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新しいUXを生み出すために

コトづくりから新しいモノづくりを考える

新しい日常をデザインする

暑い夏の日や寒い冬の日、エアコンの効いた空間に入ると、とても快適で、心も体も癒やされます。それは、もう当たり前の日常・風景となっています。エアコンや空気清浄機がある生活は既に日常であり、私はそれらのプロダクトデザインをしていました。今、私たちダイキンデザイングループは、人々に対し、空気質や空間を通して、新しい感動体験を提供することで、日常でありながらも、気づけていなかった空気や風景をもっと人に愛されるようプロダクトデザインだけに留まらない、多角的なデザインにチャレンジしています。それをUXデザインと位置づけ、私はその担当をしています。

空気は目で見ることができません。暑い、寒い、心地よいといった「形容詞」は、感じ方も人によって異なり、言葉や数値などでも表しにくいものです。また、感動という価値や効果は、ユーザーが利用して初めて表れるものですから、開発やデザインの検討段階で予見しづらいからこそ、この曖昧かつ不確実な空気を相手に、新たな価値を創出することの無限大の可能性に面白さを感じています。

注意したいのは、曖昧な中から、新たな価値を想像・創造するのですから共感を得られなければ意味がありません。私は、普段の生活の中の「あるある」体験をもとに、そこに付随する「形容詞」を共通なイメージで見える化することで、広く共感を得られることに心がけています。思い込んでいた今までの風景を変える画期的なイノベーションこそ感動価値であり、まさに新しい日常の具現化ではないでしょうか。

常識を見つめる・見直すことが新しい感動価値の源

画期的なイノベーションのためには、今までの概念や常識を覆す視点や思考で、アイデアを数多く出すことが必要と、よく言われます。なかなか、簡単に出せるものではないのですが、まずはデザイナーが、今まで体験したことのないさまざまなプロダクトやサービスの体験者=生活者になって、自分の中の常識を見つめる、見直すことが、新たな常識を生むひとつだと思います。感動や満足をもたらすことだけでなく、不満や問題を解決するコトづくりも、実際に見て使って体験していけば、アイデアがひらめき、デザインに紐づけることができるはずです。ひらめきは、見る角度をたくさん変えてみることで、生まれると思うのです。常に日常生活者であり、客観者であることが大切だと考え、心がけています。

まだ、アイデア段階ではありますが、スケッチにある「焼肉店の消臭トンネル」も、そうした日常の「あるある」から生まれたアイデアです。食後に服や髪についた焼肉のニオイを、くぐると瞬時に消すことができるトンネルがあったら、帰宅しても奥さんに焼肉臭い、タバコ臭いと言われなくてもいいのにと思ったのがきっかけです(笑)。加えて、圧倒的に先進的で、くぐってみたくなるモノのデザインも感動価値を創るポイントです。

コトの実現に不可欠なモノ

前段でも述べましたが、アイデアを具現化し、昨今聞きなれた「コトづくり」を叶えるには、「モノづくり」も重要と考えています。高い価値をもたらす機能や性能はもちろん、空気や音、香り、サービスといった、物質として目には見えないモノは尚更、それらを実感し体験するための手段やモノがなければ、ユーザーが利用したり満足したりすることはできません。

思い起こすと、今までダイキンで行ってきた「モノづくり」は、「コトづくり」という言葉が流行る以前から、プロダクト製品開発を通じてコトづくりを行っているものが、実際に具現化されているのではないでしょうか。例えば従来の機能性重視のメカニカルな印象のデザインをやめて、インテリアとして置きたくなる「デザイン空気清浄機」や、見たことのない薄さと運転時にエアコンが変形するといった、思わず人に自慢したくなるルームエアコン「UX」などは販売時点だけでなく、購入後の日常の感動体験を生むモノづくりだと思うのです。

よって、ダイキンには、空調などコアな技術があるからこそ、新しい価値と感動を提供する空気空間のデザインができると確信しています。技術を翻訳して可視化し、ユーザーにわかりやすく提供して、気持ちの高揚や、プラスになる新しい行動を起こしてもらう。コトづくりのビジネスモデルまで考えてより良い経済構造を考えることも、デザイナーは忘れてはいけないと思います。

新しいコトとモノは「実現」にこだわり、挑戦し続けることから生まれる

多様化するニーズや技術革新、社会状況の変化にともない、コトづくりにはますます多角化、新しさが求められてくると思います。それに対応していくには、デザイナーだけでなく、技術者、学者など、多様なバックグラウンドを持つ人同士の連携によって如何に「実現」させるか。企業や業界を超えたオープンイノベーションを加速させることが必然でしょう。

コトとモノは一体不可分。コトの価値を享受する存在・手段として、モノのプロトタイプで共感を確認しながら、今までになかった感動価値を生み出すプロセスにチャレンジしていきたいと考えています。感動価値、コトづくりへの生み出し方は、未だ模索中ではありますが、あきらめず、挑戦しつづける気持ちが、何よりも大切なコトではないでしょうか。

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