わる設備機器であり、水道や電気と同じように生活に欠かすことの出来ないライフラインになりうるのです。

インドにふさわしいエアコンのデザインとは

インドでは、壁や天井に埋め込まれたシステマチックなエアコンよりも、スタンドアローンな壁掛け型エアコンが多く見られます。複数台設置による経済的な理由の他、過酷な環境下で故障した際、交換にかかる時間が生活や人命に深く関わるからです。
そこで近年、インド国内外のメーカーから安価な壁掛型エアコンがどんどん普及するようになりました。
しかし安価な壁掛けエアコンの普及は、地域のエネルギー不足、家屋全体の空調制御の煩雑化、複数の室外機設置によるスペース不足といった新たな課題も引き起こしています。
インドにふさわしいエアコンのデザインを考える際、形状や質感といった製品単体のことはもちろん、使用される環境や市場の要素がとても重要になるのです。

そこで、日本では店舗やビルに組み込まれるシステマチックな空調。しかも信頼のおける高級設備として、インドの使用環境にマッチするプレミアムエアコンを開発することになりました。
試みの第一ステップとして壁掛け型のシステムエアコンを設計しており、現在現地エンジニアと量産に向けた最終調整を行っています。

暮らしに見る空気のニーズ

今回の開発を行うにあたり、インドの空気事情を知る必要がありました。現地エンジニアや営業スタッフとの議論を深める中、滞在中は空調機の導入例調査にとどまらず、その環境を肌で感じられるよう様々な場所へ足を運びました。
実際に滞在してみると、暑さだけではない様々なインドの空気に出会いました。例えば大気汚染も深刻で、時には目に見えるほどの塵が空気中に蔓延しており、晴天時の日照さえ霞むことがあります。また郊外の乾燥した砂漠地帯は、歩くだけで砂埃が舞い、家々の玄関先や窓には常に砂が溜まっています。

そんな日本では想像もつかないような環境ですが、伝統的な住居に目を向けると、それらがインドの風土に適したものであることがわかります。例えば、石と土でできた構造は灼熱や乾燥に耐え、また自然の風を取り入れることで室内の熱を逃がす意匠壁など、人々の暮らしの中には厳しい気候との接し方が今も脈々と受け継がれていることが伺えます。
ところが都市部を中心に、急速な近代化と経済成長の影響でコンクリートやガラスでできた建造物が量産され、必ずしも適した空気で満たされていない空間が増えています。空気に対するニーズが高まっているという状況が、現地の暮らしからも見ることが出来るのです。

環境と暮らしを結びつけるような空気を届けたい

インドでの仕事を通し、環境の違いは肌で感じる暑い寒いだけでなく、そこで営まれる暮らしからも読み取ることができることに気づかされました。各地の環境の違いは暮らしを変え、景観や風習を魅力的なものに形成するのではないかと感じます。

その土地の環境に向き合いながら、どのような意図で、どのような空間が作られているかを探ることで、「見えない空気を愛されるものに」というダイキン・デザインのフィロソフィーを実現するヒントが得られる気がするのです。

どこにでも存在する空気の観点から、その土地に根付く暮らしの美しさにより磨きのかかるライフスタイルを探ってゆきたいです。

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