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Daikin Mobility Lab.

自動運転により変化する人とクルマの関係性~求められる技術課題と化学材料を先読みする~ 自動運転により変化する人とクルマの関係性~求められる技術課題と化学材料を先読みする~

自動運転化が進むことで人とクルマの関係性に変化が生じている。クルマに対しての個々の楽しみ方が多様化することで、よりヒューマンファクターを重視した材料提案や製品作りが求められるようになるだろう。自動運転の実現により、変化を遂げる自動車社会に必要なこれからの技術と化学材料について、産業技術総合研究所 自動車ヒューマンファクター研究センター 首席研究員 赤松幹之氏とダイキン工業 化学事業部長 三浦克哉氏が議論した。

三浦氏

ダイキンは創業が1924年です。あと7年で100周年を迎えます。化学事業部は1500~1600億円の売上があります。空調の冷媒から始まり、樹脂、ゴム、化成品などフッ素材料の品揃えはおおよそ1800種類にのぼります。フッ素化学の分野では、デュポン社から分離独立したケマーズ社に次いでグローバルNo.2です。フッ素の特長を活かし、自動車、情報端末、半導体での売上比率が高まっています。

変わりゆく「人とクルマの関係性」から生じる技術課題をフッ素材料で解決

三浦氏
ダイキン工業株式会社化学事業部長 三浦克哉氏

今後は、バッテリー関連の材料にも貢献していきたいと思っています。添加剤やバインダー部材はより良い性能と軽量化が求められるでしょう。金属が樹脂に変わりつつあるように、適材適所でさまざまな材料が使われています。フッ素を少し混ぜることで材料の加工性が上がったり、摩擦を減らしたりすることが可能です。フッ素は電気特性が良いので電線やLANケーブル、通信ケーブルの被覆材や基板、封止材など電子機器向けの材料としても使われています。スマートフォンの他にもいろいろなデバイスが出てくるので、基板用の材料やディスプレイなどのクルマの情報端末にも化学材料を活かしていきたいと思っています。

また、今後のクルマのニーズとしては特に耐UV性が重要と認識しています。フッ素はUVに強く、我々の汚れ防止や耐UV性の技術と材料が、自動運転車の外付けセンサーなどに活かせるのではないかと考えています。

赤松氏
赤松幹之氏

そうですね。外付けセンサーだけでなく、車の内装材も紫外線の問題、汚れの問題がよく話題になります。クルマの高級感は、外装はもちろんのこと、自分で運転してハンドルを切ったときの感じやアクセルを踏む感覚で実感します。自動運転車では機械が人に代わって運転を行うことで、これらの感覚がなくなり、良いクルマに乗っているという実感が得にくくなるでしょう。

クルマの価値は外装やエンジンといった機器から、ソフトウェアやそれに付随するアップデートなど、制御装置や方法に重きが置かれるようになります。そのため、クルマの高級感は内装のクオリティで評価されるようになります。そうなると、内装材の役割は非常に重要です。今ある内装材は紫外線に負けてしまうことが多いので、耐UV性はとても大事ですね。

一方で、自動運転になり、クルマとしての違いを外装やエンジンに求められなくなると、カーシェアリングも増えてきます。レンタカーであれば、戻ってきた時にクリーニングをして、次の人に渡すことができます。しかし、カーシェアリングでは誰かが乗ったクルマにそのまま乗ることもあり、防汚や抗菌も含めて内装の表面をどうするかが大きなポイントです。

三浦氏

なるほど。我々は汚れ防止や指紋をつきにくくした表面機能材も展開しており、耐久性をあげたり、防水機能を付けたりと、お客様のニーズに合わせた研究開発を行っているので、その問題解決にも貢献できると思います。

また、フッ素樹脂やフッ素ゴムの加工品については、肌触り、質感がよいというお客様の声もあり、肌につける製品にも引き合いがあります。皮脂への耐久性もあるので、ウェアラブルの生体センサーにも活かせると思っています。

対談の様子2
赤松氏

ウェアラブルセンシングは高齢ドライバー対応でニーズがあります。現在、メーカーとコンソーシアムを作り、高齢者の体調の急変を検知し、運転中の事故を未然に防ぐためのプロジェクトに取り組んでいます。高齢者の事故では、加齢に伴う心筋梗塞、脳梗塞、意識喪失が多く、不整脈で心拍が2~3倍になり、血液がうまく回らずに意識を失ってしまうというパターンもあります。今は医療用のセンサーを使ってデータを取っています。ウェアラブルで心拍や脈が測れると早い段階で検知できるので、気軽に付けてもらえるようなものがあると便利だなと思っています。

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