ダイキン工業株式会社

冷媒の環境課題に対するダイキンの方針

空気を冷やしたり暖めたりするエアコンに使われている冷媒、近年この冷媒として使われるフロンガスがオゾン層破壊や地球温暖化といった環境問題を引き起こす一因となると指摘されています。

冷媒を選定するには、様々な観点からの総合的な評価が必要です。冷媒による環境影響(オゾン層破壊影響(ODP)や総合的な温暖化影響)はもちろんのこと、経済性、エネルギー効率、安全性などあらゆる角度から検討しなければなりません。

現在のところ、すべての冷凍空調機器に対応できる唯一の理想的な冷媒は存在しません。そのため、機器ごとに総合的な評価を実施し適材適所の冷媒を選定することが大切です。

冷媒選択の多様性
機器の用途に応じた最適な冷媒選択

冷媒選択の多様性

ダイキンの基本的な考え方は『冷媒選択の多様性』です。冷媒のライフサイクル全体にわたる環境影響を低減するため、さまざまな側面から総合的な評価を行い、各機器の用途に合った適材適所の冷媒選択を推進しています。

ダイキンが考える冷媒選択の方向性

ダイキングループが現在販売している代表的な製品についての冷媒選択の方向性を示しており、その他の製品では上図で示す冷媒以外も使用される可能性があります。例えば、弊社では製造しておりませんが、ウインド型エアコンや家庭用冷蔵庫には炭化水素系冷媒(R-600a、R-290など)、カーエアコンにはHFO系冷媒が使用できる可能性があります。

ダイキンのこれまでの経験

ダイキンは冷凍空調機器メーカーと冷媒メーカーの両面を持つ企業として、90年の歴史と経験を持ち、常に環境課題解決のために先進的な取り組みを行ってきました。

国際的な冷媒動向の変遷とダイキンの経験

冷媒選択の考え方

ダイキンは各機器の用途に合った適材適所の冷媒を選択します。そのために、1)安全性、2)環境性、3)エネルギー効率、4)経済性の観点から、総合的な評価を実施しています。

冷媒選択時の総合的な評価項目 (すべての機器に共通)

安全性 環境性 エネルギー効率 経済性

安全性

冷媒は、ライフサイクル全体(製造、輸送、貯蔵、機器における使用、据付、回収)を通じて、安全に使用できなければなりません。

安全性評価においては、毒性や燃焼性といった冷媒物性のほか、ヒューマンエラーも含めた機器使用時のリスクも観点にいれる必要があります。ある特定の機器において安全に使用できても、他の機器では充分に安全性を確保できない場合があるため、製品群ごとの安全性評価の実施が必要です。

また、たとえ不燃で毒性の低い冷媒であっても、必ずしも環境性が優れているとは言えない場合もあり、多面的な評価が不可欠です。

環境性

環境に直接影響を与える指標には、オゾン層破壊係数(ODP※1)や温暖化影響(GWP※2×機器ごとの充填量)があり、これらの値が小さい方が、環境性が高いとされています。

省資源の観点から、機器のコンパクト化や冷媒充填量の削減に寄与する熱交換特性も重要な視点であるほか、冷媒の生産プロセスにおける環境影響や冷媒のリサイクルのしやすさも考慮に入れる必要があります。

※1 オゾン層を破壊する程度を定数値化した値。R-11(CFC)を1.0として、同一質量の他の物質が放出されたときのオゾンへの影響を相対値で示すもの。

※2 温室効果ガスについて、どの程度の温室効果があるかをCO2基準で表した値。一定期間での温暖化影響を積分値で計算。

エネルギー効率

冷媒のエネルギー効率は機器使用時のエネルギー起因による間接的なCO2排出に影響を与えます。

そのため、ダイキンは、世界中のすべての気候帯において冷凍空調機器のエネルギー効率を向上させることが必須と考えており、それを実現できる冷媒を選択しています。機器の普及が進むとCO2排出要因に占める冷凍空調機器の割合は大きくなるため、機器のエネルギー効率を向上させることは、各国のCO2排出量の削減に大きく貢献します。

経済性

地球温暖化抑制のためには環境性の高い技術の普及が必要です。普及のためには経済合理性がキーとなります。冷媒に関して言えば、価格や入手性のほか、機器の使用時や据付・メンテナンス時に過剰な安全対策を要しないか、機器のコンパクト化に寄与するか、再生可能な冷媒であるか、低コストで再生ができるかなどの観点も、冷媒を選択する際に考慮されなければなりません。