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人や社会、環境を豊かにする公共空調プロダクトデザインとは

多くの人が使う公共プロダクトの留意点

プロダクトも空間に魅力をもたらす大事な要素

住まいやオフィス、商業・公共施設など、人は24時間365日、さまざまな空間で過ごします。そして、その空間が心地よく魅力的であるかは、広さや開放感、明るさ、機能性といった、さまざまな要素にかかっています。

もちろん空間を構成するプロダクトも、その中のひとつです。自宅のテレビ、オフィスのパソコン、駅のベンチなど、空間にはいろいろなプロダクトがあふれています。そうしたプロダクトが、空間にいかにして溶け込み、人々に役立ち、魅力や価値を提供することができるか――そのポイントを、今回はオフィスや商業・公共施設の空間を構成する、公共プロダクトで考えてみたいと思います。

「多様性」に応えるための工夫を

まず、公共プロダクトで大事なポイントになるのが「多様性」です。例えば信号機なら、だれが見ても信号機であることを識別でき、「赤は停まる・青は進む」と、だれもが無意識かつ公平に利用できることが不可欠です。不特定多数のユーザーが操作するプロダクトの場合には、より簡単に使えることも必要になります。

ダイキンでも、オフィスや商業・公共施設などに導入される業務用の空調製品については、家庭用の空調製品以上に操作性を追求しています。例を挙げると、業務用エアコンのリモコンには、不特定多数のユーザーが操作方法を直感的に理解し、無意識にボタンに手が伸びるように、ピクトグラムを用いたデザインを採用しています。きめ細かな工夫を施すことで「多様性」に応えることができるよう配慮しています。

不特定多数の人が集う空間を快適にするには

2つめのポイントは「快適性」です。わかりやすさや使いやすさによる快適さはもちろん、多くの人たちがその空間で心地よく過ごせるようにバックアップしたりプロデュースしたりするのも公共プロダクトの役割です。

特に、オフィスをはじめとする滞在時間の長い空間では、快適性を高めることがとても重要になります。当然、心地よい空間づくりの核となるエアコンには、さまざまなことが求められます。一般的に人が快適と感じる温度は25℃、湿度は45〜60%と言われていますが、かなりの個人差があるものです。多様な人が集まる空間ほど、適温の設定が難しくなるので、空間の構成や使用目的、人の活動傾向などに合わせて、臨機応変に対応できる機能が必要になります。

ダイキンの業務用カセット型エアコンは、 全方向 から風が吹き出すようにデザインし、それぞれ風向きを設定することができます。人のいる場所を検知し、風あたりを軽減するセンサーも搭載し、複数台使用する場合でも1台ごとに気流設定が可能です。空調の基本的とも言える、快適な気流機能を追求することで、エアコンへの要望の中でもっとも多い「一定の場所や人だけが暑い(寒い)、風があたる」といった課題を解決して快適な空調空間を提供しています。

公共ならではの枠組みの中で、デザインに取り組む

そして、もうひとつのポイントが「デザイン性」です。今では、街や施設づくりにおけるデザインの重要性や価値が確立され、公共プロダクトのデザインも向上しています。それでもまだ無機質なものやデザインが不届きなものも多く、ユーザーや空間設計の専門家からのデザインに対する期待値は、千差万別です。

一方、公共プロダクトは、コンシューマー向けのプロダクトよりもコストや耐久性、メンテナンス性などを高い基準で極めていく必要があります。そのため、表層的ではない、より本質を捉えた合理的なデザインが求められます。

しかし、公共空調のデザインも、心地よい空間づくりの主役のひとつなのですが、魅力的な空間、おしゃれな空間という観点から見ると、「視界や空間デザインの妨げになってしまう」といった声を耳にします。重要なのは、フラットパネルやビルトインタイプといった、主張を抑えて脇役に徹するデザイン。つまり、空間の中で調和しながら「空間を気持ち良くする」デザインの追及です。

公共プロダクトだからこそ、新しい視点を持って

以上のように、公共プロダクトは多くの制約がありますが、その決まった枠の中でもできることは数多くあり、改善すべき要素を発見し、カタチに表現できるのがデザインの力、デザイナーの仕事です。「業務用空調機はこうあるべき」という固定概念にとらわれず、新しい視点を持って取り組むことが大切ではないでしょうか。

機能もデザインも、公共プロダクトの質を高めていくことは、空間だけでなく人や社会、環境を豊かにすることにもつながっています。これからは、プロダクトづくりと空間づくりを別々に行うのではなく、共に考え、共にデザインすることがますます増えていくと思います。そうした取り組みの中から新たなイノベーションは生まれると考えています。

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