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Daikin Mobility Lab.

次世代電池開発に向けての課題とは?

藤原氏

昨今、電池の更なるエネルギー密度の向上に向けて全固体電池や硫黄電池など次世代電池の開発が活発に行われておりますが、これら次世代電池の方向性の一番大きなポイントは何でしょうか?

西氏

今の研究を見ていると、重量当たりのエネルギー密度を大きくすることに重点が置かれています。電池はサイズが決められてしまいますから、重量当たりよりも体積当たりのエネルギー密度の方が大事です。次世代電池ということで、例えば硫黄を正極にすると資源的には潤沢ですが、体積あたりのエネルギー密度は小さく、実用レベルではないでしょう。一番てっとり早くエネルギー密度を上げるためには電圧を上げることですが、電圧を上げると電解液が分解するので、高電圧に耐えられる電解液に期待しています。最近、話題の固体電解質で5Vまで使えるようになれば、エネルギー密度は今よりも2割くらいは簡単にアップするでしょう。

藤原氏

実用で求められるポイントをしっかりと把握した上で各電池の特徴を見極める必要があるということですね。

西氏

電池に関する学会などでも、実際に電池を実装した結果など、電池に携わる企業が知りたい重要なポイントが議論されていません。実用機では何を要求されるか、そこを見極めないといけません。

対談の様子3
中村氏

エンドユーザーの生産技術を、材料メーカーが再現して研究開発を進めることはほぼ不可能です。それだけ電池はノウハウの塊です。今後、我々がエンドユーザーの声を効率的に取り入れていくにはどのようにすればよいでしょうか?

西氏

オーディオならオーディオのメーカー、ビデオならビデオのメーカーは、ユーザーがどのような特性を要求しているかを把握していると思います。エンドユーザーに近い企業や材料メーカーと情報交換することが大切です。

電池におけるフッ素の可能性

高橋氏

我々は電池におけるフッ素の可能性を探っています。現在、電解液、ガスケット、バインダーにフッ素が使用されています。

西氏

学会や企業の発表を見ると、フッ素化合物を添加した電解液に力を入れているということがわかります。耐電圧が上がったり、リチウムの動きを早くしたり、といった特性があるようです。代表的なのはフッ素化されたエチレンカーボネートです。フッ素を扱える材料メーカーは限られているので、是非研究開発に励んでいただきたいと思っています。

中村氏

どこでも扱えない元素であるからこそ、我々が活躍できる道もあります。フッ素メーカー同士、または異業種との協業で複合品をつくるといった取組みをしていかないと今後生き残っていけません。脱フッ素、またはフッ素で培った合成技術を違う材料の技術に活かすといった取組みも行う必要があると思っています。

高橋氏

フッ素は高いというイメージですが、電解液の中の添加剤としては少ない量で大きな効能を生みます。具体的にはフッ素の添加剤を入れることによって、電極上にSEI(Solid Electrolyte Interphase)被膜をつくって寿命を延ばします。さらに、フッ素の溶媒は、電池の高電圧化のソリューションとして、唯一無二だと考えています。

対談の様子3
山崎氏

フッ素は微量で大きく効果を変えることができます。使い方によってはとても安定感があるので、そこがフッ素のメリットだと思っています。このような魅力と価値を顧客に理解してもらえれば、自ずと受け入れてもらえるのではないかと信じています。フッ素のユニークな特性が既存電池のブレイクスルーになることを目指して、日々、研究を行っています。

西氏

つまるところは、顧客が納得して購入してくれることで量販効果がでてきます。顧客の動きをしっかりと読む必要がありますね。

EVの量産で求められる次世代電池の理想像

高橋氏

リチウムイオン電池のガスケットにもフッ素樹脂のPFAが使われています。耐薬品性が高いので、ポスト・リチウムイオン電池にも、我々の新しい商材が使えるかを提案しようと考えています。

中村氏

歴史から考えると1991年にソニーがリチウムイオン電池を世の中に出して、モバイル機器の世界を変えました。ゲームチェンジャーなるメーカーがこれから5年後に電池業界で出てくるとすればどういった業種、あるいはどのような技術を持っているところでしょうか?

西氏

今後、世の中を変えていくのはEVだと思っています。EVを動かすための電源として電池は必ず必要です。まだ量産化されていないので、提案できることが多いと思います。元素の数は限られているので、新しい電池を開発するのも難しいでしょう。技術者としては、リチウムイオン電池の自己放電率を小さくする、急速充電を可能にするなど、性能をどんどんあげていくことが大切です。

対談の様子3
藤原氏

フッ素材料は電気特性が優れているので、電力効率を上げることができます。フッ素の特性を活かすことで、自動車の電動化に貢献することができるのではと考えています。これらを踏まえ、化学メーカーとしてのダイキンができることを模索していけたらと思っています。

山崎氏

リチウムイオン電池が1991年に商品化されて20年以上経っているにも関わらず、新しい電池は実用化されていません。当社のフッ素の技術を活かして、大きな技術革新を起こすことができればと思っています。

西氏

フッ素はバインダーとしても電解液としてもいい働きをしてくれるのではないかと思っています。電池メーカーと一緒に、いい電池を開発していけたらなと思っています。

中村氏

我々は材料メーカーとして新しい技術革新という場に立ち合いたいと思っています。しっかりと次世代の技術のマーケティングを行い、業界をリードしていくメーカーと真摯に向き合って、商品開発に取り組んでいきたいです。

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参考URL

ダイキン工業 化学事業部 環境・エネルギーに活用されるフッ素(用途事例)
http://www.daikin.co.jp/chm/market/environmental-energy.html
ダイキン工業 化学事業部 自動車に活用されるフッ素(用途事例)
http://www.daikin.co.jp/chm/market/car.html

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