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冷媒に関するQ&A

Q.キガリ改正で合意されたことで、今後HFCはモントリオール議定書で禁止されるの?

A.いいえ、禁止されません。

HFCはモントリオール議定書にて全廃されません。キガリ改正において、HFCはCO2換算で定められたスケジュールに基づき、段階的に削減されることが定められていますが、今後も継続して使用が可能です。

モントリオール議定書、キガリ改正についての詳細はこちら

Q.モントリオール議定書において、HFCは数量ベース[kg]で削減されるの?

A.CO2換算(GWP×数量)で削減されます。

HFCは数量ベースではなく、CO2換算(GWP×数量)で削減されます。CO2換算量における生産・消費枠内の中で、より低いGWPを有する冷媒のほうが多くの数量(kg)を生産・消費することが可能です。

Q.CO2排出量がモントリオール議定書で規制されることになるの?

A.あくまでHFCの生産・消費量が規制されます。

モントリオール議定書はCO2換算でHFCの生産、消費量を削減していきます。CO2排出量はパリ協定において管理されます。

Q.キガリ改正を達成するには低GWP冷媒への転換のみ実施すればよいの?

A.エネルギー効率、安全性も考慮しなければなりません。

キガリ改正では、低GWP冷媒への転換だけを重要視しているわけではありません。エネルギー効率、安全性も重要項目とし、議論されています。

主な冷媒の物性

各項目について

  • 毒性、燃焼性:冷媒の安全性を規定する国際規格 ISO 817や米国規格ASHRAE 34では、毒性を2つの区分(低毒性:A、高毒性:B)、燃焼性を4つの区分(不燃性:Class1、微燃性:Class2L、燃焼性:Class2、強燃性:Class3)に分類しています。
  • GWP(Global Warming Potential、地球温暖化係数):温室効果ガスについて、どの程度の温室効果があるかをCO2基準で表した値。一定期間での温暖化影響を積分値で計算しています。
  • 組成:単一の物質からなる単一冷媒と、複数の冷媒を混ぜた混合冷媒があります。
  • 大気圧飽和温度(沸点)、飽和蒸気圧:各機器の用途により適切な温度・圧力帯は異なります。
  冷媒名 分類*1 GWP*2 組成
(重量比%)*1
大気圧
飽和温度
(℃)*3
飽和蒸気圧
(MPa)
25℃*3
毒性 燃焼性
HFC R22 A 1 1810 R22 (100) -40.8 1.04
R404A A 1 3922 R125/143a/134a
(44.0/52.0/4.0)
(沸)-46.2
(露)-45.5
(液)1.25
(ガス)1.24
R410A A 1 2088 R32/125
(50.0/50.0)
(沸)-51.4
(露)-51.4
(液)1.66
(ガス)1.65
R407C A 1 1774 R32/125/134a
(23.0/25.0/52.0)
(沸)-43.6
(露)-36.6
(液)1.19
(ガス)1.02
R407H A 1 1495 R32/125/134a
(32.5/15.0/52.5)
(沸)-44.6
(露)-37.6
(液)1.24
(ガス)1.06
R134a A 1 1430 R134a (100) -26.1 0.67
R32 A 2L 675 R32 (100) -51.7 1.69
HFO/
HFO混合
R513A A 1 573 R1234yf/134a
(56.0/44.0)
-29.6 0.71
R1233zd(E) A 1 1 R1233zd (100) 18.3 0.13
R1234ze(E) A 2L <1 R1234ze (100) -19.0 0.50
R1234yf A 2L <1 R1234yf (100) -29.5 0.68
自然冷媒 プロパン
/ R290
A 3 3 R290 (100) -42.1 0.95
イソブタン
/ R600a
A 3 3 R600a (100) -11.7 0.35
CO2
/ R744
A 1 1 R744 (100) -78.5 6.43
アンモニア
/ R717
B 2L <1 R717 (100) -33.3 1.00
*1
ISO817, ASHRAE34参照。
*2
IPCC第4評価報告書にもとづくGWP100値。第4次評価報告書に記載がない場合のみ、第5次評価報告書を参照。
*3
物性値はNIST(National Institute of Standard & Technology、米国国立標準技術研究所)REFPROP ver 10で算出。混合冷媒の場合、大気圧飽和温度は沸点/露点、飽和蒸気圧は液/ガスの両方の値を記載。

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