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Daikin Mobility Lab.

自動運転分野の隠れたニーズを探り化学材料で自動運転の未来を創る 自動運転分野の隠れたニーズを探り化学材料で自動運転の未来を創る

自動運転の実現を支えるデバイスや精密機器には顕在化していないニーズがまだまだ存在する。自動運転のために必要な技術の現状を知ることで、各メーカーが担う役割にヒントが見えてくるはずだ。2015年から国内の大学として初めて一般道での自動走行実証実験を開始した金沢大学 准教授の菅沼直樹氏とダイキン工業 化学事業部マーケティング部長新家伸洋氏が、自動運転分野で化学メーカーができることについて議論した。

新家氏
ダイキン工業株式会社化学事業部マーケティング部長 新家伸洋氏

ダイキンの化学部門はアメリカのサンノゼに研究所をもっています。化学材料を自動運転やライフサイエンスなどへ生かすために、最先端の技術を探す活動に力を入れています。菅沼先生は約20年間、自動運転の研究に携わられているということですが、海外の研究機関と連携することはありますか?

菅沼氏

国際学会に参加して、そこで情報交換をしています。おおよその技術は持っているので、最先端の研究を行っている研究室の動向をつかみながら自分たちを評価しています。

新家氏

世界的にみると、どの国のメーカーが一歩先を進んでいるとお考えですか。

菅沼氏
 新家伸洋氏

どのメーカーもメディアへ開示されている情報以外は、詳細には出していません。学会では、アメリカやドイツのメーカーが積極的に発表している印象が強いです。欧米のメーカーは博士号を持つ人が研究に携わっています。日本は残念ながら、ハード面もソフト面も研究としてのリサーチというより、エンジニアリングの世界で、自動車をこなれた物にしていくことが重視されています。

センサー・レーダーを研ぎ澄ますためには化学メーカーの力が必要

対談の様子1
新家氏

最近、高齢者のアクセル・ブレーキ間違いが多く、これが防げるだけでも社会的な意味があると思います。化学メーカーが自動運転のセンサー分野で貢献していくための方向性についてアドバイスはありますか。

菅沼氏

例えば、センサーの汚れを自動的にきれいにしたり、そもそも汚れがつきにくくしたり、といった技術はとても重要です。

高速道路で数100キロメートルを運転すると、虫が大量にこびりついていることが多いです。センサーには汚れが付くので、車室内搭載をしたいというニーズがあります。しかし、車室にはガラス面があるので反射が起きます。カメラの場合でも、入ってきた光がガラス面とレンズの間に乱反射を起こして見づらくなります。見たい信号成分の光だけを通したいという要望もあると思います。

センサーにとっての「見やすさ」と、人間にとっての「見やすさ」は違います。センサーが必要な光を検知しやすくするための技術開発など、化学メーカーに貢献していただけるところは多分にあると思います。

金沢大学の公道走行試験車両に使われるセンサー・レーザーなど

金沢大学の公道走行試験車両に使われるセンサー・レーザーなど

新家氏

我々が持っているフッ素材料はフライパンのコーティングでわかるように汚れがつきにくいという特性があります。他にも反射をコントロールする、表面の撥水性や親水性、耐久性を上げる、硬くする、といった「表面機能材料」の技術開発に力を入れています。加工技術はもちろん、分析や評価といった技術にもダイキンの強みがあり、カメラ関係の汚れ防止や光学関係の制御、光ファイバーの材料に使われたりもしています。

先ほどの人間の目から見た「見やすさ」は評価もしやすいので材料設計に落としていますが、今後はセンサー側から見た「見やすさ」に合わせた評価・分析も必要だということですね。

菅沼氏

センサーのデバイスや信号処理をしているメーカーは、センサーの特性にあった材料や化学成分を探っています。最初の設計段階から化学メーカーと上手くコラボレーションできると製品開発のサイクルも早くなるので、とても良い流れだと思います。

対談の様子2
新家氏

2015年11月にテクノロジー・イノベーションセンター(TIC)という研究所を設立しました。ダイキンの空調部門と化学部門を支える、機械・電気・化学を専門とした研究者が700名在籍し、外部の大学・研究機関・企業とコラボレーションしながら、オープンイノベーションという形で新しい製品開発を試みています。

ダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベーションセンター

ダイキン工業株式会社 テクノロジー・イノベーションセンター

菅沼氏

大学という立場上、いろいろな企業と相談させていただく機会が多いです。オープンイノベーションを実践している企業は、未来に対して明るい材料を持っているという印象を受けますね。

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